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3年半ぶりの代表戦で初先発、栗原「時間はかかったけど…」

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 一発で3番手のセンターバックの座を射止めるか。DF栗原勇蔵(横浜FM)は5、6日ともに主力組でプレーし、7日のセルビア戦(長居)でA代表初先発を果たすことが確実になった。

 08年4月の日本代表候補合宿には招集されていたが、日本代表となると、A代表デビューを飾ったオシム前監督時代の06年8月9日のトリニダード・トバゴ戦以来、3年半ぶりの招集だった。長く代表から遠ざかり、「今までは代表への執着心もなかったし、自分の中で近いものではなかった」と言う。それでも、徐々に意識は変わっていっていた。

 岡田武史監督にはかつて横浜FMでも指導を受け、当時から身体能力の高さを評価されていた。だが、「ポジショニングの修正や、常にアラートな(気を配り、注意した)状態でいられるかという課題があった」(岡田監督)と、なかなか代表に呼ばれることはなかった。

 「期待されていることは分かっていて、なかなかそれに応えられなくて、時間はかかったけど、またチャンスをもらったので、ここでいいプレーをしてアピールしたい」。岡田監督が指摘した課題については「言われ続けていたから意識はしていたけど、人には得意、不得意があって、今までは不得意なところができなくて。少しずつ意識していって、また呼ばれることができたと思う」と、懸命な意識改革に取り組んできた。

 まだ、完璧ではない。6日の紅白戦でも最終ラインのパス回しでボールを奪われたときにポジショニングの修正が遅れたり、オーバーラップしたあとの切り替えが遅く、岡田監督から「勇蔵!あと、あと!」と厳しい声も飛んだ。

 何よりも攻守の切り替えの早さを求める岡田ジャパンにおいて、センターバックの切り替えが遅れ、ポジショニングを誤れば、致命的。まだまだ改善は必要だが、それ以上に日本人離れしたポテンシャルの高さに期待感がある。

 まずはセルビア戦でどこまで成長した姿を見せられるか。DF中澤佑二、DF田中マルクス闘莉王という不動のセンターバックのバックアップがなかなか定まらない中、DF岩政大樹のいない間に一気に台頭できるか。ここでのアピール成功は、大逆転でのW杯メンバー入りに直結してくる。

<写真>3年半ぶりの代表戦出場が確実なDF栗原勇蔵(左)。右はFW永井謙佑

(取材・文 西山紘平)

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