beacon

セルビア戦メンバー発表、岡田監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加
 日本サッカー協会は29日、4月7日のセルビア戦(長居)に臨む日本代表メンバー20人を発表した。好調の横浜FMからMF山瀬功治、DF栗原勇蔵が復帰したほか、福岡大のFW永井謙佑も1月のイエメン戦以来の招集となった。また、DF徳永悠平(F東京)、MF石川直宏(F東京)、FW矢野貴章(新潟)も復帰した。
以下、岡田武史監督の記者会見要旨

岡田武史監督
「国内でできる2試合のうちの1試合で、メンバー発表前最後の試合ということで、国内組の中心選手プラス、今まであまりチャンスを与えられなかったが、W杯本大会でいろんな状況が考えられる中で、こういう使い方が必要になるかもしれないということを考えて選考した。ACL組は過密日程なので、そういう選手はコンディションを確認して、使う時間等を考えていきたい。向こうも国内組中心だが、体が強く、ハードな試合をすると聞いている。そういう相手に通用するのかどうかをテストしたい」

―永井を招集した理由は?
「(1月の)イエメン戦で呼んだが、フル代表は初めて。今の時点で90分間、FWを張れるかというと、それは難しいが、ラスト10分で彼の抜群のスピードを生かす方法はないか。そういう可能性を感じさせてくれるプレイヤーということで呼んだ」

―W杯本大会でのいろんな状況とは具体的に?
「今まではチーム力を上げるベースアップに取り組んできたが、W杯本大会では我々が主導権を握れる相手は少ない。万が一リードしていて、相手が猛攻に来たときに相手のロングボールを跳ね返すDFの高さ、あるいは前から追い回すことも必要になる。190cmぐらいのDFが守りを固めている相手には外で起点も必要になる。いろんなことを想定して、考えている。それだけかというと、選手に失礼なので、個人別で話すのは勘弁してほしい」

―栗原を久々に招集したが?
「マリノスの監督をやっていてよく知っている。身体能力、ジャンプ力やスピードは日本人離れしたものがあるし、世界でも通用する。キック力もある。ポジショニングの修正や、常にアラートな(気を配り、注意した)状態でいられるかという課題はあったが、最近は改善されている。組織で戦うといっても、最後は跳ね返す個の力で勝たないと話にならない。彼はそういう個の力を持っている」

―セルビア戦はチーム力のアップではなく、切り札のテストをする試合なのか?
「二者選択ではなく、両方をやりながら戦う。チーム力をまったく上げない試合ではないし、テストだけかというと、そんなこともない。ベースのところは上げないといけないし、一方でこの試合でやらないといけないこともある。この試合はテストとは言わないが、W杯予選やアジア杯予選などの公式戦よりはテストの意味合いが強くなる」

―今回呼ばれなかった選手にチャンスはないのか?W杯メンバー23人は固まってきているのか?
「今回呼んでない選手がノーチャンスということはまったくない。ACL組は過密日程で、たくさん呼んで半分しか使わないというわけにもいかない。分かっている選手はいいだろう、分からない選手を呼ぼうと考えた。クラブで試合には出ているが、ケガで万全ではないということで呼んでない選手もいる。ここで呼ぶよりJリーグで見ようと。23人は最後の時点でだれにも話さず、決めようと思っているが、徐々に決まってきている。70%は固まってきている」

―石川に期待することは?
「ワイドに張ったところでプレーできる選手。中で生きる選手と外で生きる選手がいるが、中で生きる選手が多い日本人の中で、外で生きる数少ない選手。特に右サイドで起点をつくってクロスやパンチ力のあるシュートもある。ゴールに絡むことを期待している。コンディションも問題ないと思っている」

―メンバー選考の残り3割の部分は何を基準にする?
「カメルーン、オランダ、デンマークに対しこういう戦いをしないといけないなといろんな組み立てを考えている。我々のベースは変わらないが、さらにいろんな特徴を持った選手のどこを取るか。コンディションもそうだし、プレースタイルの組み合わせも考えていきたい」

―守備は連係に時間もかかると思うが、直前に栗原を呼んだ理由は?
「(栗原)勇蔵も1回キャンプに来ているし、W杯メンバーに選ばれた場合、5月のキャンプに来れば連係も問題ないと思っている。ストッパーのところはいろんな選手をテストしている。栗原のタイミングがここで来たというだけ」

―セルビアは現地でアンティッチ監督が来日しないという報道もあるが?
●原博実技術委員長
「現地の報道は知らないが、こないだ南アフリカのミーティングで会ったときは試合を楽しみにしているという言葉をもらった。情報はまったく入っていないが、国際Aマッチデーではないということで、日本も松井、森本にはレターを出して交渉もしたが、今のチーム状況では難しいということで断られた。セルビアの方もこの時期はCL、ELがあるし、国内組になると思うが、まったくそこらへんのことは聞いていない」

―W杯に帯同させる若手選手は決まっているのか?発表はW杯登録メンバーと同時なのか?
「候補者は何人か挙がっているが、だれを連れていくかは決めていない。同時に発表したいと思っているが、まだ協会と煮詰めていないので、そこは協会の判断に従いたい」

―4月に海外組を視察する予定はあるのか?
「海外組と言っても、試合に出ていない選手もいる。スタッフに行ってもらうか、だれも行かないか、何も決めていない。たくさん試合を見るにはCLのある週がいいかなと思っているが、まったくの未定。セルビア戦を見て、すばらしい国内組のパフォーマンスがあって、海外組もおちおちしてられないぞとなったら行くかもしれないが、そういうことが起きたら決めようと思っている。試合に出ていなければ、練習がどういう感じかの情報は得たいなと思っているし、随時情報が入るように手配している」

―23人枠にGKは3人入れるのか?
「最終メンバーについて今から何か言わない方がいいと思っているが、普通に考えたら3人の方がいい。常識的に考えればGKは3人だと思う」

(取材・文 西山紘平)

TOP