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酒井が史上4人目の“新人王”&ベストイレブンのW受賞、「いろんな体験ができた1年だった」。去就にも言及

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 期待の若手が最高の栄誉を手にした。柏レイソルのDF酒井宏樹が、初のベストイレブンとベストヤングプレーヤー賞の“W受賞”を成し遂げた。柏からの“新人王”は初の快挙で、W受賞も98年のMF小野伸二(浦和)、99年のDF中澤佑二(V川崎)、08年のMF小川佳純(名古屋)以来4人目の偉業となった。

「シーズンが始まる前は、このような賞を取れるどころか、こんなに多くの試合に出られるとは思っていませんでした。これも全部、柏レイソルという素晴らしいチームのおかげだと思っています。名誉ある賞で、獲りたくても獲れない選手がいる中、本当に嬉しいです」

 ベストイレブンに至っては元日本代表DF田中マルクス闘莉王(名古屋)を抑えて最多得票を獲得した。SBとCBの違いがあるとはいえ、まさに酒井が2011年を代表するDFとして認められた。「ほんとですか、知らなかったです」と驚きの酒井。ベストヤングプレーヤー賞に関しては、チームが優勝したことや自身の年齢もあって、受賞の可能性があると考えていたが、ベストイレブンは本当に予想していなかった。「ベストイレブンに入れるとは思っていなかったので、本当に嬉しいです」と声を弾ませた。

「今年はいろんな体験ができた1年だった。本当に最高の形で終われます」

 まさに“シンデレラ・ボーイ”となった。プロ4年目の酒井は昨季はJ2で9試合を経験したのみで、J1は今季が初出場。開幕の清水戦こそ欠場したが、リーグ戦27試合に出場し、柏の右SBを不動のものとした。鋭い突破と高速クロスでゴールを演出し続けた。U-22日本代表でも不動のレギュラーに君臨。10月には追加招集ながらA代表も経験した。本当に大きく飛躍を遂げたシーズンになった。

 ブラジルの名門で、今年のクラブW杯にも出場するサントスからは正式オファーが届き、一部報道によると、ドイツのニュルンベルクやハノーバーが獲得を希望しているとされる逸材。去就が気になるところだが、一部報道によると、クラブ幹部が柏に残留することを明かしている。この日、来季について聞かれた酒井は「報道のとおりです」と柏残留を明言。ファンにとっては嬉しい言葉となった。

「このチームは強いと思うけど、どれだけ強いのか挑戦したいですね」。酒井は8日から開幕するクラブW杯について早くも闘志を燃やしている。ブラジル留学も経験しており、勝ち上がって、正式オファーをくれたサントスと対戦したい思いが強い。もちろん、その先のバルセロナとの対戦も夢見ている。

 今後もますます期待が高まる酒井。逆に来年は真価が問われる1年にもなる。周囲のマークが厳しくなることが考えられ、またACLも控える。U-23日本代表としてロンドン五輪予選もあり、今年以上に大忙しの1年となる。もちろん、A代表定着も期待される。「まだまだなので、もっともっと頑張りたい」。酒井はこれに満足することはない。これからも貪欲に戦い、目の前に広がる無限の可能性を掴みに行く。

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(取材・文 近藤安弘)

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