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久保建英とマッチアップした東洋大4年生…東京V新井悠太「リスペクトはいったん置いて対峙した」

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MF新井悠太とMF久保建英

[5.29 国際親善試合 ソシエダ 2-0 東京V 国立]

 花試合の主役であるMF久保建英に対し、現役大学生が熱いマッチアップを繰り広げた。東京ヴェルディMF新井悠太(=前橋育英高出身)は東洋大4年時在学中の特別指定選手。ソシエダとの国際親善試合では左ウイングバックで起用され、特には粘り強い守備、特にはスピード溢れる突破で見せ場を作っていた。

 対戦相手を意識しないはずはなかった。「知らない人はいないんじゃないかというくらいの有名な選手で、リスペクトする部分は多くあるけど、そこはいったん置いといて、本当に目の前の相手に負けない気持ちを持って対峙した」。序盤からマンツーマンでプレスをかける勇敢な戦術を採用する中、「最初は強く当たって、ボールを取れるか取れないかはわからないけど、距離感を掴めればと思って試合に入った」と強気で挑んだ。

 やや間合いが遠い場面も見られたが、そこに久保の凄みがあった。「タッチが細かかったり、なかなか踏み込めないシーンがあった。ポジショニングも細かい技術も高いと感じた。状況が悪い時は間合いを掴みながらという感じではあったけど、上下に揺さぶられてなかなか足を出せなかった」。他の選手のポジショニングの良さにも苦しめられていた。

「入りの部分では逆サイドに展開されたあと、そこからこちらのサイドに展開されて、枚数が足りない状況で、1対2の状況を作られた部分があった。そういったところで声を掛け合いながらとか、自分が動かして、後ろの声も聞きながら、連係面でもっと改善できる部分があったと思う」

 前半33分にはMF山本丈偉のパスカットからカウンター攻撃を仕掛け、FW永井颯太との連係から惜しいカットインシュートを披露したが、大きく枠外へ。「決め切っていたら流れが変わったと思うし、この大きな舞台でちょっと注目されるような形になれたと思う。ただそこで決め切れないのが課題」。着実にインパクトを与えはしたが、約60分間のプレータイムで結果につなげる働きはできなかった。

 ただ、欧州CL出場クラブとの対峙は貴重なひと時となった。この日は会場にブラスバンドの音楽が流れ続ける異様な雰囲気の中で試合が行われたが、「疲れてしんどい時間が結構あったけど、ちょっと音楽を聴いて楽しめた部分もあった。最近の歌もバンバン流れていたので、『あっ、知ってんな』と思って」と余裕も見せた21歳。この一戦を経て「貴重な経験であることは間違いないし、これを経験で終わらせず、成長していくための糧にできればと思う」とさらなる飛躍を誓っていた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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