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世界一のなでしこジャパンが凱旋帰国!!澤「ロンドン五輪で金メダルを」

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 なでしこジャパンが凱旋帰国! 女子W杯ドイツ大会で日本サッカー史上初の世界制覇を成し遂げた日本女子代表が19日朝、成田空港に帰国し、同日午後、都内のホテルで帰国記者会見を行った。

 大会MVP、得点王という個人タイトルとともに3冠を達成したMF澤穂希(INAC神戸)は「ドイツでは優勝した実感がなかったけど、成田に着いて、たくさんの報道陣やファンの方が出迎えてくれて、この会見でも、今までなでしこでこれだけの人が集まることがなくて、やっと実感が沸いた気持ちです」と、過熱するなでしこフィーバーに戸惑いながらも笑みをこぼした。

 93年の代表デビューから18年。自身5度目のW杯で勝ち取った栄冠に「ここまで来るのは本当に長い道のりだったけど、こうして世界の頂点に立てて、夢をあきらめずに来てよかった。ここにいるスタッフやチームメイト、たくさんの方のサポートのおかげで優勝できたと思います。今後、日本で女子W杯を開催できる日が来たらいいなと思いました」と、新たな夢も口にした。

 選手全員の首には、まぶしい金メダルが光っていた。「世界で金メダルを取るなんて今までは考えられなかったことで、こんな日が来るとは思っていなかった。すごく重みのあるメダルです」と、あらためて世界の頂点に立った喜びをかみ締めた。

 会見場の壇上にはチームが勝ち取った優勝トロフィー、フェアプレー賞トロフィーとともに、澤が手にしたゴールデンボール(MVP)、ゴールデンシュー(得点王)の合計4つものトロフィーが輝かしく並んでいた。

 自身の個人タイトルについても「スタッフ、チームメイトをはじめ、なでしこジャパンに携わってくれたすべての人のおかげで取れた」と話す澤はキャプテンとしてチームメイトに感謝の言葉を口にする。

 36歳のGK山郷のぞみに次ぐチームで2番目に年長の32歳。若い選手が多いチームの中、26歳のMF宮間あやら中堅選手がうまく若手をまとめ、引っ張ってくれたのだという。「宮間選手に助けてもらって、宮間選手や福元選手、近賀選手、大野選手といった中堅の選手が下の選手を引っ張ってくれて、ベテランを押してくれたり、チームのためにサッカー外のところでも目を光らせて、いろいろ気を使ってくれた」。世代間がうまく融合し、チームが団結していったことが優勝の最大の要因だった。

 大会前から「最高のメンバー。メダルを取れるメンバーがそろっている」と話してきた。試合を重ねるごとに成長し、頼もしさを増す仲間たちを心強く感じていた。「このメンバーじゃないと取れない」。決勝前には金メダルを確信するまでになった。そして、W杯制覇。この日の会見でも「みんな最高です。後輩全員が頼もしいです」と目を細めた。

「座右の銘というか、『夢は見るものではなく、叶えるもの』と思い続けてきた。道のりは長かったけど、夢をあきらめずに来た結果、今がある。夢をあきらめず、それに向けてがんばってほしい」

 すべての女子サッカー選手にそうメッセージを送った澤。「集大成」と位置付けた大会で世界一に輝き、最大の夢を叶えた。では、澤自身の新たな夢は?

「人間、欲は出ちゃうので(笑)。こうして金メダルが前にあると、オリンピックでは取ってないので、来年のロンドンオリンピックで金メダルを取るのが今の目標です」

 9月1~11日には来年のロンドン五輪出場権をかけたアジア最終予選が中国で行われる。W杯の次は五輪。世界大会連覇という新たな偉業に向かって、32歳のなでしこクイーンはこれからも日本女子サッカー界の最前線を走り続けていく。

澤直伝「女子サッカーの極意」

[写真]世界一に輝いたなでしこジャパンが帰国記者会見

(取材・文 西山紘平)

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