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自然体の遠藤、「勝つ自信はある」

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 岡田ジャパンのゲームメイカー・MF遠藤保仁(G大阪)が、11日のW杯最終予選・オーストラリア戦(日産ス)に自信を見せた。

 遠藤は、横浜市内で行われた9日の練習後、「日本がこれまでやってきたことをしっかりとやっていけば、勝つ自信はある」と静かに語った。この日は、パス、シュート練習、7分×2本の紅白戦など約1時間の練習。5日に帰国したMF中村俊輔(セルティック)に加えて、FW大久保嘉人、MF長谷部誠(ともにボルフスブルク)、MF松井大輔(サンティティエンヌ)の海外組3選手が合流。11日の試合では、海外組の中でも特に中村俊が激しいマークにあうことが予想される。「僕らは俊輔の近くにいるので、サポートをしていかないといけない。今までも俊輔なり、前の選手が厳しいマークにあってきた。でもすぐにサポートしてあげることで戦えてきた。チームとして互いに助け合いながらやるだけです」。攻守に渡ってチームの「軸」となる遠藤は、ワン・フォア・オールの気持ちを口にした。
 
 自信の源は、代表で、そしてガンバ大阪で、チームの中心としてコンパクトなサッカーを実践し、結果を出してきたことだ。「しっかりとボールを回していけば必ずチャンスはくる。ダイレクトプレーなりワンツーパスなり、良い位置でやれるはず。相手も強烈に守りがかたいとも思わないし、回して回していつも通り崩したい」。08年、ACL優勝、クラブW杯3位、そして厳しい日程の中で天皇杯を制した経験から得た自信はダテではない。いつでも自然体。静かで淡々とした語り口ながらも、その自信が伝わってきた。

 06年のドイツW杯では、フィールドプレーヤーの中で唯一試合出場がなかった遠藤。オーストラリア戦では、1-0から3点を返された戦慄の大逆転劇をピッチの外から眺め、悔しい思いもした。この日の練習後に見た両手の10本の指には、マニキュアが塗られていた。8本はブラック、2本はラメ入りのシルバー。その理由を聞くと「これには理由はないです。本当にゲン担ぎでもなんでもないです」。相変わらず心が読めない遠藤だったが、ドイツでの敗戦の悔しさは人一倍あるはず。その無念さを11日の試合で全て晴らすべく、遠藤は静かに闘志を燃やす。

(取材・文 山口雄人)

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