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[クラブW杯]バルセロナが来日会見、「勝って王者として残りたい」

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 クラブW杯に出場する欧州代表のバルセロナ(スペイン)が12日、来日記者会見を行い、DFプジョルとDFダニエウ・アウベスが選手を代表して出席したあと、グアルディオラ監督が単独で会見に臨んだ。

 2大会ぶり2度目の世界一を目指すグアルディオラ監督は「2年前の決勝は大変な思いをした。今回はもっと素晴らしい試合を見せて、勝って王者として残りたい」と宣言。プジョルは「この大会で勝ち残るのはたやすいことではない」としたうえで「我々は前進あるのみ。この素晴らしいバルセロナの歴史を継続していきたいと思っている」と強い決意を口にし、ダニエウ・アウベスも「(欧州CLで優勝し)この大会に出るまで大変だった。このチャンスを生かし、頂点に上り詰めたい」と、世界一のタイトル獲得に意欲を見せた。

 10日に行われたレアル・マドリーとのクラシコに3-1で逆転勝ちし、そのままマドリードの空港に直行し、11日夜に来日。この日の会見前には日本で初練習も行った。グアルディオラ監督は「今回、自分たちは時差の調整に心を砕いている。選手には『今夜まではできるだけ寝ないようにしろ。もしシエスタ(昼寝)を取るなら短時間にしろ』と話している」と説明。疲労の色を見せる選手もいる中、ダニエウ・アウベスは「(ブラジル)代表で時差には慣れている」と強調。「代表で南米に行くこともあるが、そこでも時差はある。自分に時差ボケはない」と力説していた。

 クラブW杯出場は2年ぶり3回目。UAEで開催された09年大会は決勝でエストゥディアンテス(アルゼンチン)を2-1で破り、初優勝を飾ったが、日本で開催された06年大会は決勝でインテルナシオナル(ブラジル)に0-1で敗れている。プジョルは「(日本での)過去の思い出は決して良いものではない。ディフェンシブに試合を運んでしまい、最終的にゴールを決められた」と振り返る。5年前の記憶を払拭するためにも、バルセロナらしいサッカーで世界の頂点に立つつもりだ。

 チームは波に乗っている。クラブW杯の“前哨戦”ともなったクラシコは3-1の逆転勝ち。R・マドリーの公式戦連勝を15でストップし、日本に乗り込んできた。「レアルに勝って、日本に来れた。自信を持って試合に臨むことができる」とプジョル。クラシコでMFセスクの3点目をアシストしたダニエウ・アウベスは「ただの勝ち点3ではなく、重い意味のある3ポイントだった」と強調しながらも「我々に過去は存在しない。新しい歴史をつくるために常に前だけを見ている。過去を振り返ることなく、今という時間を過ごしたい」と、すでにクラブW杯へ気持ちを切り替えていた。

 バルセロナは大会初戦となる15日の準決勝でアジア代表のアルサッド(カタール)と対戦する。現役時代の03~05年にカタールのアルアハリでプレーした経験もあるグアルディオラ監督は「非常に良い国だとリスペクトしている。今回、対戦できることをうれしく思っている」と“縁”も感じている様子。「まだアルサッドの分析は進んでいない。相手がどんなチームか明確になり、選手の状態が明確になってから、メンバーを決めていきたい」と、今後、本格的な準備に入っていく考えを示した。

「クラブW杯のタイトルは重要なタイトル。欧州CLに勝って、ここまで来ることができた。クラブW杯のタイトルを持って帰りたいと思っている。ここで勝ってこそ、世界No.1のクラブだと胸を張って言える」とプジョルは力説した。世界最強の呼び声高いバルセロナ。そのことを証明するための戦いが、いよいよ日本で幕を開ける。

(取材・文 西山紘平)

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