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注目ルーキー先発の鹿島、本拠地での今季初勝利

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[6・18 J1第16節 鹿島2-0磐田 カシマ]

 鹿島アントラーズがホーム、カシマスタジアムでの今季初勝利を挙げた。東日本大震災後初のカシマスタジアムでの試合だった前節・甲府戦(15日)は、後半ロスタイムの失点で敗戦。それだけにモチベーションも高かったチームは立ち上がりから再三セットプレーを活かして磐田ゴールへと迫り、チャンスを確実にものにして2-0で勝利した。

 注目の高卒ルーキー、MF柴崎岳が先発メンバーに名を連ねた鹿島は試合開始直後にMF増田誓志がゴール右ポスト直撃の左足シュート。その後もCKから立て続けにゴールを襲うと、前半6分、MF野沢拓也の右CKからCB岩政大樹が打点の高いヘディングシュートを放つ。このボールの先にいたのがゴールエリアのFW興梠慎三。胸でシュートのスピードを殺すと、ワンバウンドしたボールを豪快に右足で打ち抜き、ゴール右隅へと突き刺した。

 GK曽ヶ端準のビッグセーブなどリードを守った鹿島は後半19分に追加点を奪う。ショートカウンターからMF遠藤康のラストパスでGKと1対1となったFW田代有三が冷静に右足でゴールへと押し込み、2-0とした。試合終了間際には交代出場のMF小笠原満男の左CKのこぼれ球を柴崎が右足シュート。DFに当たってコースの変わったボールは磐田GK川口能活のビッグセーブにあって初得点とはならなかったが、試合後のインタビューで岩政も「新人と思えないプレー」と賞賛していた。19歳MFもしっかりと90分間戦い抜き、カシマスタジアムでの今季初勝利を彩った。

 チームにとっても大きな1勝だ。AFCチャンピオンズリーグに出場していた関係で2試合消化が少ないものの、ここまでリーグ戦では2勝2分4敗で暫定15位と期待通りの成績を残すことができていなかった。岩政は「少しずつ歯車が狂ったところで立て直す力がなかった」と振り返る。特に大きな穴はなかったにも関わらず、失点数は増えて開幕から6試合で14失点。それでも安定感を取り戻してきているチームはこの日も暫定6位につける磐田にシュート9本を放たれたものの、ゴールを許さなかった。

 カシマスタジアムでの待望の1勝を弾みに巻き返しへ。甲府戦で白星を勝ち取りたかったと悔しがっていた田代は「これからどんどん盛り上げたい」。2トップのアベック弾やルーキーの奮闘などで白星を挙げたチームはこの1勝をきっかけに「強い鹿島」を見せ続け、シーズンの最後に頂点に立つ。

(文 吉田太郎)

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