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開幕2試合でPK1得点…浦和MF伊藤敦樹の自戒「まだ始まったばかり。変に崩れたくない」

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MF伊藤敦樹

[3.3 J1第2節 浦和 1-1 東京V 埼玉]

 ゴールが遠い。いや、その前にチャンスメーク数が少ない。広島との開幕戦に続いて4-3-3のインサイドハーフで先発出場した浦和レッズMF伊藤敦樹は、ショルツのPKでかろうじて1-1の引き分けに持ち込んだ東京V戦を終え、「相手がしっかり自分たちを分析していた。ある程度ボールを持たせてくれたけどそこから崩しきれなかった」と渋い表情を隠さなかった。

 マンツーマンDFで挑んできた広島戦と異なり、東京VはコンパクトなゾーンDF。相手の守備システムは違っていたが、浦和が攻撃の狙いを封じられたのは同じだった。

 攻めあぐねる中で伊藤は「相手もコンパクトに守ってきていた中で、外回しだけでは相手の思うつぼ。どこかでチャレンジするボールを入れないとなかなか崩れない」と感じていたというが、前半はパスを引き出す動きを繰り出すには至らなかった。

 ハーフタイムにペア・マティアス・ヘグモ監督から「インサイドハーフが裏抜けする動きが足りない」と指摘を受けてハッキリ気づいたというが、前線への飛び出しは伊藤が元々得意としていたプレーだ。その動きが出てこないのはなぜか。伊藤は「キャンプの時はコンビネーションがうまくできていたが、広島戦で少し自信をなくしてしまったところがある」と言いつつ、「自分も走っていなかったけど、(パスが)出る感覚もなかった。もう少し走っても良かったかな」と自戒した。

 これで開幕節から2試合で勝ち点1。得点もわずか1で、その1点はショルツのPKによるものだ。

「今季は攻撃的にいこうという中で2試合でPKの1点のみ。みんなの期待を裏切る形になっている」と伊藤は申し訳なさそうに言う。とはいえまだ開幕してから2試合。「ここで雰囲気が悪くなってしまうのは良くない。まだ始まったばかり。監督が言っているように裏に抜ける回数を増やさないといけない。自分たちがやってきたことを信じてやり続けて、結果がついてくれば良い方向に行くと思う。変に崩れたくない」。今は“やり続けること”が大切な時期と捉えている。

 この日の観衆は5万863人。ホーム開幕戦での5万人超えは、名古屋グランパスと戦った2013年3月9日の5万2293人以来11年ぶりで、バックスタンドには「GRAB THE TOP」と圧巻のコレオグラフィーが浮かび上がった。「今年のチームに対する期待感のあらわれだと思う。結果で応えていきたい。勝ち続けてずっと良い位置にいれば毎試合これくらい来てくれると思う。そこは裏切りたくない」。強い気持ちを言葉に乗せた。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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