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日本が合宿地を強奪されていた!

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 日本代表が来年の南アフリカW杯(6月11日~7月11日)に向けた第1次キャンプ地として絞り込んでいたスイスの高級リゾート地、クランモンタナがスイス代表に“強奪”されたことが27日、分かった。契約寸前までいっていたが、スイス代表の合宿地に内定してしまったという。28日付のスポーツ報知が報じた。

 日本はW杯直前の5月に約10日間、高地トレーニングをかねて標高1500m付近の当地で合宿を行う予定だったが、日本サッカー協会関係者によると、数カ月後れて情報を得たスイス代表が水面下で交渉し、同地で合宿を行うことを内定させてしまったという。同関係者は「ほぼ決まっていた場所をスイスに持って行かれてしまった」と話している。

 南アフリカのW杯スタジアムは10会場のうち6会場が標高1200mの高地に位置しており、高地対策が必要だった。クランモンタナは南半球で秋へと向かう南アフリカと6月の平均気温15度前後など気候が似ていることなどから、まさに最適な場所だった。スイス代表にとっては自国の土地だけに、交渉を有利に進めて“強奪”したようだ。

 スポーツ報知によると、今月19日に急きょ日本代表スタッフが緊急渡欧し、別の候補地選びに入った。しかし、スイスの標高1500mにある高地の中で、天然芝のサッカー場と高級ホテルを併設する町はクランモンタナくらい。ほかの土地では積雪などの過酷な天候条件のために芝のメンテナンスが困難で、サッカー場は人工芝か、天然芝でも通常のピッチより一回り以上も小さいフットサルコートしかなかったという。

 そのため、突貫工事を行って天然芝の専用練習場を新設する方針を決定。新たに選んだ高地はクランモンタナより標高が高く、積雪のリスクも増加するが、対策を講じるという。建設資金は日本協会側と自治体サイドで調整中だが、そもそも、2週間程度の合宿目的で他国に天然芝のピッチを設立することは日本のみならず、世界のサッカー史上で前代未聞ことだ。なりふりかまわず、目標のW杯4強に向けて準備を進める。

(文 近藤安弘)

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