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[五輪]なでしこ澤、アメリカに雪辱ならず(日本vsアメリカ)

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[8.9 北京五輪GL・G組第2戦 日本女子0-1アメリカ女子 秦皇島]

 9日、北京五輪女子グループリーグG組・日本vsアメリカが行われ、日本は0-1で敗北した。アメリカは、日本がこれまで19回戦って一度も勝ち星をあげたことのない相性の悪い相手。それだけに「歴史を変えられるように頑張りたい」と澤穂希(29)は試合前から意気込んでいた。しかし、今回も攻守に渡りアメリカの牙城を崩すことは出来ずに終わった。
 なでしこジャパンの絶対的エース・澤は、チームの誰よりもこの戦いに対する思いが強かった。澤は、00年から3年間米国女子リーグ(WUSA)のアトランタ・ビートでプレーし経験・実績を積んだ。しかし、代表として国際大会で70得点を挙げてきたものの格上のアメリカ戦では12試合1得点に留まり、持ち前の得点力を見せ付けることが出来ずにいた。04年アテネ五輪の準々決勝でもアメリカに敗れており、「アテネのリベンジをしたい」そう誓ってピッチに立った。
 澤はこの戦いでも自ら果敢にゴールに迫る。前半21分、永里のパスを受けた澤は自らゴール前に切れ込みPA内から強烈なミドルシュート。22分には右サイドからクロス気味のシュートを放つ。39分には自らドリブルで駆け上がり、すれ違いざまに宮間あやにヒールでスイッチし宮間のシュートを演出した。この日も90分間に渡り攻守の要としてピッチを駆けアメリカを脅かした。
 結局今回もアメリカに雪辱を晴らすことは出来ず、これで20戦0勝17敗3分けとなった。しかし、澤の北京五輪はまだ終わってはいない。北京での夏を終えるのには、まだ早すぎる。9日の試合を終えて、G組の順位はノルウェー(勝ち点6)、アメリカ(勝ち点3)、ニュージーランド(勝ち点1)、日本(勝ち点1)となった。12日、1位ノルウェーとの直接対決に勝ち、アメリカがニュージーランドに引き分ければ、ノルウェーに次いで、アメリカ、日本が勝ち点4で並ぶことになる。そうなった時、明暗を分けるのが得点の数となる。
 エースの澤には頭を切り替えて、12日のノルウェー戦に向けて、もう一度闘志を燃やしてチームを牽引してもらいたい。なでしこの夏は、まだまだこれからだ。

(文 山口雄人)

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