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パリ五輪世代マッチメークは「目線を東に向ける」数々の“対欧州”経てW杯開催国アメリカ遠征へ

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大岩剛監督

 パリ五輪を目指すU-22日本代表は今月、チームの立ち上げ以来初めてアメリカに遠征し、メキシコ・アメリカとの親善試合を行う。日本サッカー協会(JFA)の反町康治技術委員長によると、これまではヨーロッパの強豪国とのテストマッチを重ねてきており、新たに「目線を東に向ける」という意図があるという。

 大岩剛監督率いるパリ五輪世代の日本代表は昨年3月に発足。これまで公式大会のない国際Aマッチウィークには積極的な海外遠征を行い、スイス(●1-2)、イタリア(△1-1)、スペイン(●0-2)、ポルトガル(○2-1)、ドイツ(△2-2)、ベルギー(●2-3)、イングランド(○2-0)、オランダ(△0-0)といった欧州強豪国と対戦を重ねてきた。

 また昨年6月のU23アジアカップ、今年9月のU23アジア杯予選、現在行われているアジア競技大会では同じアジアの相手との真剣勝負を実施。来年4月に控えるパリ五輪の最終予選にあたるU23アジア杯に向けて強化を進めるかたわら、チームの強化につなげてきた。

 その一方、これまで南米、北中米カリブ海、アフリカとの対戦経験はなし。そこで今回の活動では当初、「先を見据えてやる場合、できれば南米の国がいい」(反町技術委員長)という狙いがあったという。しかし、南米への遠征はトランジットなどで移動時間がかかることに加え、対戦相手の選定にも難航。また11月には日本国内でアルゼンチンとの対戦を控えていることもあり、メキシコ・アメリカとの対戦が決まった。

 メキシコは前回の東京五輪3位決定戦で日本に勝利し、銅メダルを獲得した世界的強豪。パリ五輪の北中米カリブ海ではまさかの予選敗退となったが、これまでの数多くの親善試合経験から「すぐにいろんなチームを作ってしっかり準備してくれる非常にいい国」(反町技術委員長)という信頼がある。

 またアメリカはパリ五輪への出場も決定済み。いずれもA代表は2026年の北中米W杯の開催国ということもあり、国を挙げての強化が進んでいる中、反町委員長は「彼らが力を入れているのは間違いないし、いい機会になればと思う。彼らは時差もなく、移動距離も少ないので万全だと思う」とこのマッチメークに手応えを語った。

 なお、大岩監督らスタッフ陣は現在、アメリカ遠征とは異なるメンバー編成のチームで、中国・杭州で行われているアジア競技大会に参戦中。7日の決勝・韓国戦を終えて帰国した後、そのまま帰宅せずアメリカに渡る形となるが、アメリカ遠征への帯同を予定している反町委員長は「トロフィーを見せてくれることを期待して楽しみにしている」と“日韓戦”を制しての優勝に期待を示した。

(取材・文 竹内達也)
●第19回アジア大会特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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