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岸野イズム注入へ、「日本一走れる熱いチームに」

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 横浜FCが16日、横浜市内で新体制発表記者会見を行った。昨季まで鳥栖を率いていた岸野靖之新監督をはじめ、ビザ取得のため不在のFWサーレス(←仙台)を除く新加入選手11人も登場。今季のチームスローガンがストレートに「昇格」であることが発表されると、会場に集まったサポーターからはどよめきも起きた。

 小野寺裕司社長の「就任1年目で昇格というのは簡単にできることではないのは分かっている。しかし、クラブ全員がなんとしてもJ1に復帰したいという強い決意でいる」という挨拶のあとに紹介された岸野監督は「この世界は結果がすべて。結果を出すためにプロの仕事をする。心から汗をかいて、最高の結果を出して、最後にみんなと笑いたい」と決意表明した。

 岸野イズムを注入する。昨季、鳥栖を指揮して横浜FCに3戦全勝(1-0、3-0、2-1)を飾った指揮官は「正直、怖さはなかった。得点力が低かったので、先制すれば必ず勝てるという印象だった」と指摘。サポーターの前での大胆な告白に「すみません。去年の話です」と苦笑いした上で「もっとできるんじゃないか。力を出し切れていない感じにも見えた」と、チーム強化に自信を見せた。

 「日本で一番きつい練習をして、一番走れるチームにして、一番熱い選手とスタッフの集まりにしたい」。ベンチ前の派手で感情的なアクションで熱血漢としても有名な岸野監督。就任にあたってコーチングスタッフ2人(中村敦コーチ、芝田貴臣フィジカルコーチ)、選手4人(MF高地系治、DF渡邉将基、MF武岡優斗、DF柳沢将之)を引き抜いた。

 「だれが見ても鳥栖から来た選手が多いのは事実」と認めた岸野監督は「自分のことを分かってくれていて、自分も分かっている選手。そこの精度を高めていくことが横浜FCに合っているのかなと思った」と強調。能力も特徴も把握し、自分のやりたいサッカーを理解している選手を組み込むことで即効性のある改革を敢行するつもりだ。

 岸野監督の特徴を聞かれた新加入選手は口をそろえて「熱い人です」と笑った。柳沢は「何事にも本気で取り組む人。一生懸命さが伝わってきて、僕らも頑張らないと、と思わせてくれる」とも。中村コーチが「僕も選手に負けないぐらい走ります」と宣言すれば、芝田フィジカルコーチも「日本一走れる、戦えるチームにしたい」と力を込めた。

 チームは同じ方向を向いている。07年以来、4シーズンぶりのJ1復帰を目指し、日本一熱い男が率いる新生・横浜FCが走り出した。

<写真>前列左から武岡優斗、橋村祐太、関憲太郎、岸野靖之監督、柳沢将之、寺田紳一、久木野聡。後列左から高地系治、シルビーニョ、金裕晋、渡邉将基、シュナイダー潤之介

(取材・文 西山紘平)

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