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岡田ジャパン、W杯直前の4連敗から1年。長友「あのドン底を乗り越えたから今がある」

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 上げ潮に乗る今の姿からは想像できない。DF長友佑都(インテル)が、1年前を「あのときはドン底だった。けっこう叩かれたし、ファンのみなさんも期待していないという感じだった」と振り返った。

 W杯南アフリカ大会開幕直前の昨年6月4日。岡田ジャパンはスイスのシオンでコートジボワールとの親善マッチに臨み、0-2で敗れた。スコアはもちろん、アフリカ特有のフィジカルに押されまくり、内容でも完敗。チームはセルビア戦、韓国戦、イングランド戦に続き4連敗となり、暗いトンネルに入ったまま南アフリカに向かった。「W杯グループリーグ3連敗濃厚」との声が日増しに大きくなった。

 ところが、W杯初戦のカメルーン戦を1-0で制してから奇跡の超V字回復が始まる。長友自身はW杯での活躍が認められてイタリア・チェゼーナに渡り、その後インテルへ移籍、そしてイタリア杯優勝。今なお、あれよあれよの“快進撃”を続けている。

「これを見ても分かるように、人生なんて山あり谷ありじゃないですか。あのときにみんなが壁を乗り越えて跳ね返してきたことが今につながっている。今後も苦しいときは来ると思うから、そのときのために準備をしていかないといけない。今後も成長していきますよ」

 成長するための新戦術として取り組んでいる3-4-3の練習は、この日もみっちりと行われた。ザッケローニ監督の指示は数10cm単位の細かさで、一朝一夕で身につくようなものではないが、「チャレンジしないと失敗できない。今はどんどんチャレンジできるとき。W杯予選もあるけど、そういうところでもチャレンジしていかないと僕らの進歩はない」と、長友は力を込める。

 目標は世界一のSB。永遠に成長を望む男は、きりりと前を向いた。

(取材・文 矢内由美子)

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