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アジア予選の厳しさ体感した「A代表の切り札」清武、五輪最終予選初戦は「内容より勝利」

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 内容云々よりも勝ち点3! 関塚隆監督率いるU-22日本代表はあす21日、ロンドン五輪アジア最終予選初戦(鳥栖)でU-22マレーシア代表と対戦。5大会連続となる五輪出場へ向けた最終予選に挑む。

 20日に行われた公式会見で関塚監督が「いよいよロンドンへの出場権を懸けた最終予選に臨みます。6試合のうちの1試合ですが、大事な初戦と考えている。我々のスタイルで先制点を奪いに行くことが大事。我々のサッカーで勝ち点3をつかみたい」と力をこめた初戦。関塚ジャパンは昨年の第16回アジア競技大会で2-0でマレーシアを下しているが、今大会、1次予選から勝ち上がってきたマレーシアはシード国のレバノンとのアウェー戦を0-0で守りきり、ホーム戦を2-1で競り勝っている。それだけに集中した戦いでしっかりとゴールを破って、白星で初戦を飾りたいところだ。

 キーマンはA代表でのデビュー戦(対韓国)で2アシストを記録し、W杯アジア3次予選の北朝鮮戦でもロスタイム決勝弾をアシストしたMF清武弘嗣(C大阪)だ。大ブレイク中のアタッカーは右MFとして先発が濃厚。記者陣に対して「まずは勝ち点3。ワールドカップ予選も初戦は苦しかった。ゲーム内容はどうであれ、勝たないといけない。内容も求められると思うけれど勝つだけ。皆さんは内容を求めると思うけれど、勝って流れに乗りたい」と勝利だけを見据えた。

 そのためにはゴールにもこだわらない。A代表では2アシストしても、決勝ゴールを演出しても「決められなかったことは自分の実力不足」と納得していなかった男が、五輪予選初戦に関しては「得点を決めたいけれど、まずはチームに貢献できるプレーをしたい」とフォア・ザ・チーム宣言。世界舞台をかけた厳しい舞台を経験した男は、油断せずにアジアの戦いを乗り切る。

 チームの戦いには自信がある。週末のJリーグの試合を欠場して6日間かけて調整。関塚監督が「個々をチームにすることをポイントにしてきた」という最終調整では清武も声でチームを鼓舞するなど、チーム全体に一体感が出てきている。守備的に戦ってくることが有力なマレーシアに対して「相手の出方を見ても仕方ない。自分たちのサッカーをしっかりやりたい」と言い切った清武は「自分たちがいいパフォーマンスをできるかにかかっている」。今や「A代表の切り札」となった男は「U-22代表の牽引役」として、チームを勝利へ導く決意。内容よりも、まずは絶対に勝ってチームを勢いづける。

(取材・文 吉田太郎)
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