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[MOM2384]長崎総合科学大附MF嶋中春児(3年)_“安藤以上“のパワーショット炸裂

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前半17分、長崎総合科学大附高MF嶋中春児が先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 中京大中京高 0-3 長崎総合科学大附高 フクアリ]

 長崎総合科学大附高(長崎)は名将・小嶺忠敏監督が「どこからでも打てる。(C大阪内定の)安藤よりもシュート力があるからね」と評するMF嶋中春児(3年)のパワーショットが炸裂。拮抗した序盤に先制ゴールを叩き出した。

 今年2月の九州新人戦で東福岡高MF福田湧矢(3年、G大阪内定)や神村学園MF高橋大悟(3年、清水内定)をマンマークで封じ込んでいる注目MF嶋中だが、この日はベンチスタート。それでも、小嶺監督は緊張した選手もいてチームが上手く行っていないと見るや、立て直しのため、前半13分に早くも嶋中をピッチへ送り出す。

 すると、17分、クリアボールを拾ったMF小川貴之(3年)が「右に自分たちのユニフォームの色が2、3人見えたので、嶋中ならあの場面で決めてくれるなと思った」と縦パスを選択。手前の選手がスルーしたことによって足下でボールを受けた嶋中は豪快な右足シュートをゴール右隅へ突き刺した。

「スペース空いているなと思ったので、そこにいたらパスを出してくれた。落ち着いてやろうと心がけていました。思い切って打つのが得意なので、思い切り打とうかなと」と嶋中。大会直前に守備の甘さがあったことなどが影響して先発を外れ、アピールも必要だったMFは先制ゴールを「嬉しいですね」と素直に喜び、小嶺監督も「良いシュートを決めましたからね」と頷いていた。

 トップ下の位置でかなりハードワークしつつ、浮き球のコントロールなど巧さも見せていた。その嶋中は後半23分に左クロスから強引に中央へ仕掛けたプレーで小川の2点目のゴールを演出。試合終盤にはCBに入って中京大中京高の反撃を跳ね返した。

 この日、攻守両面で存在感を示した嶋中には負けたくない選手がいるという。それはインターハイ優勝校、流通経済大柏高のCB関川郁万(2年)だ。自分で決めて守って勝つことを身上とする注目DFに対し、嶋中は「一個下で自分も(主に)CBで、ヘディングも強いと聞いているので負けたくない。もう一回やりたいですね」。ともにCBのため、インターハイ準々決勝(1-2で敗戦)の際はマッチアップする機会が無かったというが、今大会で対戦が実現した際には競り勝つ意気込みだ。

 目標の日本一を勝ち取るため、また全国大会で自分自身を色々な人達にアピールするためにもこれからが大事。「出れればどこでもいいです。どこでも全力でやるという感じです」と意気込む嶋中が先発を奪い返して、チームのために、また試合を決めるような活躍をする。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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