[フットサルW杯2012]11/4 ポルトガル代表戦後 フットサル日本代表選手コメント
[11.4 フットサルW杯2012 ポルトガル5-5日本 コラート]
フットサルW杯は4日、大会4日目を行い、フットサル日本代表はポルトガル代表と5-5で引き分けた。前半、完全に劣勢の試合を強いられた日本だが、後半に入り猛反撃を見せる。パワープレーからポルトガルの守備を崩すと、一気に3点の差を追い付いた。終盤にはFP森岡薫(名古屋オーシャンズ)がハットトリックを決めるチャンスも得たが、そのまま試合は終了。試合後、選手たちは「リビア戦に勝たなければ意味がない」と、初のグループステージ突破に向けて最終戦へ気持ちを切り替えた。
以下、フットサル代表選手コメント
●FP三浦知良(横浜FC)
―試合を振り返って?
「後半は素晴らしいパフォーマンスでした。2-5という前半のスコアから、ああいう形になることは滅多にないということなので。そこは日本の持ち味が出たと思いますし、後半に限っては次のリビア戦に向けても自信を持ったプレー、チームとして自信を持てる内容、結果だったと思います。その辺は良かったと思います」
―この後の試合にも大きな影響?
「そうですね。ブララジル戦に負けて、前半も開始2分で0-2にされて、非常に厳しい出足だったと思います。しかし、自分が交代で入ったときも、相手の圧力というか、日本がどうしても前に出ていけない、なかなか自分たちらしさが出せない、厳しい状況が続いていたので、後半、ああいう流れでみんなで勝ち取った1ポイント。それもポルトガルを相手にね。前半のポルトガルは、個人的にはブラジルよりも強いなというイメージでした。前半はそれをすごく感じたし、他の選手に聞いても、前半のポルトガルはスピードにしても、何にしても、ものすごく速くてどうにもならなかったと言っていました。そういう意味では、そういう強豪に追い付いて、こうやって勝ち点1を取れたのは本当に大きいと思います。ただ、次の試合でだらしない試合をしたら、この1ポイントが小さなもの、意味のないものになる。この大きな1ポイントを、もっと大きくできるように、次のリビア戦は必ずまたみんなの力で、今日のようなメンタルで、3ポイントをとって、何とか決勝トーナメントに行きたいと思います」
―グループステージを突破すれば、歴史的快挙になるが?
「油断できないと思います。今、ブラジルとリビアがやっていますが、その結果はわかりません(※注 その後、ブラジルが13-0で勝利)。うちはリビアに勝たないと上に行けないと思うので、また厳しい試合になると思いますが、全員で力を合わせて、これからもこういう試合ができるように力を合わせてやりたいと思います」
―パワープレーについて指示はあった?
「指示は何もないです。今日の試合に関しては、本当に前半すごくうちにとっては難しかったし、入りが最初の2分で2点を取られた。1分で1点を取られた。あれをしてはいけないと言われていたのに、劣勢の中だったので非常に厳しかったですね。向こうもハイペースで来ていたらしいので、後半は相手も落ちたと思いますが、前半に関しては本当に強さ、うまさを感じました」
―後半変わったのは?
「いつも監督さんが『マジックはない』と言っていますが、いろいろなものがかみ合って、当然日本のパフォーマンスが上がったし、向こうも油断したのかもしれません。パワープレーがこれほどハマることも珍しいと言っていたので、僕は何とも言えないですね」
―前半と後半で雰囲気は変わった?
「3-5になって、後半に1点を返してから自信が出た顔つきになりました。前半は自信を失いますよね、あの展開だと。やっている方もそうですけど。僕がピッチに入ったときも、リカルジーニョもバカにしたようなプレーしていました。僕も『ベン、ベン』って『来てみろ、来てみろ』って、ずっと言っていたら本当に来ましたね。もうボールを見ているしかなかったよね(苦笑)。早いし。そこは楽しかったですよ。体験できませんからね」
―後半起用できなかったことをカズ選手が『気にしないで』と言ってくれたと、ミゲル監督は言っていたが?
「終わったあとね。後半のこと(カズを起用しなかったこと)を言おうとしていたから。そんなの当たり前のこと、と。そんなのは、ずっと言っていますけど、フットサルについては経験していないから。パワープレーとか。一つでもかみ合わないものが出たら、すぐ1点を入れられてしまう。こっちはHTを2-5で迎えた。勝つためのパワープレーもあるけど、点を取られないためのPPでやろう。そういう指示でした。これ以上、点差を開かせないために、最終戦のリビア戦で勝つために、最少失点で行くために。2-5をひっくり返すのは難しいと思っていたでしょうね。点差を開かせないためにやるものが、うまく行った。その後は、やっぱりうちのペースになって、かみ合って、3点をとれた。なかなかああいうことない。僕はW杯3試合目で見ることができましたが、監督はフットサル人生でも『ここまでうまく行ったの初めて』と言っていた。僕としては(パワープレーで点が入ることは)当たり前っていうイメージになっちゃうけどね(笑)。だから、監督とは終わった後に、自分の役割はわかっていますから。何で呼ばれたかも含めて。みんなを盛り上げていかないといけない。そういう存在でないといけないことも、わかっていますから。1分でも、2分でも、試合に出ても、試合に出なくても、後半出なくても、役割はわかっているつもりです。それが自分の仕事ですから。今回、なんとかそういうことで次の試合に勝って、上のトーナメントに行くのが、一番のフットサル界の夢だと思います。フットサル界の夢は、僕が得点を挙げることでも、自分の出場時間が増えることでもない。僕が来たことでフットサル界のチーム力が上がり、予選を突破することが夢ですから。その一部にならないといけない」
―今後も、チャンスがあれば積極的に仕掛けていきたい?
「(前半の好機の場面)もう、足でやって、中に行って、とフェイントを入れましたが、引っかからなかったですね、全く(苦笑)。引っかかると思ったら全く引っかからなかった。残念でした」
―次は仕掛けるチャンスが来るかも?
「どうなるか、わかりませんからね。厳しい戦いになることは確かだと思いますが、そんな楽な試合はないと思います。どれくらい自分にチャンスがくるかわかりませんが、変わらずに今までと同じようにやるだけです」
●FP森岡薫(名古屋オーシャンズ)
―初ゴールの感触はどうですか?
「やっとケチャップが出ました(笑)!! もう『嬉しい』の一言です。でも、初ゴールよりも今日の結果、日本が引き分けたことに満足しています。チームで引き分けられたことが大きいですし、今までポルトガルと、こういう戦いができたことはなかったので。前半は確かに2-5で負けていましたが、後半は3-0。これは大きな進歩だったと思います」
―パワープレーの練習をあまりやっていなかったと思うのですが?
「5回くらいですかね。ミゲル監督とこっちに来てからもやりましたし、ブラジル戦、ウクライナ戦の前にもやりました。でも、本当に確認くらいでした」
―北原選手からダイレクトでほしい場面もありましたね。
「そう! (北原)亘から、ダイレクトでほしかったの。でも、そんなに多くの回数を合わせることはできなかったし、それでもチャンスはできたから。でも、やっぱり緊張はするよね(笑」」
―最後の1本は惜しかったが?
「もう向こうは我慢できないと思っていたから、ミゲルの作戦だったと思う。回して回してきたところを、ただセーブするだけではなく、攻めるときは攻めるという感じだった。ちょっと課題かなというところです。小曽戸から出たボール、もう少しフィニッシュが良くて、決めていればよかった。でも、リビア戦にとって置きます」
―まだ気持ちは切れていない?
「もちろん。ここで何かに勝ったわけでも、何かを得たわけでもない。リビア戦に勝たないと、今日の試合が無駄になる。それはリビア戦に絶対に勝って、今までなかった結果をみんなで味わいたい」
●FP村上哲哉(シュライカー大阪)
「立ち上がり2分で2失点は、非常に厳しい試合展開になりました」
―後半に向けての具体的な指示は?
「監督の方から、もう一回0-0の状態からフレッシュに入っていくことと、ボールに厳しく行くことができれば、絶対にチャンスは生まれると。立ち上がりは結構プレスに行けて、良いリズムで入れたことが大きかったかなと思います」
―最後の時間の使い方は?
「最後はリーグ戦の得失点差を考えての判断だったと思います。パワープレーもポルトガルは対応できていなかったので、点を取れる匂いはあったのですが。でも、2-5から引き分けに持ち込めたことは、すごく評価できることかなと思います」
―次はリビア戦になるが?
「こういう風に良い試合をして、リビアに引き分けたり、負けたりしたら意味がないので。しっかりこの3年半で積み上げてきたものをしっかりリビア戦で出して、日本のフットサルができれば、必ずいい結果がついて来ると思っているので、頑張りたいと思います」
―応援団が多かったが?
「家族も来てくれているので。本当にこの雰囲気でできるのは幸せなことだと感じています」
●FP小曽戸允哉(バサジィ大分)
―この試合の感想は?
「本当に厳しい試合でしたが、みんなの頑張りもそうですけど、たくさんの応援があったから追い付けたと思います。みなさんに感謝するとともに、最後の試合を頑張りたいと思います」
―最後、パワープレーから速攻を浴びた場面は?
「もう『ヤバいな』と思いましたよ。でも、前に出た方が良いかなと思ったら、上手く止めることができて、運が良かったと思います」
―GKでも止められるから、パワープレーのGKをやっている?
「いえ、まったくGKをやったことはないんで。多分、選手交代する速さとか、そういうところで意味を持ってもらっていると思います。セーブすることに関しては練習もしていませんし、今までもやっていないので、そこは関係ないと思います」
―最後はたまたま?
「はい。運よく止められただけですね」
―でも、大きなセーブでしたね。
「あそこで1点取られたら負けていたので、チームのためには本当に大きかったと思います」
―パワープレーの役割は?
「ポゼッションを保ちながら、(星)翔太の動きをよく見て、そこで翔太がマークを外したときに、上手くパスを入れること。ポルトガルが前からプレスをかけてきて、そこから点を取れたので、狙い通りといえば狙い通り」
―HTに話していたことは?
「後半、しっかり立て直して、まずは1点ずつ返そうと。ゲームを落ち着かせて、パワープレーのチャンスがあったらパワープレーに行こうと。プラン通りできたかなと思います」
―後半は、押せおせでしたが?
「パワープレーで良い形になる前から、しっかりDFもできてチャンスもつくれていたので。後半は自分たちのフットサルがある程度できたかなと思います」
―パワープレーがあったから、点差が開いても自信を持てた?
「そうですね。監督は自分たちの武器の一つにパワープレーを挙げていましたし、自分たちも、ある程度練習をしてきています。今までなかなか試合で使ったことというか、ここまで長い時間やることはなかったのですが、長い時間やって、結果も出せたので、自分たちにも良かったと思います」
―GKになるのは小曽戸選手だけ?
「今のところ自分が着ていますが、他の選手のもあると思うので、そこは監督の指示で着ています」
―2位通過も見えてきた?
「本当にこの試合に引き分けたのは、最後にリビアに勝つためだと思うので。そこに勝って、しっかり2位通過、もしくは3位で予選を突破したいと思います」
―次ですね?
「そうですね。頑張ります」
●FP木暮賢一郎(名古屋オーシャンズ)
「立ち上がり、ブラジル戦同様に良い入りが出来なかったことは反省点ですが、難しい状況をチーム一丸となって、5-5まで持っていけた。それは、非常にチームの結束力も上がっていますし、感動的な幕切れだったと思う。それをうまくリビア戦につなげていくことが、本当に大事だと思う。浮かれることなく、次に向けて、良い2日間を過ごして、本当の決戦であるリビア戦につなげていきたいと思います」
―キックインのファウルがあったが?
「なんなんですかね? まぁ、チームが勝ち点1を取れたので」
―入りが固かったのは?
「まぁ、あとから掘り返せば、ああすれば良かったとありますが、相手あってのことだと思うし、それは真摯に受け止めて、そういう立ち上がりにならないようにしないといけないと思います」
―日本も悪くなかったと思うが、それ以上に相手が良かった?
「ポルトガルが良かったこともありますし、そこは何とも言えないですね。出ている選手が怠けているわけではないと思うし、最善の集中力を持って臨んでいる中で起きてしまっていることなので。仕方がないじゃすまないですけど、なんなんですかね。そういうものだと思うし。でも、リビア戦はそんな中で戦わないといけませんが、劣勢であっても、追い付ける精神力、そういうものは示せたと思います」
―ブラジルとの点差も含め、プラン通りでは?
「そうですね。もともとブラジル、ポルトガル、リビアと組み合わせが決まった時点で、僕が個人的にミゲル監督と話した時は『ポルトガルからは勝ち点1は取る』と言っていましたし、そういう意味では予想通りですね。僕はその時、ケガもしていましたけど、たしか大分のセントラルで話していたときに『ポルトガルから勝ち点1を取る』と言われて、それを信じていました。でも、本当に大事なのはリビア戦だと思います。素晴らしい、素晴らしくないは人が決めること。今日の試合について、修正点もあるでしょう。でも、5-5に追い付いた、ある種すばらしいゲームを無駄にしてしまわないように、リビアには勝たないといけない。しっかり勝って、それで2位になるか、3位になるか、それはわかりませんが、勝ち点3を取って、勝ち点を4にして、日本の歴史を塗り替える決勝トーナメント進出を果たしたい。そういう良い流れは来ていると思うので、あとはうまくメンタルコントロールとか、コンディション、モチベーションを保ちたいです」
―今日もサポーターが多かったが?
「カズさんの存在っていうのは、当然あると思う。代々木だったり、旭川だったり、フットサル界に対する見方が変わっていく中で、結果を出せば、さらにね。普通に結果を出すのではなくて、カズさんがいて結果を出すことがフットサル界の大きな前進だと思う。それを後押ししてくれるファンであったり、メディアの方には感謝していますし、それを表現するには、次もリビアに勝って、歴史を変えること。その瞬間に、また新しい気持ちが開けると思うので。今日の引き分けに満足せず、リビアに勝って、予選を突破したいと思います」
●FP北原亘(名古屋オーシャンズ)
―難しい試合になったが?
「開始2分で2失点を喫した時点で、この試合は難しくなるなとピッチの中でも感じました。前半と後半で全く別の顔のチームになりました。前半はDFも機能しませんでしたし、攻撃もあまり良い面がありませんでした。そのかわり、後半は相手が落としてきたことも関係していると思いますが、日本らしいフットサル、これぞ日本というプレーが出来たと思います」
―ブラジル戦の時はプレスが機能しなかったが、意識していた?
「ボールを保持している選手にプレスをかけないと、どんどん良いボールが入ってきますし、実際に前半2分でプレスが甘かったり、マークに対して上手く受け渡しができなかったり、付いていけなかったりしたところで失点したので。自分も後ろの選手なので、相手のピヴォに付くことが多いのですが、前に行ったときはプレスに行こうと思いました」
―リカルジーニョを追い込んだ場面もあったが?
「日本で見ている方も多いので。フットサルが注目されている中で、戦わない姿は見せたくなかった。点差が離れている中で、そういった少しのプレーから流れを変えていければ、このゲームはどこかでもう一度立て直せるのではないかと。最後まであきらめなかったことが、大きかったと思います」
―3点目は落ち着いて決めたが?
「パワープレーに入って、監督からは落ち着いて、相手がどう守るかを見て、それによってやっていけという指示がありました。その中でうまい具合に空いて、自分の前にボールが転がったのでニア上を狙おうとしました。そうしたら、DFがニアに寄ったので、途中で僕から見て左下を狙ったら、うまくコースを抜けてくれました」
―パワープレーがここまでハマったことはある?
「パワープレーはコインと一緒。得点のチャンスもあれば、失点の可能性があるもの。名古屋でも、4-0から4-4に追い付いたことがありました」
―相当喜んでいたが?
「まぁ、1点1点の重みは感じていましたし、追い上げの狼煙を上げる、(星)翔太のゴールもそうでしたが、喜びを体全体で表現しました」
―次に勝てば大きな意味が出てくるが?
「正直に言えば、今日の試合は勝ちたかった。最後のパワープレー、残り何分も引き分けを狙ったのではなくて、相手の心理を読んだものだった。それでもこの勝ち点1は、決勝トーナメントに行くのに大きな勝ち点1だと思うから、まずはそれを喜んで、次の試合が大事な一戦なので、喜ぶのは今日までにして、明日からはしっかり準備したい」
●FP星翔太(バルドラール浦安)
―苦しい試合になったが?
「ブラジル戦の後半と同じようなミスから失点をしてしまった。それでも後半に入る前には僕も点を取ることができて、残り20分、後半に勝つことに集中して向かった結果、3点を返すことができたと思います」
―W杯初ゴールの印象は?
「W杯初ゴールというより、流れを取り戻すためには必要なゴールだったので良かったと思います」
―あの1点は、本当に大きかったと思うが?
「持ち味のDFから決めることができて良かったです。1-5から点を取れたことが大きい。そこから乗って行こうと個人的には感じていたし、乗り切ることができたと思います」
―狙い通りの形?
「あの時間は、1-5で流れをつかむためには、個で爆発的なゴールを挙げるかしかなかったけど、その能力は僕にはない。DFでボールを取って行くしかなかったから、それが出来て良かった。シュートコースは、あそこか浮かせるかしかなかった。下にチャレンジをした結果、うまくいきました」
―チームにとっても反撃のスイッチにもなった?
「ミゲルがスイッチを入れ直そうとしていたので、あのゴールがなくても、気持ち的には切り替えはできたと思います。ただ、あの1点があって、個人的には気持ち良く後半に入れましたし、チームも入れたのかなと思います」
―ミゲルがパワープレーを秘密兵器と言ったが、どこが特別?
「あの形を採用するチームはあまりないので。僕らも(高橋)健介がケガしたので、練習でやってきたのとは違いました。(森岡)薫くんが左で自信を持って(ボールを)持つことが試合の途中からできていたので。そこが相手もイヤなポイントになっていました。パワープレーで崩してのゴールはありませんでしたが、こぼれたりとかだったので。崩してはいないのですが、イヤなイメージを植え付けることはできると思います」
―相手が飛び込んでくれたのがラッキーだった?
「僕らもどちらかというと、同点に追い付くつもりもありましたが、傷口を広げないという意味もありました。その中で取れたので、5-5に最終的にできたのは大きかった」
―歴史的ドローだが?
「歴史的になるのは次に勝ってから。まだ何も成し遂げていないし、ここから勝って決勝トーナメントに行く。前後半の頭は特に注意して試合に入りたいと思います」
●FP逸見勝利ラファエル(名古屋オーシャンズ)
―試合の感想は?
「気持ちいいですね。前半は良くなかったし、厳しい展開でした。でも、後半は3-0で勝つことができたので、良かったです」
―同点ゴールの場面は?
「3-3くらいの状況で、パスが来たらどうしようかなと思って、シュートを打ちました」
―前半は良くなかったが、引き分けられると思っていた?
「最初はあまり良くなかったですね。2-5で負けていて、すごく難しいと思っていました」
―引き分けた気持ちは?
「僕たちは良かった。相手にとっては勝てる試合だったと思う。グループステージ突破できる可能性ができたから、良かったと思います」
―パワープレーがあんなに点になることは少ないのでは?
「後半の立ち上がりの時間帯に、1点取ることができれば、流れが変わるかと思っていました。でも、3点差で進んでいたので、パワープレーを使ったと思っています。パワープレーは、他のチームとやり方が違う。僕たちの武器です。スカウティングもして、ポルトガルにハマることも、わかっていました」
●GK川原永光(名古屋オーシャンズ)
―入りは何が起きた?
「最初1分でやられて、あれでみんなに焦りが出ましたね。点を取らないとやばいってなって、焦って、あんなになった。僕らの一番いいところは守りのところ。高い位置でのプレッシングだったり、引いてから押し上げてのプレッシングなのに、一人が行って、2人が行って、かわされて。リカルジーニョに簡単に行ってかわされて、遊ばれて。『何やってんだ?』って。中でコーチングしても、それぞれが聞かないし、どうにもこうにもできなかったから、自分でやろうと思っていた精一杯のことをやろうと思って、やったんだけど…。それが5(失点)だったからね。せめてそこだけは守ってほしいっていうところは、全部やられていたからね。7番にターンされてフリーで打たれるとか…。そこだよね」
―リカルジーニョ、カルディナルのラインは意識していたのにね?
「分かっていてやられていたから、相手もすごい。でも、後半は良かった。あれを一試合とおしてやればいいこと。今までの日本代表は、代々木でのブラジル戦なんかは、それができていた。ああいう状態を1試合1試合こなせれば、どこが相手でも良い試合ができる。でも、それがまだできない。コントロールが自分たちでできないのが、若さであり、これからの課題。ただ、それがマイナスに行ったのではなく、結果的に良かったかなと思う」
―本当に難しい試合で、追い付いたのは驚いた。
「最初、前半でやられたときは無理だなと思った。でも、得失点差のことを考えたときは、なるべく失点を少なくしないといけないから、これ以上、失点できないと思っていた。それは2点目くらいのときから、ずっと思っていた」
―追い付けた要因は?
「それぞれの考え方、冷静に自分のプレーをしようということが第一目標だった。前半の(森岡)薫のゴールもそうだし、オレの中では2点目を取れたのが大きい。1-5で前半を終えていたら、4点ビハインドだと難しい。でも、3点差なら分からない。こういう番狂わせはFリーグでもそんなにない。最後までみんな集中していたし、良かったと思う。逆にもう少しパワープレーやれれば勝てたんじゃないかなとも思うけど、そこは欲をかかないで、やりすぎないように、最後はボール回しして、時間を使ったしね」
―パワープレーでも、何度かチャンスを消すパスがあり、反省点は残った。
「そうだね。そういうところの状況判断ができていない。そこが世界レベルとの違い。でも、そこに近づけていることは今日の試合で誰もが思ったはずだし、追い付けたことで自信にもなったと思う。でも、今度のリビア戦はまた別物。そこで勝たないと意味がなくなる。そこに向けて、みんなの気持ちは高まっているし、同じ過ちを犯してはいけないと分かっているから。このチームはそんなにバカじゃないと思っているから。その辺は大丈夫だと思う」
(取材・文 河合拓)
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フットサルW杯2012特集ページ
フットサルW杯は4日、大会4日目を行い、フットサル日本代表はポルトガル代表と5-5で引き分けた。前半、完全に劣勢の試合を強いられた日本だが、後半に入り猛反撃を見せる。パワープレーからポルトガルの守備を崩すと、一気に3点の差を追い付いた。終盤にはFP森岡薫(名古屋オーシャンズ)がハットトリックを決めるチャンスも得たが、そのまま試合は終了。試合後、選手たちは「リビア戦に勝たなければ意味がない」と、初のグループステージ突破に向けて最終戦へ気持ちを切り替えた。
以下、フットサル代表選手コメント
●FP三浦知良(横浜FC)
―試合を振り返って?
「後半は素晴らしいパフォーマンスでした。2-5という前半のスコアから、ああいう形になることは滅多にないということなので。そこは日本の持ち味が出たと思いますし、後半に限っては次のリビア戦に向けても自信を持ったプレー、チームとして自信を持てる内容、結果だったと思います。その辺は良かったと思います」
―この後の試合にも大きな影響?
「そうですね。ブララジル戦に負けて、前半も開始2分で0-2にされて、非常に厳しい出足だったと思います。しかし、自分が交代で入ったときも、相手の圧力というか、日本がどうしても前に出ていけない、なかなか自分たちらしさが出せない、厳しい状況が続いていたので、後半、ああいう流れでみんなで勝ち取った1ポイント。それもポルトガルを相手にね。前半のポルトガルは、個人的にはブラジルよりも強いなというイメージでした。前半はそれをすごく感じたし、他の選手に聞いても、前半のポルトガルはスピードにしても、何にしても、ものすごく速くてどうにもならなかったと言っていました。そういう意味では、そういう強豪に追い付いて、こうやって勝ち点1を取れたのは本当に大きいと思います。ただ、次の試合でだらしない試合をしたら、この1ポイントが小さなもの、意味のないものになる。この大きな1ポイントを、もっと大きくできるように、次のリビア戦は必ずまたみんなの力で、今日のようなメンタルで、3ポイントをとって、何とか決勝トーナメントに行きたいと思います」
―グループステージを突破すれば、歴史的快挙になるが?
「油断できないと思います。今、ブラジルとリビアがやっていますが、その結果はわかりません(※注 その後、ブラジルが13-0で勝利)。うちはリビアに勝たないと上に行けないと思うので、また厳しい試合になると思いますが、全員で力を合わせて、これからもこういう試合ができるように力を合わせてやりたいと思います」
―パワープレーについて指示はあった?
「指示は何もないです。今日の試合に関しては、本当に前半すごくうちにとっては難しかったし、入りが最初の2分で2点を取られた。1分で1点を取られた。あれをしてはいけないと言われていたのに、劣勢の中だったので非常に厳しかったですね。向こうもハイペースで来ていたらしいので、後半は相手も落ちたと思いますが、前半に関しては本当に強さ、うまさを感じました」
―後半変わったのは?
「いつも監督さんが『マジックはない』と言っていますが、いろいろなものがかみ合って、当然日本のパフォーマンスが上がったし、向こうも油断したのかもしれません。パワープレーがこれほどハマることも珍しいと言っていたので、僕は何とも言えないですね」
―前半と後半で雰囲気は変わった?
「3-5になって、後半に1点を返してから自信が出た顔つきになりました。前半は自信を失いますよね、あの展開だと。やっている方もそうですけど。僕がピッチに入ったときも、リカルジーニョもバカにしたようなプレーしていました。僕も『ベン、ベン』って『来てみろ、来てみろ』って、ずっと言っていたら本当に来ましたね。もうボールを見ているしかなかったよね(苦笑)。早いし。そこは楽しかったですよ。体験できませんからね」
―後半起用できなかったことをカズ選手が『気にしないで』と言ってくれたと、ミゲル監督は言っていたが?
「終わったあとね。後半のこと(カズを起用しなかったこと)を言おうとしていたから。そんなの当たり前のこと、と。そんなのは、ずっと言っていますけど、フットサルについては経験していないから。パワープレーとか。一つでもかみ合わないものが出たら、すぐ1点を入れられてしまう。こっちはHTを2-5で迎えた。勝つためのパワープレーもあるけど、点を取られないためのPPでやろう。そういう指示でした。これ以上、点差を開かせないために、最終戦のリビア戦で勝つために、最少失点で行くために。2-5をひっくり返すのは難しいと思っていたでしょうね。点差を開かせないためにやるものが、うまく行った。その後は、やっぱりうちのペースになって、かみ合って、3点をとれた。なかなかああいうことない。僕はW杯3試合目で見ることができましたが、監督はフットサル人生でも『ここまでうまく行ったの初めて』と言っていた。僕としては(パワープレーで点が入ることは)当たり前っていうイメージになっちゃうけどね(笑)。だから、監督とは終わった後に、自分の役割はわかっていますから。何で呼ばれたかも含めて。みんなを盛り上げていかないといけない。そういう存在でないといけないことも、わかっていますから。1分でも、2分でも、試合に出ても、試合に出なくても、後半出なくても、役割はわかっているつもりです。それが自分の仕事ですから。今回、なんとかそういうことで次の試合に勝って、上のトーナメントに行くのが、一番のフットサル界の夢だと思います。フットサル界の夢は、僕が得点を挙げることでも、自分の出場時間が増えることでもない。僕が来たことでフットサル界のチーム力が上がり、予選を突破することが夢ですから。その一部にならないといけない」
―今後も、チャンスがあれば積極的に仕掛けていきたい?
「(前半の好機の場面)もう、足でやって、中に行って、とフェイントを入れましたが、引っかからなかったですね、全く(苦笑)。引っかかると思ったら全く引っかからなかった。残念でした」
―次は仕掛けるチャンスが来るかも?
「どうなるか、わかりませんからね。厳しい戦いになることは確かだと思いますが、そんな楽な試合はないと思います。どれくらい自分にチャンスがくるかわかりませんが、変わらずに今までと同じようにやるだけです」
●FP森岡薫(名古屋オーシャンズ)
―初ゴールの感触はどうですか?
「やっとケチャップが出ました(笑)!! もう『嬉しい』の一言です。でも、初ゴールよりも今日の結果、日本が引き分けたことに満足しています。チームで引き分けられたことが大きいですし、今までポルトガルと、こういう戦いができたことはなかったので。前半は確かに2-5で負けていましたが、後半は3-0。これは大きな進歩だったと思います」
―パワープレーの練習をあまりやっていなかったと思うのですが?
「5回くらいですかね。ミゲル監督とこっちに来てからもやりましたし、ブラジル戦、ウクライナ戦の前にもやりました。でも、本当に確認くらいでした」
―北原選手からダイレクトでほしい場面もありましたね。
「そう! (北原)亘から、ダイレクトでほしかったの。でも、そんなに多くの回数を合わせることはできなかったし、それでもチャンスはできたから。でも、やっぱり緊張はするよね(笑」」
―最後の1本は惜しかったが?
「もう向こうは我慢できないと思っていたから、ミゲルの作戦だったと思う。回して回してきたところを、ただセーブするだけではなく、攻めるときは攻めるという感じだった。ちょっと課題かなというところです。小曽戸から出たボール、もう少しフィニッシュが良くて、決めていればよかった。でも、リビア戦にとって置きます」
―まだ気持ちは切れていない?
「もちろん。ここで何かに勝ったわけでも、何かを得たわけでもない。リビア戦に勝たないと、今日の試合が無駄になる。それはリビア戦に絶対に勝って、今までなかった結果をみんなで味わいたい」
●FP村上哲哉(シュライカー大阪)
「立ち上がり2分で2失点は、非常に厳しい試合展開になりました」
―後半に向けての具体的な指示は?
「監督の方から、もう一回0-0の状態からフレッシュに入っていくことと、ボールに厳しく行くことができれば、絶対にチャンスは生まれると。立ち上がりは結構プレスに行けて、良いリズムで入れたことが大きかったかなと思います」
―最後の時間の使い方は?
「最後はリーグ戦の得失点差を考えての判断だったと思います。パワープレーもポルトガルは対応できていなかったので、点を取れる匂いはあったのですが。でも、2-5から引き分けに持ち込めたことは、すごく評価できることかなと思います」
―次はリビア戦になるが?
「こういう風に良い試合をして、リビアに引き分けたり、負けたりしたら意味がないので。しっかりこの3年半で積み上げてきたものをしっかりリビア戦で出して、日本のフットサルができれば、必ずいい結果がついて来ると思っているので、頑張りたいと思います」
―応援団が多かったが?
「家族も来てくれているので。本当にこの雰囲気でできるのは幸せなことだと感じています」
●FP小曽戸允哉(バサジィ大分)
―この試合の感想は?
「本当に厳しい試合でしたが、みんなの頑張りもそうですけど、たくさんの応援があったから追い付けたと思います。みなさんに感謝するとともに、最後の試合を頑張りたいと思います」
―最後、パワープレーから速攻を浴びた場面は?
「もう『ヤバいな』と思いましたよ。でも、前に出た方が良いかなと思ったら、上手く止めることができて、運が良かったと思います」
―GKでも止められるから、パワープレーのGKをやっている?
「いえ、まったくGKをやったことはないんで。多分、選手交代する速さとか、そういうところで意味を持ってもらっていると思います。セーブすることに関しては練習もしていませんし、今までもやっていないので、そこは関係ないと思います」
―最後はたまたま?
「はい。運よく止められただけですね」
―でも、大きなセーブでしたね。
「あそこで1点取られたら負けていたので、チームのためには本当に大きかったと思います」
―パワープレーの役割は?
「ポゼッションを保ちながら、(星)翔太の動きをよく見て、そこで翔太がマークを外したときに、上手くパスを入れること。ポルトガルが前からプレスをかけてきて、そこから点を取れたので、狙い通りといえば狙い通り」
―HTに話していたことは?
「後半、しっかり立て直して、まずは1点ずつ返そうと。ゲームを落ち着かせて、パワープレーのチャンスがあったらパワープレーに行こうと。プラン通りできたかなと思います」
―後半は、押せおせでしたが?
「パワープレーで良い形になる前から、しっかりDFもできてチャンスもつくれていたので。後半は自分たちのフットサルがある程度できたかなと思います」
―パワープレーがあったから、点差が開いても自信を持てた?
「そうですね。監督は自分たちの武器の一つにパワープレーを挙げていましたし、自分たちも、ある程度練習をしてきています。今までなかなか試合で使ったことというか、ここまで長い時間やることはなかったのですが、長い時間やって、結果も出せたので、自分たちにも良かったと思います」
―GKになるのは小曽戸選手だけ?
「今のところ自分が着ていますが、他の選手のもあると思うので、そこは監督の指示で着ています」
―2位通過も見えてきた?
「本当にこの試合に引き分けたのは、最後にリビアに勝つためだと思うので。そこに勝って、しっかり2位通過、もしくは3位で予選を突破したいと思います」
―次ですね?
「そうですね。頑張ります」
●FP木暮賢一郎(名古屋オーシャンズ)
「立ち上がり、ブラジル戦同様に良い入りが出来なかったことは反省点ですが、難しい状況をチーム一丸となって、5-5まで持っていけた。それは、非常にチームの結束力も上がっていますし、感動的な幕切れだったと思う。それをうまくリビア戦につなげていくことが、本当に大事だと思う。浮かれることなく、次に向けて、良い2日間を過ごして、本当の決戦であるリビア戦につなげていきたいと思います」
―キックインのファウルがあったが?
「なんなんですかね? まぁ、チームが勝ち点1を取れたので」
―入りが固かったのは?
「まぁ、あとから掘り返せば、ああすれば良かったとありますが、相手あってのことだと思うし、それは真摯に受け止めて、そういう立ち上がりにならないようにしないといけないと思います」
―日本も悪くなかったと思うが、それ以上に相手が良かった?
「ポルトガルが良かったこともありますし、そこは何とも言えないですね。出ている選手が怠けているわけではないと思うし、最善の集中力を持って臨んでいる中で起きてしまっていることなので。仕方がないじゃすまないですけど、なんなんですかね。そういうものだと思うし。でも、リビア戦はそんな中で戦わないといけませんが、劣勢であっても、追い付ける精神力、そういうものは示せたと思います」
―ブラジルとの点差も含め、プラン通りでは?
「そうですね。もともとブラジル、ポルトガル、リビアと組み合わせが決まった時点で、僕が個人的にミゲル監督と話した時は『ポルトガルからは勝ち点1は取る』と言っていましたし、そういう意味では予想通りですね。僕はその時、ケガもしていましたけど、たしか大分のセントラルで話していたときに『ポルトガルから勝ち点1を取る』と言われて、それを信じていました。でも、本当に大事なのはリビア戦だと思います。素晴らしい、素晴らしくないは人が決めること。今日の試合について、修正点もあるでしょう。でも、5-5に追い付いた、ある種すばらしいゲームを無駄にしてしまわないように、リビアには勝たないといけない。しっかり勝って、それで2位になるか、3位になるか、それはわかりませんが、勝ち点3を取って、勝ち点を4にして、日本の歴史を塗り替える決勝トーナメント進出を果たしたい。そういう良い流れは来ていると思うので、あとはうまくメンタルコントロールとか、コンディション、モチベーションを保ちたいです」
―今日もサポーターが多かったが?
「カズさんの存在っていうのは、当然あると思う。代々木だったり、旭川だったり、フットサル界に対する見方が変わっていく中で、結果を出せば、さらにね。普通に結果を出すのではなくて、カズさんがいて結果を出すことがフットサル界の大きな前進だと思う。それを後押ししてくれるファンであったり、メディアの方には感謝していますし、それを表現するには、次もリビアに勝って、歴史を変えること。その瞬間に、また新しい気持ちが開けると思うので。今日の引き分けに満足せず、リビアに勝って、予選を突破したいと思います」
●FP北原亘(名古屋オーシャンズ)
―難しい試合になったが?
「開始2分で2失点を喫した時点で、この試合は難しくなるなとピッチの中でも感じました。前半と後半で全く別の顔のチームになりました。前半はDFも機能しませんでしたし、攻撃もあまり良い面がありませんでした。そのかわり、後半は相手が落としてきたことも関係していると思いますが、日本らしいフットサル、これぞ日本というプレーが出来たと思います」
―ブラジル戦の時はプレスが機能しなかったが、意識していた?
「ボールを保持している選手にプレスをかけないと、どんどん良いボールが入ってきますし、実際に前半2分でプレスが甘かったり、マークに対して上手く受け渡しができなかったり、付いていけなかったりしたところで失点したので。自分も後ろの選手なので、相手のピヴォに付くことが多いのですが、前に行ったときはプレスに行こうと思いました」
―リカルジーニョを追い込んだ場面もあったが?
「日本で見ている方も多いので。フットサルが注目されている中で、戦わない姿は見せたくなかった。点差が離れている中で、そういった少しのプレーから流れを変えていければ、このゲームはどこかでもう一度立て直せるのではないかと。最後まであきらめなかったことが、大きかったと思います」
―3点目は落ち着いて決めたが?
「パワープレーに入って、監督からは落ち着いて、相手がどう守るかを見て、それによってやっていけという指示がありました。その中でうまい具合に空いて、自分の前にボールが転がったのでニア上を狙おうとしました。そうしたら、DFがニアに寄ったので、途中で僕から見て左下を狙ったら、うまくコースを抜けてくれました」
―パワープレーがここまでハマったことはある?
「パワープレーはコインと一緒。得点のチャンスもあれば、失点の可能性があるもの。名古屋でも、4-0から4-4に追い付いたことがありました」
―相当喜んでいたが?
「まぁ、1点1点の重みは感じていましたし、追い上げの狼煙を上げる、(星)翔太のゴールもそうでしたが、喜びを体全体で表現しました」
―次に勝てば大きな意味が出てくるが?
「正直に言えば、今日の試合は勝ちたかった。最後のパワープレー、残り何分も引き分けを狙ったのではなくて、相手の心理を読んだものだった。それでもこの勝ち点1は、決勝トーナメントに行くのに大きな勝ち点1だと思うから、まずはそれを喜んで、次の試合が大事な一戦なので、喜ぶのは今日までにして、明日からはしっかり準備したい」
●FP星翔太(バルドラール浦安)
―苦しい試合になったが?
「ブラジル戦の後半と同じようなミスから失点をしてしまった。それでも後半に入る前には僕も点を取ることができて、残り20分、後半に勝つことに集中して向かった結果、3点を返すことができたと思います」
―W杯初ゴールの印象は?
「W杯初ゴールというより、流れを取り戻すためには必要なゴールだったので良かったと思います」
―あの1点は、本当に大きかったと思うが?
「持ち味のDFから決めることができて良かったです。1-5から点を取れたことが大きい。そこから乗って行こうと個人的には感じていたし、乗り切ることができたと思います」
―狙い通りの形?
「あの時間は、1-5で流れをつかむためには、個で爆発的なゴールを挙げるかしかなかったけど、その能力は僕にはない。DFでボールを取って行くしかなかったから、それが出来て良かった。シュートコースは、あそこか浮かせるかしかなかった。下にチャレンジをした結果、うまくいきました」
―チームにとっても反撃のスイッチにもなった?
「ミゲルがスイッチを入れ直そうとしていたので、あのゴールがなくても、気持ち的には切り替えはできたと思います。ただ、あの1点があって、個人的には気持ち良く後半に入れましたし、チームも入れたのかなと思います」
―ミゲルがパワープレーを秘密兵器と言ったが、どこが特別?
「あの形を採用するチームはあまりないので。僕らも(高橋)健介がケガしたので、練習でやってきたのとは違いました。(森岡)薫くんが左で自信を持って(ボールを)持つことが試合の途中からできていたので。そこが相手もイヤなポイントになっていました。パワープレーで崩してのゴールはありませんでしたが、こぼれたりとかだったので。崩してはいないのですが、イヤなイメージを植え付けることはできると思います」
―相手が飛び込んでくれたのがラッキーだった?
「僕らもどちらかというと、同点に追い付くつもりもありましたが、傷口を広げないという意味もありました。その中で取れたので、5-5に最終的にできたのは大きかった」
―歴史的ドローだが?
「歴史的になるのは次に勝ってから。まだ何も成し遂げていないし、ここから勝って決勝トーナメントに行く。前後半の頭は特に注意して試合に入りたいと思います」
●FP逸見勝利ラファエル(名古屋オーシャンズ)
―試合の感想は?
「気持ちいいですね。前半は良くなかったし、厳しい展開でした。でも、後半は3-0で勝つことができたので、良かったです」
―同点ゴールの場面は?
「3-3くらいの状況で、パスが来たらどうしようかなと思って、シュートを打ちました」
―前半は良くなかったが、引き分けられると思っていた?
「最初はあまり良くなかったですね。2-5で負けていて、すごく難しいと思っていました」
―引き分けた気持ちは?
「僕たちは良かった。相手にとっては勝てる試合だったと思う。グループステージ突破できる可能性ができたから、良かったと思います」
―パワープレーがあんなに点になることは少ないのでは?
「後半の立ち上がりの時間帯に、1点取ることができれば、流れが変わるかと思っていました。でも、3点差で進んでいたので、パワープレーを使ったと思っています。パワープレーは、他のチームとやり方が違う。僕たちの武器です。スカウティングもして、ポルトガルにハマることも、わかっていました」
●GK川原永光(名古屋オーシャンズ)
―入りは何が起きた?
「最初1分でやられて、あれでみんなに焦りが出ましたね。点を取らないとやばいってなって、焦って、あんなになった。僕らの一番いいところは守りのところ。高い位置でのプレッシングだったり、引いてから押し上げてのプレッシングなのに、一人が行って、2人が行って、かわされて。リカルジーニョに簡単に行ってかわされて、遊ばれて。『何やってんだ?』って。中でコーチングしても、それぞれが聞かないし、どうにもこうにもできなかったから、自分でやろうと思っていた精一杯のことをやろうと思って、やったんだけど…。それが5(失点)だったからね。せめてそこだけは守ってほしいっていうところは、全部やられていたからね。7番にターンされてフリーで打たれるとか…。そこだよね」
―リカルジーニョ、カルディナルのラインは意識していたのにね?
「分かっていてやられていたから、相手もすごい。でも、後半は良かった。あれを一試合とおしてやればいいこと。今までの日本代表は、代々木でのブラジル戦なんかは、それができていた。ああいう状態を1試合1試合こなせれば、どこが相手でも良い試合ができる。でも、それがまだできない。コントロールが自分たちでできないのが、若さであり、これからの課題。ただ、それがマイナスに行ったのではなく、結果的に良かったかなと思う」
―本当に難しい試合で、追い付いたのは驚いた。
「最初、前半でやられたときは無理だなと思った。でも、得失点差のことを考えたときは、なるべく失点を少なくしないといけないから、これ以上、失点できないと思っていた。それは2点目くらいのときから、ずっと思っていた」
―追い付けた要因は?
「それぞれの考え方、冷静に自分のプレーをしようということが第一目標だった。前半の(森岡)薫のゴールもそうだし、オレの中では2点目を取れたのが大きい。1-5で前半を終えていたら、4点ビハインドだと難しい。でも、3点差なら分からない。こういう番狂わせはFリーグでもそんなにない。最後までみんな集中していたし、良かったと思う。逆にもう少しパワープレーやれれば勝てたんじゃないかなとも思うけど、そこは欲をかかないで、やりすぎないように、最後はボール回しして、時間を使ったしね」
―パワープレーでも、何度かチャンスを消すパスがあり、反省点は残った。
「そうだね。そういうところの状況判断ができていない。そこが世界レベルとの違い。でも、そこに近づけていることは今日の試合で誰もが思ったはずだし、追い付けたことで自信にもなったと思う。でも、今度のリビア戦はまた別物。そこで勝たないと意味がなくなる。そこに向けて、みんなの気持ちは高まっているし、同じ過ちを犯してはいけないと分かっているから。このチームはそんなにバカじゃないと思っているから。その辺は大丈夫だと思う」
(取材・文 河合拓)
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