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愛媛の石丸新監督が会見「戦っている姿を見てもらいたい」

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 愛媛FCは10日、来季の監督に石丸清隆現ユース監督が就任することを発表した。イヨテツボウリングセンター1F会議室で行われた石丸監督就任記者会見でのコメントが公開された。

 以下、クラブ発表の会見コメント

亀井文雄社長
「本日はお忙しい中お集まり頂き、ありがとうございます。2012シーズンはお世話になりました。結果として今シーズンは不本意な結果で、バルバリッチ監督の解任という形で終わってしまいました。その中で、本日は新年度の監督就任会見にお集まり頂きましたが、石丸君に2013年シーズンの監督をやって頂くことが決定いたしました。ご存知の通り2005年のJFL時代には、J2への昇格争いが非常に混沌としている中で、京都から当時は石丸選手として愛媛に来てくれて、昇格の一役を担ってくれました。石丸君が来てくれてJFLで優勝し、J2に昇格したということが歴史としても残っております。と同時に、2006年の昇格後にはコーチも経験し、そして3年間ユースの監督もやってもらいました。引退した後もS級ライセンスが必要とされる中、コーチやアカデミーの監督をやりながら資格の勉強をし、我々も当初から期待をして勉強をしてもらっていました。そういう考えでしたので、タイミングとして早かった、遅かったというところはあるかもしれませんが、いろんな経験を積んできて、ここでトップチームの監督として十分やってくれると考えました。ユースからトップにステージは変わりますが、ユースでの実績もありますし、クラブとしては計画通り石丸君に監督になってもらったという気持ちもあります。そういったところを含めて、2013年度からトップチームの監督を任せることになりましたので、ご協力をよろしくお願いいたします」

石丸清隆監督:
「こんにちは。この度、愛媛FCの監督に就任することになりました石丸清隆です。先ほど社長から紹介がありましたとおり、2005年の10月から選手として愛媛にやってきて、さらに現役引退後は2007年から指導者として育ててもらいました。これもひとえに地元の皆様、サポーターの皆様のおかげだと感謝しています。来季からトップチームの監督をすることになりますが、経験が浅いとか、年が若いといわれることもあるかと思いますが、逆にその点を強みにして、選手と汗をかける監督としてチームを引っ張りたいと思います。さらに、このチームに1つでも多くの勝利をもたらすことが、皆様への恩返しになると思いますので全力で挑みたいと思います。よろしくお願いいたします」

Q:契約期間は?
亀井社長:基本的には複数年契約になりますが、当然1年1年の実績や結果を見ながらということになります。1年契約というわけではありません。

Q:前監督から引き継ぐところ、改革していきたいところなどビジョンがあれば教えてください。
石丸監督:僕が言える立場ではないかもしれませんが、守備の構築に関しては大変いいところがたくさんあると思いますので、それは引き継ぎたいと思います。また、改善するところがあるとすればボールの動かし方、フィニッシュのアイデアのところを改善できればと思います。

Q:社長とGMにうかがいます。先日アクションプラン(今後3年でJ1を目指す)が発表されましたが、その流れの中で、このタイミングで石丸監督が就任することになった狙いはどういったところにあるのか?
亀井社長:1つはバルバリッチ前監督の契約の部分があり、成績の部分も当然ありました。バルバリッチ前監督だけに限ったことではありませんが、我々がJ2の丸7年間で愛媛FCという会社として、クラブチームとしての計画がなかなか我々の考えているとおり進められていないというところが正直ありました。それは皆さんが見て頂いてもお分かりかと思います。目標としてJ1というところはありましたが、はっきり打ち出せない状態が続いていました。アクションプランではそれをさらに見直し、この3年間で何とか形にしたいというところがあります。私見として、会社としての考えでもありますが、再度見直すべき時期に来ているのではないかという意味で3年計画を出しました。その中で石丸監督はユースの選手を育て、そういう選手たちがトップチームにも徐々に上がってきています。育ててトップに上げたいということも含めた愛媛FCのチーム作りもしたいですし、その中でJ1を目指すというところは私自身も節目であるかな、と思っています。やはり石丸監督が経験を積んでくれたことで、これから新たに1つ上のステージでの経験は石丸監督にとってもプラスになると思いますし、我々にとっても新しいチャレンジだと考えています。それらも含め、クラブとしての動きは来年、再来年、その先と実績を作っていかないといけません。そのアクションをするための旗揚げをしたと思っています。課題はチームとしては戦績になるし、クラブとしては環境の整備になると思います。スタジアムやトレーニング場、寮もしかりです。そういうことに1つずつチャレンジをして作っていかないといけないと思いますし、我々自身に対する発奮材料としても3年の計画を立てました。その中での第一歩として、トップチームの新たな姿として石丸監督の就任をお願いしたというところです。

佐伯真道GM:補足になりますが、バルバリッチさんはいい物を残してくれて、戦う気持ちを植え付け、負け癖がついてしまったチームに喝をいれてくれました。その上で3ヵ年の中での計画を共有できる人でないと共同作業はできないと思い、意思疎通も含めて会社のことをわかっている人で、S級ライセンスを持った人ということで、満を持して就任して頂くことになりました。一番は、やはり共同作業ができるというところで、それが一番大事だと考えました。

Q:ユースの現場を知っている石丸監督としてのチーム作りの考え方を教えてください。
石丸監督:まず、オファーをもらうに当たって悩んだことは事実です。というのは、チームの未来を担う原動力というのは選手を育てることだと思っていて、選手を育てることにもやりがいを感じていたのでこのオファーには悩みました。ただ、僕がトップチームの監督をすることでアカデミーとの連携を図ることができます。今までになかったものを作りたいと思いました。ユースの子どもたちも戦力として考えたいし、常に連携を取りながらチーム全体を見ていきたいと思います。

Q:石丸監督として、これから見せたいサッカーは?
石丸監督:ボールを大切にしながら、言葉にするならパスサッカーになると思いますが、根底には運動量、戦う気持ちや全力を尽くすことが大前提になります。そうでないとサッカーは出来ませんし、去年の課題としては走れることを要求していきたいと思います。

Q:来季に向けて準備していることは?
石丸監督:昨日までユースの子どもたちを見ていたので、準備はこれからになります。今年のゲームに関しては時間があれば見ています。準備としては今はそのくらいです。

Q:石丸監督を評価しているところ、来季に求めているところは?
佐伯GM:2005年に京都から来てもらった時も、色々な話をしました。人間的にもしっかりしているし、愛媛FCのカラーに合うのでは、というところが1つあります。また、もともとボランチの選手でしたので、視野が広く論理的に物事をとらえることができると思っています。問題点を順序だてて解決する力があり、前監督の情熱に加えてひとつ選手に考えさせたり、サッカーに対して違う角度でアプローチをしてくれると思います。カラーを変えて、もう一度サッカーに向き合ってもらえると思います。基本的にはベースをしっかり、走ることや気持ちの部分はありますが、去年はそこが上手くいかないところがありました。そのベースをしっかりした上でサッカー観、戦術眼を出してもらってアグレッシブにやってもらえればと思います。

Q:トップチームで初監督というところで、意気込みを。また、Jリーグの中で理想としているようなチームがあれば教えてください。
石丸監督:正直言うと、まだトップチームの監督になったという実感はあまりありません。それが率直な気持ちですが、ただ、大きな責任があると思いますので全力でやるつもりです。今年のJリーグはユースのこともあってあまり見ていませんが、S級ライセンスの同期が監督をやっていて、そのチームは見たりします。そういう方もライバルになると思いますし、刺激にしたいと思います。

Q:その話の続きになりますが、ライバルとなるJ2のクラブや、監督で刺激になる人というのは?
石丸監督:特に意識しているというのはありませんが、どの試合も全力で戦うつもりです。新しい監督としては、秋葉はS級ライセンスの同期なので向こうも意識するのではないでしょうか。

Q:石丸監督が選手時代から、今も現役の選手がいますが、選手たちとはどういう距離間で接したいですか?
石丸監督:特に距離を置くとか縮めるとか、意識はしないつもりです。要求するべきことは要求するし、向こうの意見も自然に聞きたいと思います。

Q:ご自身を客観的に分析して、どういう監督だと思いますか?
石丸監督:いい意味でも悪い意味でも、クールかなという気がします。あと、言い方は悪いかもしれませんが守備をするのは好きじゃありません。サッカー選手としては、ボールを持っている時間を大切にしたいと思います。

Q:目標とする順位や数字があれば教えてください。
石丸監督:本当に負けていい試合はないと思いますし、1戦1戦全力で戦いたいと思います。それに尽きます。具体的な目標としては、今はまだチームの体制が整っていないので、決まり次第考えたいと思います。

Q:サポーターの皆さんに、改めてメッセージを。
石丸監督:選手の能力を向上させること、それから躍動感のあるサッカーを目指したいと思います。それには日々のトレーニングを大切にして、戦っている姿を見てもらって、サポーターの皆さんにも一緒に戦ってもらえれば嬉しいです。


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