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美濃加茂、初の決勝へ。技巧に加えて「耐える力」も発揮して長良を撃破:岐阜

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美濃加茂高が初の決勝進出

[11.3 選手権岐阜県予選準決勝 長良高 0-1 美濃加茂高 長良川球技メドウ]

 3日、第102回全国高校サッカー選手権大会岐阜県大会の準決勝が開催された。長良川球技メドウで行われた準決勝第2試合では、初の決勝進出を狙った美濃加茂高が長良高に1-0で勝利。帝京大可児高との決勝戦へ駒を進めた。

 試合は序盤からMF神山颯杜(3年)、MF山下楽斗(3年)を中心にボールを動かす美濃加茂がボール支配率で上回る流れとなるが、長良も主将のDF戸倉舜介(3年)を軸に統率された守備で対抗。注目の1年生FW田中梨聖らが速い攻撃からチャンスをうかがっていった。

「(長良は)パワフルで速いサッカーをしてくるチーム。夏のインターハイ予選でも対戦していたので、そこはわかっていた。ただ、相手に合わせるのではなく、キチッと繋いでいくことを意識させて試合に入った」(美濃加茂・浜口敏之監督)

 一進一退の流れとなる中、27分に「ある意味、ラッキーだった」(浜口監督)という形で美濃加茂に先制点が生まれる。MF横井吏玖(3年)が入れたボールをMF一瀬堅(3年)が狙ったこぼれ球を、山下がシュート。綺麗な形ではなかったが、「いつも点を狙っている」という山下の積極性が実を結び、美濃加茂に貴重な先制点がもたらされた。

 その後もお互いに相手の守備を崩せず、良い形でのフィニッシュまで持ち込めない流れに。試合を通じてのシュート数は長良が7本、美濃加茂が5本と非常に少なかったことはそれを象徴する数字と言えるだろう。後半に入って長良がセットプレーでの強さを活かして相手ゴールに迫るシーンも作ったが、ここは「気合いで乗り切ってくれた」(浜口監督)と美濃加茂守備陣が固守。1-0のまま試合終了のホイッスルまで耐え切り、初の決勝進出を手繰り寄せた。

 試合後、浜口監督は「この大会は得点が奪えずに僅差の試合が続いているが、接戦を重ねたことで耐える力が付いている。その成果が出た」と勝ち切ったことを評価。同じ中濃地区のチームであり、「やっぱり負けたくない気持ちがある」帝京大可児との決勝で歴史を作ることを誓った。

(取材・文 川端暁彦)
●第102回全国高校サッカー選手権特集
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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