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J内定6人の筑波大、東北王者破って8強入り!! 駒澤大とのリベンジマッチへ

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3点目を決めたMF渡邊陽(2年=浦和ユース)を祝福する筑波大の選手たち

[12.15 インカレ2回戦 筑波大4-1仙台大 柏の葉]

 第67回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は15日、2回戦の8試合を各地で行った。柏の葉公園総合競技場での第1試合は筑波大(関東2)と仙台大(東北)が対戦。前半に3点を奪った筑波大が4-1で振り切り、駒澤大(関東4)との準々決勝に進んだ。

 立ち上がりは互いに固さが見られたが、筑波大が先にスコアを動かした。前半13分、自陣での素早いボール回しから左サイドバックのDF加藤潤(3年=新潟明訓高)が縦に付け、MF三笘薫(3年=川崎U-18/2020年度に川崎F内定)がサイドを駆け上がる。深くえぐってクロスを送ると、ボールはDF石井幹人(4年=JFAアカデミー福島)に当たってネットを揺らし、オウンゴールで先制点が入った。

 前半22分には、またも三笘が左サイドをドリブルで切り裂き、折り返しにFW小笠原佳祐(4年=東福岡高/熊本内定)が反応。一度はGK金子優希(4年=鹿島学園高)に阻まれたが、跳ね返りを押し込んだ。さらに同25分、セットプレー崩れからMF池谷祐輔(1年=川崎F U-18)がクロスを送ると、セカンドを拾ったMF渡邊陽(2年=浦和ユース)が豪快なボレーシュートを突き刺し、早くも3点リードとした。

 対する仙台大は風下という地勢条件もあり、MF松尾佑介(3年=浦和ユース)が単独でのカウンターをしかけるくらいで精一杯。敗色濃厚となった前半30分、早くも最初の交代カードを使ってフォーメーションを3-3-2-2から4-4-2に変更したが、吉井秀邦監督も「もっと早く修正して、1点で止められていれば……」と悔やみきれない大差がついてしまった。

 もっとも、後半は風上に立った仙台大が必死で盛り返す。FW本吉佑多(3年=仙台ユース)へのシンプルなロングボールも使いつつ、1.5列目からFW齋藤雄大(4年=桐生第一高)が果敢な飛び出しを披露。15分には、セットプレーのクイックリスタートからMF嵯峨理久(2年=青森山田高)が突破し、本吉がつないで松尾が狙ったが、強烈なシュートはGK阿部航斗(3年=新潟U-18)が防ぎ切った。

 それでも後半23分、仙台大は右サイドを駆け上がった齋藤のクロスに嵯峨が反応し、スライディングシュートはミートしなかったが、力なく転がったボールがゴールマウスに吸い込まれて1点を返す。その後は仙台大が一方的な猛攻をしかける時間帯。途中出場のFW人見大地(2年=前橋育英高)もゴールに迫り、立て続けにビッグチャンスをつくった。

 しかし、この状況を一変させたのは筑波大のエースだった。MF長澤皓祐(4年=FC東京U-18)からのパスを途中出場MF高嶺朋樹(3年=札幌U-18)が前に送ると、PA左に走り込んだのは三笘。冷静な左足シュートでゴールに流し込み、リードを再び3点とした。その後はDF山川哲史(3年=神戸U-18)、DF鈴木大誠(4年=星稜高/徳島内定)を中心とした守備陣が仙台大の攻撃を跳ね返し続け、タイムアップを迎えた。

 思わぬ苦戦を強いられる時間帯もあったが、1回戦シードの筑波大が堂々の戦いぶりで初戦を突破。小井土正亮監督は「攻撃でベースをつくるチームなので、もっと相手の嫌なところを突けるような判断をしてほしい」と注文もつけたが、最終ラインとMF鈴木徳真(4年=前橋育英高/徳島内定)が自在に絡む素早いビルドアップは熟練の域だ。

 プロ内定者6人という豊富なタレントを揃え、「各ポジションで3人が争うような状況」と指揮官が頭を悩ませる選手層も自慢。この日はMF会津雄生(4年=柏U-18/岐阜内定)、MF西澤健太(4年=清水ユース/清水内定)がベンチに控え、連戦への余力も見せる。準々決勝は後期リーグ最終節で敗れた駒澤大が相手。「ここでリベンジしたい」(小井土監督)と並ならぬモチベーションで臨む。

(取材・文 竹内達也)
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