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ウォルコットを落選させた長友、W杯へ「やられる気はしない」

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 スイス合宿中の日本代表は1日午後、約1時間半の練習を行った。午前中はオフだった10人も参加。全27選手がグラウンドに姿を見せたが、MF大久保嘉人は左太腿に張りがあるため、別メニューで調整した。

 練習では各選手がポジションにつき、マイボールにしてからシュートに持ち込むまでの攻撃の組み立てを確認。右サイドバックの位置にはDF長友佑都の姿があった。

 5月24日の韓国戦で右サイドバックに入ってMFパク・チソンを徹底マークした長友は、同30日のイングランド戦では本職の左サイドバックに戻り、世界トップクラスのスピードを持つMFセオ・ウォルコットを封じ込めた。結局、ウォルコットは前半だけで交代。この日発表されたイングランドの最終登録メンバー23人からも落選した。

 日本の誇る“エースキラー”は4日のコートジボワール戦で再び右サイドバックに入りそうだ。4-3-3を基本布陣とするコートジボワールの左FWはサロモン・カルー。やはり俊足を武器にするウイングを封じるのが岡田武史監督の狙いだろう。

 長友は「ウォルコットは並外れてやばかった。レノンとかジョー・コールもすごかったけど、あのスピードは世界でもトップだと思う」とイングランド戦を振り返る。それでも「止めたいと思っていたし、やっていて楽しかった」と臆することなく渡り合い、結果的にはウォルコットのW杯への夢までも打ち砕いてみせた。

 「先手を取られると、爆発的なスピードがある。そうさせないところでの勝負。間合いでいつもより半歩離れると、いい感じだった。世界がどういうものか、すごく分かった」。世界のスピードを肌で感じ、かつどうすれば対応できるのか。貴重な経験と同時に、代え難い手応えもつかんだ。

 「スピードがあっても、自分の間合いならやられる気はしない。1回目で間合いをつかむことが大事。そのあとは自分の間合いに持っていく。もちろん、常に間合いを取るだけじゃダメだし、詰めるときとのメリハリも大事」。さらなる自信を深めたエースキラー。コートジボワール戦だけでなく、W杯本大会でも、この男が日本の命運を握っている。

(取材・文 西山紘平)

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