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要注意人物にあった癖…完璧な分析にDF大南拓磨もニヤリ

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仲間と喜びを分かち合うU-21日本代表DF大南拓磨(磐田=19)

[8.27 アジア大会準々決勝 U-21日本2-1サウジアラビア ボゴール]

 速くて強くてうまい。三拍子そろった要注意人物を相手にしてもU-21日本代表DF大南拓磨(磐田)は怯むことはなかった。激しく体を寄せて自由を奪い取り、送られてくるハイボールもきっちり打ち返し、サウジアラビアの背番号9に仕事らしい仕事をさせなかった。

 今大会、追加招集でチームに合流した大南は、グループリーグ第2戦パキスタン戦で先発フル出場を果たし、FW旗手怜央(順大)のゴールをアシストするなど存在感を示した。その後の2試合で出場機会が訪れることはなかったものの、「練習からしっかりコンディションを上げていた」と準備を怠らず。決勝トーナメント1回戦マレーシア戦でDF原輝綺(新潟)が負傷したこともあり、準々決勝で先発出場の機会が訪れた。

 準備できていたのはフィジカル面、メンタル面だけではない。しっかりと相手選手の分析も頭に叩き込んでいた。決勝T1回戦中国戦でハットトリックを達成していたカマラだが、プレーの癖があったことを明かす。「スピードもあって、テクニックもあると分かっていたけど、右足に依存するとミーティングで言われていた。最終的に右足で持って抜いてくると思っていたので、そこは対応しやすかった」とニヤリ。

 CFの位置に入るカマラだが、大南が構える右サイドに流れてくることが多く、マッチアップする機会は多かった。だが、相手の癖を見抜いて対応し、効果的な働きをさせなかった上に、「やっぱり自分は空中戦で負けたくない」と肉弾戦に果敢に挑み、相手攻撃をはね返し続けた。

 オウンゴールで1点こそ失ったが、「最終ラインの3人でしっかり話しができた」とチームメイトとコミュニケーションを密に取り、それ以上の失点を防ぎ、2-1の勝利に貢献。準決勝への扉を開いた。

 爆発的な攻撃力を持つサウジアラビアを最少失点に抑え、「自信になる」と胸を張るが、まだ戦いが終わったわけではない。「結果として、しっかり勝って決勝まで行き、優勝するのが自分たちの目標。そこまでチーム皆で戦っていきたい」と次なる戦いに向けて準備を進める。

(取材・文 折戸岳彦)
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