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ザック流3バックを束ねる今野、「どれだけ通用するか楽しみ」

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 チェコ戦でも“ザック流3バック”を束ねるのは、DF今野泰幸(F東京)になりそうだ。5日の全体練習終了後、今野はアルベルト・ザッケローニ監督に呼び止められ、約5分間の個別指導を受けた。3バックの中央を務める今野に対し、指揮官は守り方を詳しく伝授。フィールドプレイヤーで最後尾にいるCBには“守備の司令塔”として期待がかかる。

 今野は「いい練習ができていると思う。いいところも出てきているし、分からないことがあれば聞いている。いい感触になってきている。守備的になるのではなく、攻撃的になって、高い位置でボールを奪って、得点に直結できればいい」と指揮官が求める“攻撃的な守備”の実践を誓った。

 ザック流3バックは、サイドから攻め込まれた際、左右のCBが外に開いてSBのように守備をする必要があるため、今野にはそのスペースを埋めると同時に、中央に構える相手FWや、2列目から飛び出してくる選手のケアなど、さまざまな仕事が求められる。かなり大変だが、今野はこれまでにボランチやSBを含め、守備的なポジションはすべて経験しており、仲間の気持ちがよく分かる。つまり、適任と言えるだろう。

 今回、CBは今野のほかに栗原勇蔵(横浜FM)、伊野波雅彦(鹿島)、吉田麻也(VVV)、槙野智章(ケルン)と全5選手が選ばれているが、中央で練習しているのは今野と栗原だけ。ただ栗原は1日のペルー戦で右CBで先発しているように、“本職”として考えられているのは今野だけだ。実際、今野は中央でしか練習していない。3月のJリーグ選抜戦では、DF岩政大樹(鹿島)も選出され、今野と同様に中央で練習していたが、今回は招集されていない。今野がいかに指揮官から信頼を得ているかが分かる。

「自分の課題であるラインの上げ下げをもっとしっかりとやっていきたい。チェコはレベルの高い相手なので、どれだけ通用するか楽しみ」

 チェコにはマルティン・フェニン(フランクフルト)や本田圭佑の同僚でもあるトマシュ・ネチド(CSKAモスクワ)ら強力な攻撃陣がおり、ペルーと同様に、これまでの練習の成果を試すには絶好の相手となる。現在は新システムに戸惑いを見せる選手が多いが、今野は“守備の司令塔”としてうまく統率するつもりだ。

(取材・文 近藤安弘)

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