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【特集】09年J1ニューフェイスの決意(第18回、G大阪チョ・ジェジン)

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 本気度の表れだ。昨季のアジア王者・ガンバ大阪が、いまだどのクラブも成し遂げたことのないリーグ&ACLのダブルタイトル獲得へ、かつてない大型補強に打って出た。層の薄かったFW、DFを中心にビッグネームを次々と獲得。ターンオーバーも可能な2チーム分の戦力を整えた。他のクラブの追随を許さない圧倒的な選手層。その代表格となるのが、2シーズンぶりのJ復帰を果たした韓国代表FWチョ・ジェジン(27)だ。

 04~07年の4シーズンにわたって清水でプレー。J1通算101試合出場45得点の実績は本物だ。06、07年は2シーズン連続で2ケタ得点をマーク(06年16得点、07年13得点)。185cmの長身を生かしたポストプレー、ヘディングの強さが最大の持ち味だが、両足のキックも正確かつ強烈で、オールラウンドな能力を持つ。韓国代表にも年代別代表から名を連ね、04年のアテネ五輪にも出場。03年からA代表にも選出されており、06年のW杯ドイツ大会ではグループリーグ全3試合に先発した。

 DF山口智、DF中澤聡太が不動の地位を築くセンターバックには日本代表DF高木和道、DFパク・ドンヒョクを補強。FWルーカス、FW山崎雅人、FW播戸竜二のアタッカー陣にはチョのほか、神戸からFWレアンドロも加わった。誰が先発するのか、まったく予想もつかないほどの豪華な顔ぶれ。西野朗監督が「スタートの11人を選ぶのが究極の選択だと思う」と、うれしい悲鳴を上げるのも当然だろう。

 チョにしても、ポジションが約束されているわけではない。寡黙なストライカーは1月29日の新体制・新加入会見で「どんなプレーを見せるかということよりも、監督のスタイルを早く把握して、他の選手のことを理解し、チームがひとつになるというところに自分も加わらなければいけない。それが今、一番大切なことだと思ってる」と謙虚に語った。まずはポジション争いを勝ち抜くこと。そうした競争がチーム力をさらに高めることにもなる。「努力は惜しまない。優勝を目指して頑張りたい」。“韓国の虎”はそう力強く誓った。

 いまだJクラブでターンオーバー制を確立させたチームはない。リーグか、ACLか。シーズン終盤には必ずどちらに絞るのかという選択を突きつけられてきた。Jの歴史を塗り替えることができるのか。G大阪が史上初のリーグ&ACLの2冠を達成したとき、かつてない最強軍団が誕生したことになる。

=この項終わり=

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