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9/24フットサル代表練習後の選手コメント

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 フットサル日本代表は、24日に愛知県合宿の初日を行った。前日に多くの選手がFリーグの試合を行っていたため、この日はリカバリー中心のメニューをこなし、戦術練習は明日以降に持ち越しとなった。練習では、前日のFリーグの試合も欠場したFP稲葉洸太郎は部分合流となったが、初招集のFP三浦知良、FP森岡薫を加えたチームは、約1時間、明るい雰囲気で調整を行った。

以下、練習後の選手コメント

●FP三浦知良(横浜FC)
―軽快な動きが見られたが?
「全体練習がリカバリーということだったので。昨日、選手たちもFリーグを戦ったということで、軽めということなら、自分もケガあがりなので、できるかなと。完全合流は横浜FCでもしていなかった。ボール回しくらいかなと思っていたら、意外とゲームっぽいことを最初からやったので。そこまで自分のコンディションが上がってないので、遠慮しながらやりましたが、最後のゲームではちょっとずつ蹴る感触を確かめながら、ケガを気にしながら自分のペースでやらせてもらいました」
―久しぶりの代表での練習は?
「みんな初めて会った選手が多いんですけど、自分に対して普通に接してくれたと思いますし、受け入れてくれたので、良かったです。何の問題もなかったと思います」
―日本代表の練習着を着て?
「ここにエンブレムが付いていますので。ホテル着を含め、こういう練習着を着ても、ピリッと引き締まるものがありますし、誇りに感じます」
―監督とは話した?
「練習前に個別に話しましたが、今回のキャンプでは、まずコミュニケーションをとって、このグループに溶け込むことが大事、と。練習もそうですが、ホテルでの過ごし方だったり、今いる選手たちと仲良くなっていくことに比重を置きたい。あとはケガもあるので、自分で状態を確かめながらやっていきたい」
―雰囲気は良かった?
「そうですね。みんなやっぱりFリーグでやっている仲間なので。日本代表としても、アジア選手権を優勝したということで、自信にもなっていると思いますし、コミュニケーションもとれている。チーム力をこのキャンプで一つになって、付けていくことが大事だと思います」
―意識的に、いろいろな選手に声をかけた?
「そんなことはない。近くにいた人。まだ、名前も顔も分からない。ミゲルさんだけなので。あと木暮くんはバスで一緒でした。それから以前、年末にフットサルをやった何人かは覚えていますが、名前を覚えきれていないので。顔は覚えているんですけど。でも、8年いる横浜FCでも名前知らない人がいるので(笑)。苗字は知っているけど、名前はっていう(笑)」
―キングシートに座っていたが?
「今日は、早めに行って座っていた。『ドケッ』て言うのも悪かったから。ギリギリに行って乗って『そこオレの席』とも言えないでしょ(笑)。20分前に一番乗りで座っていた。2回目からはもう分かってくれるかな。一応、僕も気を使っているんです(笑)。」
―練習着の色がA代表と違うが?
「エンブレムがあれば大丈夫です」
―手応えは?
「みんな喜んでくれていると思います。木暮くんも代表で長くて、最初の頃の代表の話を聞いたりしました。今の状況があるのは、10年以上も前の人たちが、いろんな思いでやってきた。そういう思いが詰まっている。サポーターも集まってくれれば、みんなのやる気、いつも以上のモチベーションになっていくと思う」
―ゴールを決めたら、カズダンスする予定は?
「試合に出て、点を取らないとできないので。試合に出ることを目標にしたい。みんなとトレーニングして、自分自身のプレーに自信をもってピッチに立てるように。だから、ダンスはあまり考えていません」
―98年のW杯に落選したとき『魂は置いてきた』と言っていたが、今回合流して?
「そうですね。競技が違うんで。W杯もサッカーのW杯とフットサルは違うので。落選したことだったり、ドーハもそうなんですけど、それとは気持ちの中で別のもの。フットサルのW杯は、フットサルで大きなもの。日本代表としての誇りを持ってきました。それを引き続きやっていきたいですが、以前、サッカーで行けなかったことは、このW杯とは関係ない。これはこれで大きなものと受け止めて、全力を尽くせるように本当に力になれるようにやっていきたい」
―今日の練習ではシュート15本、ゴール3本ありましたが?
「監督が言っていましたが、以前のFリーグでシュートが多かったことを買われると思うので。サッカーよりシュートを打てるシチュエーションが、短い時間で多く巡ってくる。チャンスがあれば、どんどんやっていきたいし、そういう位置にいたい」
―多くのファンが来た。サポーターに向けて?
「今まで応援してくれてきたファンの方々も、僕と同じ想いで戦ってくれていると思います。今日はまさか横断幕をつくって来てくれると思わなかった。サプライズだった。責任感を感じている。楽しんでやりたいし、こうして集まっているファンのためにも良いプレーをしたいと思います」
―ホテルは大丈夫?
「大丈夫。J2は、横浜FCは、同じようなところだから(笑)」

●FP森岡薫(名古屋オーシャンズ)
―初めての代表合宿、初日を終えて?
「雰囲気が良かったですし、結構、練習前からいろいろなサポートをしてくれたので、入りやすかったですし、あっという間に終わりました」
―コミュニケーションは積極的にとった?
「そうですね。代表合宿が終わったら、何を着て帰ればいいのかも分からないので、そういう話を聞いたり(笑)。そういう意味ではいろいろコミュニケーションをとりました」
―日本代表の練習着を着た感想は?
「うれしいです。練習着ですけど、重みがある。着た瞬間に引き締まりましたね。一回一回の練習をしっかりやろうとあらためて思いました」
―報道陣の数を見て驚いた?
「そうですね。ただ、日本フットサル界のためにも結果を出して、もっと盛り上げるように、僕らはやるだけです」
―練習後にはカズ選手と話していたが?
「緊張していて頭の中が真っ白になってしまいました(笑)。『どれくらい日本にいるのか』とか、『日本の方が長いね』っていう話をしました。ずっと憧れていた存在だったので、まだ緊張が解けないですね」
―彼の存在は大きい?
「大きいですね。僕だけではなく、周りの選手にとっても大きいと思います。日本代表には初招集ですが、僕はFリーグでプレーしているので知っている選手も多いのですが、普段とは違うなっていう感じがします。カズさんがいることで、チームが引き締まっている感じはしますね。僕も合宿は初めてですけど、良い緊張感の中でやれています」
―帰化申請がとおって、日本人になったなと実感したのは?
「パスポートをつくりに行ったときですね。免許証を出したら、それまで名前がローマ字だったのが、“森岡薫”だけになっていた。『パスポートの色は何色にしますか?』と言われて『赤』って答えたときも『ああ、日本人になれたんだなぁ』って実感しました。その後に『海外から帰ってくるときは日本人の列だね』って言われたときも『そうだなぁ』って。いろいろなことがあるたびに、日本人になれたんだって思います。今日、合宿に着いたときもそうですし、昨日も何を着て行こうか考えていたくらい…。この合宿は僕にとっては何もかもが新鮮ですし、この後、ホテルに帰ってみんなで夜ご飯を食べるのも楽しみですし、一つひとつが楽しい。3日間、あっという間に過ぎてしまう気がしますね。もっと長くやればいいのにね(笑)」
―クラブでもアジアを経験しているが、違うもの?
「クラブでは日本のリーグを代表してやっていますが、やっぱり『名古屋』のクラブなので。でも、日本代表は国全体を背負って戦うものですから、違うと思います」
―W杯のグループは強いチームばかりが相手だが?
「そうですね。どこも強いですが、自信がなければいい試合は絶対にできない。一人ひとりが自信を持って臨むと思うので。ブラジルが相手でも、ポルトガルが相手でも、相手を下から見るのではなく、同じ目線で見るつもりで戦いたいです。代表に選ばれたら、ね(笑)。『アイツが選ばれて良かった』と思われるようにプレーしたいし、僕にとっては最初で最後のW杯かもしれないので、楽しみに行くのではなく、真剣に結果を残したい。今までグループステージを突破できていませんが、僕にとっても、チームにとっても大きな目標なので、そこに向けて、良い雰囲気で臨みたいです」
―残り2日あるが、この合宿での目標は?
「みんなとしっかりコミュニケーションをとること。セットプレーも全部覚えたいですし、あとはケガをしないこと。次の練習にも呼ばれるように、しっかり練習に取り組みたいです」
―ゴール後には、何かパフォーマンスをする?
「そうですね。みんなでカズダンスをするのもいいかもしれませんね(笑)」
―その練習は?
「中学校のときからカズさんに憧れてやっていたので、僕は大丈夫です(笑)」

●FP村上哲哉(シュライカー大阪)
―今日はリカバリーだったが?
「そうですね。ミゲルも明日、明後日に紅白戦を入れると言っているので、負荷はかかってくると思います。そんなに時間もないので、しっかり基盤をつくっていかないといけないと思います」
―メディアの数がすごいことになっていますが?
「でも、そんなに意識せずにやっていますよ」
―三浦選手に、最初は遠慮があったようだが?
「まぁ、初めはあったんですけどね(笑)。カズさんもすごく腰が低い人なので、溶け込みやすいと思います。やっぱり、すごく雰囲気を持っていますし、経験がすごくある人なので、しっかりコミュニケーションをしていくことが大事かなと思いますし、いろいろ吸収していきたいと思います」
―結構、話をしていたが?
「僕の性格上(笑)。普通に挨拶と、ちょっとミニゲームのルールの確認とかをしていたくらいです。本当に話しやすい方なので」
―今の日本代表は、後ろの選手が少ないが?
「ポルトガルとブラジルに関しては、DFの時間が長くなると思う。どうしても押し込まれるシーンが多くなるとでしょう。ミゲルもずっとDFを基盤にしてきたので、まずそこを統一し、少ないチャンスをモノにすること。それができれば、ブラジルやポルトガルを相手にも絶対にチャンスはある。僕の役割はDFの所だと思うので、そこを確認しつつ、この合宿で自分の良さを出していければなと思います」
―決定機をモノにする上で、新加入の森岡選手と三浦選手はプラス?
「もちろん、プラスになると思いますし、プラスにしないといけない。良い雰囲気をつくっていかないといけないですね」
―そのためにも今日は宿舎で、何かやりますか?
「こんなチャンスも滅多にないのでね。少ない時間で、少しでも多くコミュニケーションをとれれば。多分、カズさんはまだ誰の名前も憶えていないと思うので。今回の合宿では名前を憶えてもらえるように頑張ります(笑)」

●FP木暮賢一郎(名古屋オーシャンズ)
―バスから降りたときの感想は?
「フットサル日本代表が始まったばかりの頃から、ずっとプレーしている自分としては、単純にこういう代表の練習で多くのメディアやファンが来てくれたことは嬉しいですね。昔の話ではありませんが、10年前の日本代表の取材は、誰ひとり取材に来ていなかったり、サポーターもいないという時代を自分は経験しているので。それほど単純にフットサル日本代表っていうものに対して、多くの関心を寄せてもらって、実際に来てもらえるのは嬉しいですし、初めて日本代表の試合を日本でやったときのような嬉しさがあります」
―バスの中では、三浦選手と何を話した?
「年末にも、一緒にボールを蹴る機会はありましたし、多少なりとも面識はあったので。本当にW杯まで時間もないですから、時間を無駄にせず、すんなりとグループに入れるような環境をつくっていくことも必要だと思います。単純に話すことで僕が学ぶこともあると思うので。積極的に一つの輪になれるようにしたい。カズさんには、いろいろフットサルの過去の話を質問されたりしました。フットサルの置かれている状況とか、そういうことを知ってもらうのは大事かなと思いました」
―昔の話もした?
「そうですね。01年のアジア選手権の頃は、木村和司さんが監督をやっていたとか、その時代も元Jリーガーの選手がフットサル界に入ってきたりもしたし、海外のブラジルやスペインのフットサルの話もしました」
―いろいろな意見があるが、チームとしては前向きに捉える?
「自分たちはミゲル監督になって4年間、W杯を目指して取り組んできました。各選手がそれに対しては自信があると思いますし、そこはブレずに続けて行く。その中で、カズさんや新しく加わった選手が、僕らがさらに上に行くための肉付けというか、良い刺激を与えてもらって、相乗効果で良いチームになっていくことが大事だと思う。ここにいる選手が、注目されることで何かフワフワしたり、やってきたことに迷いが生じることが良くない。そこは自信とプライドを持ってやると思う。特に僕は『フットサルって、なに?』って言われた時代からプレーしてきたので。フットサルというスポーツが、もっと日本の中でメジャーになり、多くの人に知ってもらうことを願っている。そういう意味では、良いチャンスだと思うし、そういうチャンスを今までもつかんでこれたからこそ、フットサルの発展とともにプレーできてきたと思う。そういう意味ではポジティブな要素しかないし、より多くの人にフットサルの面白さ、魅力が伝わるようにプレーすることが大事かなと思います」
―W杯に向けて確認したいことは?
「時間がないんでね。一番はコミュニケーションというか、フットサル日本代表としての伝統であったり、持っているグループ感は、変える必要がないと思う。大事なのは自分たちがブレないこと。カズさんが来たから、薫が来たから変わるっていうことではないと僕は思うので。これまでやってきた選手たちが自信を持ってやれるかどうか。何かが変わってしまうようでは、自分たちはそこまでなのかなと思います」

(取材・文 河合拓)

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