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[五輪]なでしこ、最後までアメリカの守備崩せず(日本vsアメリカ)

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[8.9 北京五輪GL・G組第2戦 日本女子0-1アメリカ女子 秦皇島]

 9日、なでしこジャパンが世界ランク1位で04年アテネ五輪覇者のアメリカ女子代表と対戦し0-1で敗れた。日本は前半27分、MFロイドの強烈なミドルシュートで先制点を許した。その後、日本は再三チャンスを作りアメリカゴールを脅かしたが、アメリカの堅い守備の前に最後までゴールを割ることができず、0-1で敗北を喫した。

 日本はこの日も4-4-2の布陣。GKには福元美穂、DFは右から近賀ゆかり、池田浩美、岩清水梓、柳田美幸。中盤の底の位置には阪口夢穂と澤穂希、右には安藤梢、左には宮間あやが入り、永里優季、大野忍が2トップで先発。日本は6日のニュージーランド戦で控えに回ったDF池田を矢野喬子に替えてアメリカに挑んだ。対するアメリカは、6日のノルウェー戦に先発したFWカイをスピードのあるロドリゲスに、DFローリをコックスに替え試合に臨んだ。
 アメリカは6日、格下ノルウェーに0-2と痛恨の敗北を喫し勝ち点を逃しているだけに、前半序盤から怒涛の攻めを見せた。MFオーライリー、ボックス、ロイドらの中盤陣を中心に激しいプレスからボールをキープし、連携の取れたパス回しからの攻撃でリズムを掴む。また、カウンターからはFWロドリゲスの素早いアタックで日本ゴールに攻め立てる。しかし日本も、GK福元、池田、岩清水のCBを中心にDF陣が身体を張りゴールを死守、我慢の時間が続いた。
 日本は、MF阪口からFW大野への縦パス、MF宮間や近賀の好クロスなどでチャンスを作る。21分には、FW永里からパスを受けたMF澤がPA内に切れ込み枠内に強烈なシュートを放つ。しかしGKの好セーブの前に得点には至らなかった。
 激しいボールの奪い合いが続く中、前半27分に試合が動いた。左サイドからのクロスのこぼれ球に走りこんだロイドが、ミドルレンジから思い切りよく右足で振りぬく。ボールはGK福元が伸ばした手の先を抜けゴールに突き刺さった。
 劣勢に立たされた日本はその後も、積極的にゴールを目指す。33分には永里が右サイドから切れ込み、角度のない所からシュート。39分には、澤がドリブルで切れ込み宮間にヒールでスイッチ、宮間がミドルシュートを放つなど見せ場を作った。しかし、アメリカのGKソロに好セーブを連発され得点には至らず前半を折り返した。
 後半に入ると、日本は安藤を右SBに、近賀を右のサイドハーフに入れ替え流れを変えに出る。後半1分、その近賀が右からのスピードあるクロス、4分には永里、近賀、澤とパスを繋ぎ澤がフィニッシュするなど、ゴールはならなかったもののチャンスを演出する。アメリカも日本のボールを奪ってはシンプルなパスから足の早いロドリゲスを使って日本ゴールに攻めあげたが、GK福元がゴールを守り続けた。
 後半30分には、大野があげた左クロスに途中出場の丸山がヘッドで合わせ決定的チャンスを演出するもゴールはならず。33分には丸山がDF2人を抜いてゴール前に突破するも潰された。35分には、池田に替えて荒川を投入し、DFを3バックにして前線の攻撃を1枚増やし同点を狙いに出る。42分にも、大野からの右クロスに丸山がヘッドで飛び込むも枠内に飛ばず決定機をものにすることが出来ない。日本は試合終了直前まで、果敢に相手ゴールに攻め込むものの決定的チャンスが作れず、劣勢のまま厳しい時間を過ごし試合を終えた。
 この敗北により、日本は決勝トーナメント進出が厳しくなった。20回目の対戦となった今回のアメリカ戦でも、厳しい守備の前に勝ち星を掴むことが出来ずに終わった。今日の敗北をステップに、最後まで可能性を諦めず、次のノルウェー戦で必ず勝ち点を掴んでほしい。

(文 山口雄人)

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