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[クラブW杯]柏があすサントスと激突、酒井はネイマール封じに闘志。「対応できないこともない」

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 酒井がネイマール封じに闘志! FIFAクラブワールドカップに参戦中の柏レイソルは14日、準決勝で南米王者のサントス(ブラジル)と対戦する。勝てば日本勢、アジア勢としても初の決勝進出となる大一番を前に、チームは13日、愛知県内のグラウンドで調整した。最後のクールダウンだけ公開でその他の内容は非公開とし、決戦に向けて集中力を高めて戦術確認を行った。
 どの選手もタレント揃いの名門サントスとの対戦に気持ちを高ぶらせているが、勝利へのカギを握るのはDF酒井宏樹だ。19歳のエースFWネイマールは2トップシステムの場合は左FWに入る。他のシステムであっても、左サイドから中に仕掛けるのがスタイルで、対峙するのは右SBの酒井となる。もちろん、MFガンソやMEエラーノらブラジル代表選手もおり、ネイマールを封じるだけではダメだが、酒井がネイマールの突破を食い止め、そのうえで攻撃参加できれば、柏の勝利の確率が上がる。
「やるだけですね。勝ちたいと思います。疲れはないことはないですけど、みんな頑張ってるんで。ネイマールは、やっぱり凄い選手なんで、楽しみです。対応できないこともないと思う。しっかりと止められるように全力を尽くすだけです」
 酒井は目を輝かせながら、ストップ・ザ・ネイマールに意欲を示した。酒井にとっては、サントスは他の日本人選手以上に特別な相手といえる。すでに残留を表明したが、来季に向けた獲得オファーを受けるなど高く評価されたクラブだ。そして何より、今の酒井を“覚醒”させる要因となったが、ブラジル留学だった。
 2009年6月から約4か月間、サントスと同じサンパウロ州にあるモジミリンECで武者修行した。この留学中に右SBに転向。これが当たった。技術だけでなく、南米特有の強さや上手さ、ハングリー精神などを学び、現在のブレークのきっかけとした。同じサンパウロ州ということもあり、サントスの試合はテレビで見ている。当時は雲の上のようなチームだったが、直接対決のチャンスを得た。ブラジルの名門の凄さを現地で見聞きしているだけに、心が踊らないはずはない。
 ネイマール対策については「速いし、どうですかね。気をつけようがないですからね。どんな相手でもそうですけど、来た選手を止めるだけ。どういうやり方で止める? そういうのは特に考えてないですね。1対1で勝負して勝ちたい? 相手はあくまでサントスなんで、それは関係ないです」と明かした。あれこれ深く考えすぎず、いつも通り、酒井らしく思い切りのいいプレーで食い止めるつもりだ。
 気になるのは8日のオークランド・シティ(ニュージーランド)戦で痛めた左膝の状態。11日のモンテレイ(メキシコ)戦では痛み止めを飲んで120分間フル出場しており、悪化が心配される。酒井は「日に日に回復はしなくなってきていますけど、こういう素晴らしい舞台なので体を言うことを聞かせるようにします」と満身創痍であることをうかがわせた。前日12日は豊田市内のスーパー銭湯で体をほぐし、コンディション調整に務めたが、中2日では完全回復は難しい。それでも気持ちで、アドレナリンで乗り切る自信がある。
「レイソルがどれだけ強いか、証明したいですね。レイソルは本当にいいチームなんで、それを見せたい」と酒井は言い切った。サントスに勝てば、愛着があり、誇りを持っているレイソルを全世界に知らしめることができる。酒井はそれを実現させる意気込みだ。ネイマールを封じ、得意のクロスでゴールを導く-。規格外の大型サイドバックには、そんな大仕事をやってのける期待を抱かせる。
(取材・文 近藤安弘)

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