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[選手権]市立船橋の優勝パレードに17,000人!和泉「後輩たちが国立で連覇してくれる」

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 第90回全国高校サッカー選手権決勝で四日市中央工(三重)を延長戦の末に2-1で下し、9年ぶり5度目の優勝を果たした市立船橋(千葉)サッカー部が12日、船橋市内で優勝パレードと優勝報告会を行った。

 後半ロスタイムの劇的な同点ゴールと延長戦後半の勝ち越し弾によってつかんだ全国制覇の感動と興奮は、確かに地元にも伝わっていた。高校日本一に輝いた“地元の英雄”の姿をひと目見ようと集まった市民や観衆の数は1万7000人(船橋市発表)。パトカーとブラスバンド部の30名に先導された選手24名と関係者8名は午後1時前にJR船橋駅を出発し、沿道を埋め尽くした“市船サポ”や建物の2階、3階から祝福する人々に笑顔で手を振って応えながら、船橋市役所までの約1kmを堂々と凱旋パレードした。

 午前中に同校で同級生たちから優勝を祝福されていた選手たちだが、市民からの「おめでとう」という声にまた感動していた。「期待に応えることができてよかった」と喜んだイレブンは、この後船橋市役所のロビーにて行われた優勝報告会に出席。3年生の控え部員たちも駆けつけた優勝報告会では船橋市の藤代孝七市長が「5度目の全国制覇おめでとうございます。選手の皆様方、そして部長、監督、コーチ、トレーナー、それぞれの分野に渡りまして大変なご指導を頂きましたこと改めて感謝申し上げたいと思います。今回の優勝はまさに私ども61万市民はもとより、千葉県民、全国津々浦々に至るまでサッカーの感動を味合わせて頂いた事であろうと思います。5度目の全国制覇、我々(船橋市民)は大きな大きなお年玉を頂いた」と祝辞を述べた。

 これに対して就任1年目での全国制覇の快挙を成し遂げた朝岡隆蔵監督は「おかげさまで市立船橋高校の最大の目標である選手権での全国制覇を達成することができました。これも一重に皆様の支えがあったということと選手たちの結束、これが一番でした。大会期間中、私自身涙を流すことの多かったですが、選手たちも涙を流した中で本当に一回りも二回りも成長してくれました。そのチームの結束があのような『ゲーム運び』『我慢強さ』『あきらめない心』となり、このような結果につながったと思います。スポーツの力が大きなものであるということを改めて感じることができました。これからも感動を届けられるように頑張ります」と宣言した。

 大会優秀選手に選出されたDF渡辺健斗(2年)とMF磐瀬剛(1年)をはじめDF種岡岐将(2年)とDF小出悠太(2年)の両CBなど日本一メンバーからレギュラー4人などが残る新チームは17日に始動。すでに3月に福岡県内で開催される2012 サニックス杯国際ユースサッカー大会への出場が決まり、チームはその後高校サッカーフェスティバルなどに参加した後、4月のJFAプリンスリーグ(U-18)関東1部で初めての公式戦に臨む予定だ。朝岡監督は「(来年も)このラインにまで持ってきたい。2トップにするかもしれないし、もうちょっと攻撃的なサッカーをしたいとも考えている」。1、2年生は来週、選手間投票で決定する予定の新主将中心に先輩達が見せ付けた「強い気持ち」と「人間性の強さ」で選手権2連覇などに挑戦していくつもりだ。

 決勝で劇的な2ゴールを決めたFW和泉竜司主将(3年)は「この大会を通じてチームが一丸となることやあきらめない気持ちを学ぶことができました。この気持ちを生かして、また来年、後輩たちが国立へ戻ってきて連覇をしてくれると思うので、これからも協力と応援よろしくお願い致します」と挨拶。13日に行われる千葉県庁への表敬訪問で優勝モードも“一区切り”になる。高校サッカー最大の目標である日本一に輝いた直後ではあるが、進学する3年生たち、そして1、2年生たちは間もなく新たな目標へのスタートを切る。

(取材・文 吉田太郎)

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