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[フットサルW杯2012]リビア戦 前日練習後 選手コメント

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 フットサル日本代表は6日、リビア戦に向けたトレーニングを行った。現在1分1敗で勝ち点1の日本代表は、Cグループで3位。悲願の決勝トーナメントに進出するためには、絶対に勝利が求められる。午前11時からの練習を終えた選手たちは、明日の決戦に向けて、それぞれの想いを語っている。

以下、リビア戦前日練習後 選手コメント

●FP三浦知良(横浜FC)
―明日の試合に向けて監督からは何か特別な指示が?
「最初からリビア戦が一番大きな試合になるだろうと監督も予測していたので。そういう意味では集中力、コンディションを持って行けていると思います。明日は何がなんでも勝つという気持ちだと思います」
―プレーについて監督からの指示は?
「個人的にはないですね。全体的な戦術の確認。セットプレーは毎回やっていて、ちょっと頭に入らないですね。あまりにも多すぎて。難しいですね、やっぱり。頭に入りきらない。実戦でやるしかないですね」
―試合を重ねてできていると感じることは?
「難しいですね。それすら自分で言うのも難しいくらい。難しいと言っても、なんとか自分でやろうとしてやっているわけですから、試合に出たら、今までやってきたこと、自分のやれることを精いっぱいやる。それだけしか考えていません」
―横浜FCにも決勝トーナメント進出の報告をできれば?
「なんとか日本に良いニュースが届けられるように、明日は勝って決勝トーナメントに進出したいですね」
―日本が優勢に思えるが、気の緩みはないか?
「リビアに絶対に勝てるとか、そう思うことがおかしい。前回の点差とか、特にフットサルの場合、今日やった相手に0-6で負けても、明日同じ相手に2-1とか3-2とか、そういう試合で勝つこともある。フットサルを見ていると、ゴールだけでは評価できない差があると感じています。(リビアが)13―0でブラジルに負けたからといっても、アフリカチャンピオンですし、日本も以前に試合をやったときに勝てなかったそうですから。そのときのメンバーもたくさんいますからね。何一つ自分たちが油断するという理由が見当たらない。この前、(ポルトガルに)引き分けた自信、チームとしてのチーム力アップはあっても、明日の試合は明日の試合で別物だから、油断は一切ありません」
―明日もチャレンジャー?
「もちろんそうです」
―リビアの団長が『国に革命が起きたこともあり、準備不足だ』と言っていたが?
「政治的なことは、ちょっとよくわかりませんし、どういう環境で代表が活動しているかもわかりませんが、相手うんぬんよりも自分たちが何をするかが大事。自分たちがチャレンジャーとして臨むことが大事だと思いますし、この前以上にやらないと勝てないと思います」
―移動もあったがコンディションは?
「昨日はまるまる一日、ちょっと向こう(コラート)で体を動かしてきましたけど、長い時間バスに乗っていて、(バンコクに)着いてほとんど何もしていないので、ちょっと体が重かったですけど、これは普通のことだと思います」
―リラックスしているように見えたが、結束力は固まっている?
「そう思っていますけど」
―ポルトガル戦を終えての変化は?
「自分たちで道が開けるというか、3位だとどうしても他のグループの結果が気になりますが、自分たちが勝てば道が大きく広がるということに変わりはないので。そのぶんみんなチャレンジャーとして前向きになっているんじゃないかと思います。『勝ってもダメなんじゃないか』という状況だと、どうしても不安に思ったり、前向きになり切れない状況があると思いますが、自分たちが勝てば大きく道が開けるという面では、メンタル面では前向きになっていると思います」
―得失点差もありますが、2位が見えるのも大きい?
「ブラジルとポルトガルがどういう戦いをするかもわかりませんが、まず僕らが勝たないと、向こうの結果うんぬんが何の意味もなくなるので、それだけに集中したいです。そういう話はしています」
―体の重さを取るために最後は動いていた?
「ちょっと上げたかったので。1対1も繰り返して、心肺機能を上げたかった。基本的に全体的に僕も出場時間が短いですから、ちょっと上げておいた方が楽になる」

●FP村上哲哉(シュライカー大阪)
―いよいよ決戦ですね?
「絶対に楽な試合にならないし、相手も絶対に勝ちに来るので、厳しい試合になることは覚悟しています。勝たなければいけないというプレッシャーはありますが、ここで勝たなければポルトガル戦で引き分けた意味がなくなってしまうので、結果にこだわって一丸となって戦いたいと思います」
―あの引き分けから2日経って雰囲気は?
「試合展開が1-5から追い上げる形だったので、勢いは上がっていますし、雰囲気も良いですし、そういうこともすべて明日のリビア戦にぶつけたいと思います」
―今日はプレス回避を確認した?
「そうですね。あとは僕らがリビアにプレスをかけたときに、相手がどういう形で攻撃をしてくるかの確認ですね。引いた時を含めて、間のエリアを使ってくるので、はまればかなり高い位置でボールを奪えるのでチャンスは生まれると思います」
―分析もしっかりした?
「スカウティングビデオはまだ見ていませんが、流れからいうと明日の試合前にみんなで確認すると思います。まだビデオ自体は見ていませんが、リビアとポルトガルの試合は見ていますので」
―どういう印象を持った?
「僕自身、ちょうど2年半前のリビア遠征で、親善試合を2試合やっているんですが、何人かすごい選手がいますし、そのときからメンバーもそれほど変わっていないので。何人か気を付けなければいけない。個で打開してくる選手が何人かいるので。戦術面とか、セットプレーはブラジル、ポルトガルに比べて落ちるとは思いますが、かといって油断はできないので。日本のフットサルができれば結果は出ると信じています」
―向こうのGKもケガしたようだが、影響はあるか?
「そこまで把握しきれていないのですが、ホテルでも試合の次の日にはギプスを巻いていたのですが、その次の日にはギプスが取れていたので(笑)。どういう状況かわからないですよね」
―今日も練習を取りやめたようです。
「そうなんですか!?」
―ピッチはどうでしたか?
「すごく良いですね。ちょっと下の素材が違うと言うか、ここは完全な板張りだったので。コラートはかなりスベったので、今回はコンディションは問題ないと思います」
―遠征で感じた特徴は?
「アフリカ人だけあって、身体能力は長けていますし、10番の小さい選手はすごくテクニックがあって、ドリブルもあるので注意が必要だと思います」
―ピヴォの3番も?
「そうですね。彼も結構、打開してくるので注意したいです」

●GK川原永光(名古屋オーシャンズ)
「勝ち点3を取らないと、上にあがれないし、勝ちたいと思います」
―バンコクのホテルは快適?
「快適ですよ。眺めも良いです。30階建ての真ん中あたりですが、夜川とかライトアップされていて、すごくきれいですよ」

●FP小宮山友祐(バルドラール浦安)
―ブラジル大会と比べて、雰囲気は違う?
「そうですね。あの時と比べて負け方も全然違いましたし、前回も最後ロシアに勝てば上に行ける可能性はありました。でも、可能性でいえば、今の方がより現実的ですし、前回僕らは経験して、雰囲気が悪くなって歯車が狂いだしたことを知っているので、良い雰囲気で臨もうと。難しいですけどね。集団生活する中でいろいろなストレスもあると思いますが、いろんな話をして、バカやったりして。そういう意味では前回よりはいい雰囲気かなと思います」
―前回を知る人が中心に?
「前回を知っている僕たちもそうですが、初めてW杯に来た選手もグループステージ突破を見据えているので、同じ思いです。また、今は注目されている部分もありますからね。その注目を良い意味でプラスに変えて、フットサル界のために、先に進もうという思いがみんな強いので。そこに向けてのモチベーションが高いので、リビア戦に向けてもすごく良いモチベーションですし、雰囲気も良いと思います」
―リビアの印象は?
「ポルトガル戦を見たら、身体能力も高いし、3番のピヴォは良い選手ですね。スペイン人監督のやっている緻密さの中にも、アフリカ人特有の大胆さというかがある。勢いに乗ったら面倒くさいのかなと。特に1対1でボールを失うことについては、そこまでリスクを考えていないと思いますし、ガンガン仕掛けてくると思います。リビアも決勝T進出の可能性を残しているのか、いないのか、ちょっとわかりませんが、W杯で負けて良い試合なんてないので」
―2試合続けて先制されているが?
「先に点を取りたいですが、取られないことが前提。もちろん5分で点を取れたら勢いに乗れると思います。ブラジル戦の後半は何とも言えませんが、ポルトガル戦は思っていたよりスピードが全然速かったですね。僕はW杯を含めて対戦した印象では、08年W杯のロシアが一番強かったなという印象でしたが、この間の前半のポルトガルはそれと同じくらい強いなと感じました。ブラジルの後半は0-1で耐えて、どう戦うかが見えづらかった。0-1のままで良いのか、ポゼッションを高めて、あわよくばカウンターから点を取りに行くのか、それが見えにくかった」
―監督は『我慢強く』と言っていたが、意思統一はできなかった?
「受け身になったらブラジルは前にガンガン来るので、受け身になるのではなく、アグレッシブに行くために、つなぎならラインを押し上げようという意思統一はできていました。でも、それがうまくいかなかった。ポルトガルの前半は思っていた以上のプレースピード、個の技術の高さに対応できる前に、やられてしまった。ブラジルは親善試合でやっていて、どういう選手かはわかっていましたが、ポルトガルはリカルジーニョとカルディナル以外は正直。リカルジーニョも全然名古屋のときより早かったので。僕らは出ていませんでしたが、出ていなかった木暮や(北原)亘が戸惑うくらいだったので」
―リビアの個の力はどう?
「ポルトガルも2人かけても取れないことがありましたし、チャレンジ&カバーを徹底しないといけない。ただ、カバーをし過ぎると、球際に寄せられなくて、ボールを回されることが多かった。後半はカバーはいいから、とりあえずボールに寄せろということで声を掛けましたが、リビアは1対1が強いので。今日も練習でやりましたが、変な獲り方をすると、ガチャガチャと入れ替わることもあるので、そういうところが大事かなと思います」
―ここまで来たら上にいきたいですね。
「行かないと、本当に意味がないので。頑張ります」

●FP木暮賢一郎(名古屋オーシャンズ)
「日本のフットサルの歴史を、今までもそれぞれのタイミングで新しくつくってきたし、そういう自負はありますが、さらに新しい1ページを開くチャンスにいられることは素晴らしいことだと思います。それだけ努力をしてきましたし、そういうチームだからこそ、今絶好のチャンスをつかめていると思います。それをつかめるかどうか、天国と地獄の差があると思うので、必ず、どういうことがあってもつかみたい。それが出来るチームだと思います」
―先制される試合が続いているが、明日は先制したい?
「そうですね。ただ、リードされても追い付けるという自信はポルトガル戦でも得ていると思う。ブラジル戦、ポルトガル戦と自分としても、チームとしてもナーバスになる時間帯や固さがあったと思うし、明日はそういう意味ではすべて解放されたような、全員で、もう一度アグレッシブに、ピッチの中でも楽しめるような、監督が掲げているフットサルをやって、内容も結果も出したいと思います」
―コンディションは上がっている?
「はい。いつもどおりですよ。僕はそんなに左右されないタイプなので」
―3大会連続ゴールは?
「結果、それがついて来ればね。それは、みなさんが書いてくれることだと思うので」

●FP森岡薫(名古屋オーシャンズ)
―昨日は移動だったが?
「疲れもあまりないですし、良い状態で試合に臨めると思います」
―ポルトガル戦に引き分け、チームの雰囲気は?
「チームの雰囲気も良いですが、ポルトガル戦はもう終わったことなので、気持ちを切り替えてリビア戦を戦いたい。状況的に浮かれている場合ではないので、リビアにしっかり勝って勝ち点3を挙げたいと思います」
―得点を挙げられたことで、余裕もできた?
「そうですね。気持ちも少し楽になりました」
―監督から明日の試合に向けて指示は?
「勝ち点3を取るために、気持ちで負けないようにと。盛り上げていかないといけないと思っています」

(取材・文 河合拓)

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