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京都が湘南を下し、優勝した02年以来9大会ぶりの4強入り!

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[12.24 天皇杯準々決勝 湘南0-1京都 等々力]

 天皇杯準々決勝が24日に各地で行われ、等々力陸上競技場では湘南ベルマーレ京都サンガF.C.が対戦した。J2同士の対戦となった一戦は、京都が前半40分にFWドゥトラのゴールで先制し、これを守り切って1-0勝利した。京都は優勝した2002年度以来9大会ぶりの4強入りを果たした。29日の準決勝では横浜FMと激突する。

 湘南は3-6-1システムを採用。GKは野澤洋輔、3バックは右から鎌田翔雅、山口貴弘、遠藤航が務めた。右WBは臼井幸平、左WBは高山薫、ボランチは永木亮太とハン・グギョンが組み、トップ下には菊池大介と坂本紘司が入った。1トップは田原豊が構えた。

 京都は4-4-2システムを採用。GKは水谷雄一、DFラインは右から安藤淳、秋本倫孝、森下俊、福村貴幸。ダブルボランチはチョン・ウヨンと中村充孝が組み、2列目は右に工藤浩平、左に中山博貴が入った。2トップは宮吉拓実とドゥトラが組んだ。

 湘南は川崎F、京都は鹿島とJ1の強豪を倒しての8強入り。どういう戦いを見せるか注目されたが、立ち上がりはともに中盤の守備が激しく、ボールの奪い合いが続く。それでも京都は前半10分、ゴール前を仕掛け、混戦から最後はドゥトラが右足シュートで叩きこもうとしたが、これは相手DFにブロックされた。

 対する湘南は、長身の田原をターゲットに攻めるパターンと両サイドを使ってのクロスからと、持ち味を出そうとしたが、京都守備陣がしっかりとケアし、いい形が作れない。CKやFKなどセットプレーで押し込むが、簡単にはゴールを割れなかった。前半28分には菊池のFKのクリアボールからハンがミドルシュートを狙ったが、惜しくも左に外れた。

 両軍とも積極的な守備で潰し合い、なかなか決定機が作れない時間が続く。京都がショートパスをつないでやや主導権を握ったが、バイタルエリアで湘南の守備網にはまり、なかなかPA内に進入できなかった。それでも京都がセットプレーで先制点を奪った。前半40分の右CKのチャンスで、チョンのキックに秋本がヘディングで競り勝ち、こぼれ球をドゥトラが押し込んだ。前半は京都が1-0で折り返した。

 後半、ともにメンバー変更なくスタートした。立ち上がり、京都が攻勢を強める。後半6分、PA右でパスを受けたドゥトラがドリブルから左足シュート。しかし、これは湘南守備陣が体をはって食い止めた。

 なんとか早い時間に1点を返したい湘南。後半9分、坂本に代えてMF石神直哉を送り出した。石神は左WBに入り、トップ下に高山が入った。これが効果を発揮する。同15分、石神の左クロスに田原が走り込み足を合わせた。しかし、惜しくも左に外れた。

 京都は後半20分、ビッグチャンスを作った。PA右から中村充がファーサイドにクロスを入れると、これを宮吉が落とし、ドゥトラが強烈なシュート。これはGK野澤がセーブした。こぼれ球を宮吉がヘディングで押しこもうとしたが、決められなかった。

 湘南も反撃。後半27分、PA内右に出たスルーパスに臼井が反応。GK水谷と1対1となったが、飛び出した水谷にシュートを防がれた。同30分には菊池の左クロスから、田原がヘディングシュートを放ったが、GK水谷にパンチングでセーブされた。こぼれ球を遠藤が押しこもうとしたが、これはブロックされた。

 湘南は後半33分、ハン・グギョンに代わりMF松尾直人が入った。湘南は同36分、最後の交代カードを切る。山口に代えてMF岩尾憲を送り出した。その後、1点ビハインドの湘南がやや主導権を握った。田原の空中戦の強さを活かしてゴールに迫った。しかし、PA内は堅く崩すことはできない。京都は同41分、中村充に代えてMF加藤弘堅を投入した。

 ロスタイムは3分。湘南は田原の高さ、高山のスピード、石神のクロスを活かして攻めようとしたが、うまくいかない。46分、ショートカウンターで攻め込み、最後はPA正面で岩尾が左足シュートを放ったが、GK水谷の正面を突いた。京都は47分、森下に代えてDF内野貴志を入れた。その後も湘南が必死の攻撃を見せたが、ゴールは割れず。京都が1-0で準決勝進出を決めた。

(取材・文 近藤安弘)

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