beacon

総体8強の地力を見せた湘南工科大附!! 川崎市立橘に先制許すも動じず、逆転勝利で決勝の舞台へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

湘南工科大附高が逆転勝利で決勝進出

[11.5 選手権神奈川県予選準決勝 湘南工科大附高 3-1 川崎市立橘高 等々力]

 5日、第101回全国高校サッカー選手権神奈川県予選準決勝が行われ、湘南工科大附高が夏の全国高校総体8強の地力を見せて川崎市立橘高に3-1で勝利。旧校名の相模工科大附高時代の第59回大会(1980年度)以来となる選手権出場へ、あと1勝と迫った。

「『立ち上がり10分は0-0でいこう』という話をしていたら、11分にやられた」

 湘南工科大附を率いる室井雅志監督が頭を抱えたのは11分のこと。橘MF山本泰生(2年)の鋭い突破を倒してしまって、PK。これを橘のエースFW高村桜輝(3年)が冷静に決めて、試合は動き出した。

 プレッシャーの懸かる準決勝で最悪のスタートと言える流れだったが、「ベンチは動揺していたのですが、選手たちにそんな様子はなかった」と室井監督が笑顔を浮かべたように、すかさず声を掛け合ってチームとしての戦いを再確認。PKを与えてしまったDF三浦翔遼人(3年)も気落ちした様子を見せることなく声を出し、「しっかり相手を観ながらサッカーをすることができた」(三浦)と立て直しに成功する。

 23分には逆に奪ったPKをMF中山陽輝(2年)が流し込んで同点に追い付くと、ここからは本来の湘南工科大附ペースに。対する橘は、DF嶌本巧(3年)が「1点取られてからはプレスのところが曖昧になってしまった」と振り返ったように、相手のビルドアップを捕まえ切れずに押し込まれることが多くなった。ただ、「橘さんのセットプレーは本当に強い」と室井監督も舌を巻いたCKなどから湘南工科大附を脅かすシーンも作り出し、緊張感のある試合展開となった。

 迎えた後半16分、試合を動かしたのは湘南工科大附だった。「あれは理想的な形」と指揮官も胸を張るパスワークと機動性が噛み合う崩しで、FW大木啓汰(3年)のスルーパスから抜け出したのはMF三觜真生(3年)。「相手のDFの足に当たらないように」とコンパクトな足の振りから放たれた鋭いシュートが見事にゴールネットを揺らし、湘南工科大附が逆転に成功する。

 さらに33分には大木が右サイドで粘って折り返したボールを、FW橋山翔太(3年)が見事なファーストタッチから相手DFを外し、左足シュートを突き刺して勝負を決定付ける3点目。橘もここで折れることなく反撃を継続したが、ゴールには至らず。3-1のまま試合終了となり、湘南工科大附が熱戦を制して決勝進出を決めた。

(取材・文 川端暁彦)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022

TOP