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[総理杯予選]国士舘大が延長戦の末に神奈川大を下し、4年連続の全国出場!!

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[6.1 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦Aブロック決勝 国士舘大1-0(延長)神奈川大 国士舘大G]

 第35回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦のAブロック決勝が1日に国士舘大鶴川グラウンドで行われ、国士舘大が神奈川大に延長戦の末に1-0で勝利し、4年連続19回目の本大会出場を決めた。

 決勝点が生まれたのは10分ハーフの延長戦。延長後半7分だった。左サイドを攻めあがったFW吉野峻光(4年=静岡学園高)の低めのクロスにルーキーFW小門勇太(1年=帝京高)が左足で合わせて、シュートを打った。「ふかさないように押さえて蹴りました」という1年生FWの冷静な一振りが試合を決めた。この1点を守りきった国士舘大が1-0の勝利を収め、全国への出場権を手にした。

 5月3日に行われたリーグ開幕戦では神奈川大が1-0で国士舘大を下していたが、この日も1点を奪い合う展開となった。立ち上がりから中盤でのせめぎ合いが続き、互いに相手陣内深い位置までボールを持ち込むことができず。前半15分まで、ともに決定機をつくれない。ようやくチャンスをつくったのは国士舘大。前半15分、右サイドからMF金子昌広(3年=正智深谷高)がドリブル突破。吉野へクロスを入れたがGKに止められた。その後も金子からのパスを右サイドで受けたFW田中俊哉(4年=札幌第一高)がPA内へ走りこんだ吉野へ横パスを入れるが、わずかに合わずにGKがストップ。その後も2トップの田中と吉野、右SHの金子が連動しては前線で仕掛けていくが、シュートまで持ち込めずに時間は過ぎた。

 対する神奈川大は主将のMF佐々木翔(4年=城北高)が「打ち合いにはならないですから、こういうゲームになるとは思っていました」と話したようにゴールが生まれない状況にも焦らずに、淡々と国士舘大の攻撃の芽を摘んだ。高い位置から果敢にプレスをかけにいき、幾度も中盤でボールを奪取した。しかし、カウンターに持ち込んでも最後のシュート精度を欠き、1点が奪えない。時間が経つにつれて足も止まり、セカンドボールも拾えなくなっていった。

 こう着した状況を打開したのは、国士舘大の途中出場の選手たちだった。後半26分からMF蓮沼優(4年=千葉U-18)に代わってFW服部康平(2年=国士舘高)。同44分には田中に代わって、小門がピッチへ送られた。2トップの位置で出場していた吉野が2列目へ下がり、服部と蓮沼の2トップになると、そこから国士舘大が勢いづく。服部が高さを活かして前線で奮闘。これに周囲も応じ、MF佐藤優平(3年=横浜FMユース)らがセカンドボールを拾っては前線へつなぎ続ける。神奈川大の木村哲昌監督が「相手の22(服部)が入ってきたところでDFラインが下がっていってしまった」と悔やんだように服部の動きが相手守備陣を押し込むことになり、スペースのできた国士舘大がチャンスを演出。サイドを起点に攻め込んだ結果、小門の決勝点につながった。

 試合後、神奈川大の佐々木は「最後2トップに押されて、そこで押し込まれてしまった」と悔しい表情。「相手に自由に蹴らせてしまったこともダメでしたけど、セカンドも取れなくなっていたし、単純に全員で互いをカバーしきれなかったことが反省点です」と試合を振り返った。

 勝利した国士舘大の吉野主将は「とにかく優勝は目標ですけど、関西大と中京大を倒したいですね」と全国大会へ向けて一言。昨季の総理大臣杯と全日本大学選手権で敗戦を喫した相手との再戦を熱望した。また、佐藤も「去年は中京大に変な負け方をしてしまったので。去年のベスト4以上の結果は絶対に残したい」と意気込みを語った。110分間の死闘を制した国士舘大が4年連続19回目の全国の舞台へ乗り込んでいく。

[写真]途中出場ながらチームに貢献した服部(左)

(取材・文 片岡涼)

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