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前田が復帰しCFは李・ハーフナーと計3選手に。ザック「これで選択肢が広がった」

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 頼もしい男が帰ってきた。FW前田遼一(磐田)が6月のキリン杯以来となる日本代表復帰を果たした。怪我で8月のリーグ戦全5試合を欠場したために8月10日のキリンチャレンジ杯・韓国戦、9月2日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦など最近の代表戦5試合に離れていたが、元はザックジャパンのエース。Jリーグで調子を戻しており、待望の復帰となった。
 アルベルト・ザッケローニ監督は会見で「前田選手はこれまでも代表チームに非常に貢献してくれていた。たぶん、これからも貢献してくれる選手。8月の合宿の期間に彼は来れず少し離れていたが、チャンスがあれば常に呼ぶつもりでいた」と改めて高く評価していることを明かした。
 前田の復帰で、FWの競争が激しくなる。ザッケローニ監督は4-2-3-1と3-4-3の戦術を使い分けるが、いわゆるセンターフォワード(CF)のポジションは1つで、これまで2選手ずつ招集してきた。追加招集の選手を除けば、1月のアジア杯などでは前田とFW李忠成(広島)が呼ばれ、前田が不在の期間は李とFWハーフナー・マイク(甲府)だったが、今回初めて最初から3選手が招集された。
 ザッケローニ監督は「まずは全体のバランスを考えたうえで、こうした選択となった。他のポジションではいろんな選択肢があったが、ここのポジション(CF)は2つの選択肢しかなかった。これで選択肢が広がった。FWの選手に関してはそれぞれ特徴が異なる。前線のバリエーションを増やしたいということで、こういう選考になった」と説明。万能型の前田、突破力の李、高さのハーフナーと“3本の矢”が揃ったことを強調した。
 3タイプのCFが手駒になることで、ザッケローニ監督の交代策には選択肢が増え、また3人が切磋琢磨することでレベルアップも期待できる。特にハーフナーは10月のタジキスタン戦(長居)で国際Aマッチ初ゴールを含む2得点と奮闘。Jリーグでも1位タイの16得点と急成長中。「基本的には、これまでと変わらずにバランスを保ちながら結果を出していきたい」とザッケローニ監督は基本戦術を踏まえたうえで、それぞれの個性を出すことを求めた。“3本の矢”が揃ったことで、日本はさらに強くなる。
(取材・文 近藤安弘)

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