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【特集】09年J1ニューフェイスの決意(第15回、名古屋・平木良樹)

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 名古屋グランパスに入団した大学ナンバー1司令塔のMF平木良樹(22=流通経済大)は、25日の新加入会見で堂々と言った。「僕が左足でボールを持ったときには注目してほしい」。昨季限りで現役を引退した元日本代表MF名波浩が95年の入団会見で口にした「自分の左足の下にボールがあるときは注目してほしい」という言葉を彷彿とさせる宣言。左足と言えば平木。次は自分がレフティーの代名詞になるとの誓いが込められていた。

 名古屋以外にも新潟や清水などが獲得に乗り出していた逸材だが、昨年はケガとの闘いだった。全日本大学選抜の「10番」として出場した昨年3月23日のデンソー杯で左足前十字靭帯を断裂。実戦復帰は関東大学リーグも終盤になった11月までずれ込んだ。「ケガをしていた時間に、誘っていただいたクラブの環境や試合を見させてもらった。その中でグランパスの試合を見た際、自分がこの中でプレーするとしたらどうするだろうかと想像したときに、このチームでプレーしたいと思い始めた」。華麗なパスサッカーでリーグ3位と躍進した名古屋。「小さいときからテレビで見て、あこがれていた」というストイコビッチ監督の魅力に惹かれたのも確かだろう。

 大学4年時はほとんどプレーできなかったにもかかわらず、各Jクラブの争奪戦になったことからも、そのポテンシャルの高さは分かる。左足の正確なキックと非凡なゲームメイクが持ち味だが、流通経済大柏高時代は左サイドバックを務めるなどポジションのユーティリティーさも兼ね備える。「大学では主に左サイドハーフでプレーしましたが、僕はできるだけ多くボールに触れていたいタイプなので、可能なら真ん中でプレーしたいと思います」という言葉も自信の表れ。ルーキーながらチームの司令塔にも名乗りを上げた。

 今季、初のACLに挑戦する名古屋はFWダヴィ、DF田中隼磨と他のJクラブからも積極的に即戦力を補強したが、平木もそこに肩を並べられるだけの実力を持っている。「グランパスの試合を見たとき、日本代表でもプレーしている玉田選手の動きを見て、自分だったらどうパスを出すかなどを考えていた」。新たなレフティーホットラインの構築にも意欲を見せた平木の左足がどんな魔法を魅せるのか。日本の未来を背負う希代のレフティーが名古屋で、アジアで輝きを放つ。


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