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[五輪]なでしこ、初戦ニュージーランド戦を勝利で飾れずドロー

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[8.6 北京五輪GL・G組第1戦 日本女子2-2ニュージーランド女子 秦皇島]

 北京五輪の開会式を2日後に控えた6日、全競技の先陣をきってサッカー日本女子代表がニュージーランド女子代表と対戦した。日本はニュージーランドに2点を先制されるも、後半に宮間あや澤穂希のゴールで追いつき2-2で引き分けた。日本は初戦を勝利で飾ることは出来なかったものの、勝ち点1を獲得した。

 日本は4-4-2の布陣で臨んだ。GKには福元美穂、DFは右から近賀ゆかり、矢野喬子、岩清水梓、柳田美幸。中盤の底の位置には阪口夢穂と澤、右には安藤梢、左には宮間が入り、永里優季、大野忍が2トップをつとめた。
 試合序盤は、早いプレスと日本DFライン裏へのロングボールでニュージーランドがリズムを掴み、日本ゴールに攻め込んだ。しかし、日本の守備を崩しきれずなかなかフィニッシュまで持ち込むことができない。一方、前半15分以降は日本がペースを掴んだ。中盤で相手ボールを奪い、細かく丁寧なパス回しでチャンスを狙う展開が続いた。15分、ゴール前で宮間、阪口の早いパス回しから最後は安藤梢に繋ぎチャンスを作る。16分にはPA内で大野が永里とのワンツーからシュート。23分にも、ゴール前混戦からのこぼれ球を大野が思い切り良く振り抜くと、32分には中盤からの縦パスに大野が勢い良く抜け出し、GKと1対1の決定的場面からシュートを放つがGKに阻まれてしまう。いずれも得点にはならなかったものの、ゴールへの強い意識で前へ前へと攻め続けた。
 しかし、先制点を奪ったのはニュージーランドだった。37分、FWライリーが右サイドから鋭いグラウンダーのクロスを入れると、中でMFヤロップをマークしていた近賀が判断ミスからボールをスルー。ヤロップは足元にボールが届くと、右足で落ち着いてゴールに流し込んだ。ニュージーランドは僅か2本目のシュートで先制に成功し、前半を終えた。
 後半に入ると、ニュージーランドはライリーを使った右サイドからの攻撃でチャンスを伺う。5分には、ボールを奪ったライリーがPAに切れ込みシュートするもGK福元美穂の好セーブでピンチを免れた。その5分後、ニュージーランドの右CKの際にPA内で岩清水が痛恨のファウルをとられ日本はPKを与えてしまう。そのPKをFWハーンに決められ追加点を奪われた。
 しかし後半27分、似たような展開で今度は日本がPKのチャンスを得た。宮間の左CKからのこぼれ球を近賀がゴール前に放り込むと、PA内の混戦の中でニュージーランドDFがファウル。キッカー宮間がゴール右隅に押し込んで1-2とした。その後日本は、大野を荒川恵理子に、安藤を丸山桂里奈に替えて3トップ気味にし、前線の攻撃を一枚増やすことで勝ち点3をとりに出た。そんな中、同点弾を決めたのは、エースの澤だった。41分、右サイドからのFKから宮間が低くスピードあるボールを放り込むと、相手DFを振り切り二アサイドに走りこんだ澤が技ありのダイレクトボレーで同点ゴールを決め、何とか土壇場で2-2と追いついた。
 日本は90分間ニュージーランドよりも優位にゲームを運びながら、自らのミスから早々に2点を奪われ貴重な勝ち点3を取り損ねた。日本は、9日にアメリカ、12日はノルウェーと、今日のニュージーランドよりも格上の相手と対戦する。今日得た課題は修正し気持ちを切り替え、今日あげた勝ち点1、土壇場で追いついたこの勢いを次に繋げ、何としても予選を突破してもらいたい。

(文 山口雄人)

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