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[五輪最終予選]2戦連発の凱旋弾で救世主に、大津「成長を証明できた」

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[11.27 五輪アジア最終予選 日本2-1シリア 国立]

 凱旋試合でチームを救った。U-22日本代表FW大津祐樹(ボルシアMG)が最終予選2戦連発となる決勝点。首位攻防戦を制する3連勝で、C組首位に浮上する立役者となった。

「比嘉からいいボールが来るのは練習から分かっていた。短い合宿だったけど、個々の選手のいいところをつかめていたので。大外の選手に付くのはDF的に難しい。それを利用して逆サイドから入っていくのは自分で決めていた。イメージどおり。そこで結果を出せたのはよかった」

 1-1で迎えた後半41分、DF比嘉祐介の左クロスに逆サイドから飛び込んだ。体を投げ出す豪快なダイビングヘッド。先制しながら後半30分に追い付かれ、ホームで痛恨のドローも頭をよぎった試合終盤に勝負強さを見せ付けた。

「ゴールへの意識はドイツに行ってから変わった部分。あそこに入れば、点を取れる感覚があった」。22日のバーレーン戦(2-0)の先制点に続く2試合連続の決勝点だ。A代表に選出されたMF清武弘嗣、FW原口元気が不在だった今回の連戦。ドイツ移籍後、U-22代表初招集となった大津が、その穴を埋めるどころか、2人に取って代わる存在として一気に存在感を高めた。

「自分は結果を出すことにこだわってきた。今日やって自信になったというより、ドイツに渡って、毎日の練習から戦っている。これぐらいのパフォーマンスができて当然の場所で戦っている」

 今夏に移籍したボルシアMGではリーグ戦1試合、国内杯1試合に途中出場したのみ。それでも普段の練習から高いレベルで競争し、ブンデスリーガで上位争いを繰り広げるチームの中でコンスタントにベンチ入りを果たすまでになった。「この4か月ですごい成長したと思っている。それを証明できてよかった」。大津はそう言って胸を張った。

 ボルシアMGのファーブル監督には「ゴールを取って来い」と笑顔で送り出された。“公約”を守る2戦連発。「監督にもそういう話は入ると思うし、いいことだけど、チームはチーム。チームも調子がいいし、自分よりいい選手がたくさんいる。でも、負けたくないし、それを越えたい。練習から戦っていきたい」。結果に満足することなく、視線はすでに海を越えていた。

 7月23日、国立競技場で行われた柏対鹿島戦。試合後に行われたセレモニーで、3年半を過ごした柏のサポーターに別れを告げた。FW北嶋秀朗から花束を贈られ、チームメイトから胴上げも受けた。あれから4か月。「ここで挨拶できたことは大切な思い出だし、絶対に結果を残してやろうと思っていた」という国立での凱旋弾。「感謝の気持ちは、次のチームで結果を残すことで応えたい」という“約束”は、まだ始まったばかりだ。

(取材・文 西山紘平)

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