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21試合ぶり先発の32歳北嶋が315日ぶりゴール、柏が独走態勢に

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[9.19 J2第26節 千葉2-3柏 フクアリ]

 32歳のベテランFWが最前線からチームを引っ張った。死闘となった千葉ダービーは10人の柏レイソルが3-2で逃げ切り勝ち。FW北嶋秀朗の今季初ゴールがチームを勢い付けた。

 1-1で迎えた前半33分、左サイドからDF橋本和がニアサイドに早いクロス。ゴール前に走り込んだ北嶋が右足アウトサイドで合わせ、勝ち越しゴールを奪った。

 「(橋本)和がフリーでセンタリングを上げれば、いいボールが来るのは分かっていた。DFとの駆け引きで、DFが俺を向く瞬間を待って、その瞬間にニアに入り込んだ。あのゴールはいつも狙っている」。昨年11月8日の清水戦(5-0)以来、315日ぶりとなるゴールが、千葉に傾きかけた流れを引き戻した。

 前節の富山戦、1-1の後半開始から出場し、試合のリズムを一変させた。後半45分には劇的な決勝点をアシスト。ネルシーニョ監督は「J2と並行して練習試合もやっているが、北嶋はずっとハイパフォーマンスを見せていたことでポジションをつかんだ」と、最近の好調ぶりを評価し、3月28日の東京V戦以来、21試合ぶりの先発に抜擢した。

 「監督がチャンスをくれたのではなく、自分がつくったチャンス。自分でこの場所を得ることができたと思っている。受け身でいいことがいつか起こるのを待つのではなく、自分がいいことを起こす。そういう風に考えるようになってから前に進めるようになった」。北嶋はそう言って胸を張った。

 絶対にゴールを決める。断固たる決意で試合に臨んでいた。「プロとして14年やってきて、絶対にゴールしなきゃいけない試合というのがある。今日はそういう試合のひとつだった。自分の存在を示さなきゃいけない試合。そこで示すから、長くプロでできる。今日が自分の存在を示す日だった」。自分を追い詰め、貪欲にゴールを狙い、その結果、奪った今季初ゴール。「持ってるなと思います」と満面の笑みを見せた。

 2-1の後半28分にはMF栗澤僚一が2枚目の警告で退場処分を受けた。それでも同36分に3点目を奪ってリードを広げ、直後に1点を返されたものの、6分間のロスタイムを含めた最後の千葉の猛攻にも耐え抜いた。

 「ひとり退場した中で突き放して、最後はまさに『死守した』という感じだった。この勝利は本当に大きい」。3連勝で2位甲府との勝ち点差は8に広がった。昇格圏という意味では、4位千葉とは勝ち点16差ある。圧倒的な強さで首位を独走する柏の前に、1年でのJ1復帰をさえぎるものはない。

<写真>柏FW北嶋
(取材・文 西山紘平)

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