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[クラブW杯]元ペルーリーガーの澤が対戦経験を活かしてスアソ対策を伝授

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 先発出場ができない分、情報でチームに貢献する。柏レイソルのMF澤昌克が11日に対戦するモンテレイのエース、チリ代表FWウンベルト・スアソ対策を仲間に伝授した。「スアソはそんなに大きくはないけど、体はしっかりしている。得点感覚はあるし、テクニックがある。体の割に切れもあるし、レベルが高い」。プレースタイルを含め、知りうる限りの情報をDFラインに伝えた。

 ビデオを分析した情報ではない。対戦経験による“生の情報”だ。澤はアルゼンチンのリバープレートユース出身で、プロとしてはコロネル・ボログネシやデポルティボ・ムニシパル、シエンシアーノなどペルー1部リーグでプレー。ムニシパルでは最優秀外国人選手賞を受賞し、ペルー協会からは同国代表入りを勧められたほどだった。

 スアソとの対戦は、ボログネシに在籍した2007年だった。ペルーの代表として参加したコパ・スダメリカーナ(南米カップ戦王者決定戦)で、チリの強豪コロコロと対戦。その時の対戦相手にスアソがいた。「ホーム&アウェー方式の試合で、ホームだった第1戦は僕のゴールで2-1で勝利しました。アウェーの第2戦は0-1で敗れ、結果は負けでした」。澤はこの試合で日本人として初のゴールを記録しているが、当時のスアソのプレーは鮮明に覚えている。

 もちろん、スアソに限らず、南米や北中米地域の選手の特徴をよく知っており、だからこそ先発で試合に出たい気持ちが強いが、まずはチームのために情報を提供した形。当然、出番を待っている。「11人がいい試合運びをしてくれると信じて見たい。集中できるように外から声をかけていきたい。出番が来たら、流れがいい時は、それを維持できるように。悪い時はそれを変えられるようなプレーをしたい」とイメージをふくらませた。

「レイソルは今年、歴史を塗り変えたけど、この大会でも歴史を塗り替えられるように頑張りたい」。澤に出番が来るときは、チームが劣勢の状態にある可能性が高く、活躍すればたちまちヒーローになれる。泥臭さとスピードが武器のアタッカーは、チームの勝利に向け、いつでも準備はできている。

[写真]スーパーサブとして待機する澤。経験を活かして勝利に貢献する

(取材・文 近藤安弘)

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