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[全日本ユース(U-15)選手権]埼玉決戦制した浦和ジュニアユースが8年ぶりV!!

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[12.28 高円宮杯第25回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会 浦和ジュニアユース 2-1大宮ジュニアユース J-GREEN堺]

 中学年代の日本一を決める高円宮杯第25回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会の決勝が28日、大阪・J-GREEN堺で行われ、浦和レッズジュニアユース(関東1)と大宮アルディージャジュニアユース(関東4)の埼玉勢同士が対戦。2-1で浦和が勝利し、日本一に輝いた。

「15歳までに身につけないといけないサッカーの原理原則をしっかりトレーニングしてきた。今日はそれが出せて良かった」と大橋浩司監督が評したように、浦和は立ち上がりから指揮官が重視する、“ボールを奪いに行く”、“ゴールを奪いに行く”強い意欲を発揮。特に守備面では、「相手は技術面で凄く上手なので、相手より走って高い位置からプレスをかけにいこうと思っていた」とFW萩原大智が語ったように、MF山田陸を中心にボールを回す大宮のポゼッションサッカーに対し、ブロックを組みながら、前線から果敢に奪いに行くことで相手にリズムを作らせずに主導権を握っていく。

 浦和は攻撃ではMF川上エドオジョン智慧、渡辺陽の両サイドを起点に仕掛け、空いた中央のスペースをMF轡田登らが突いてチャンスを作ると、前半13分に右サイドを上がったDF河内渉真がクロスを入れる。そしてゴール前での混戦から連続シュートを狙い、相手DFの弾いたこぼれ球を渡辺がシュート。これは大宮GK加治屋歩夢にブロックされたが、「こぼれて来るのを狙っていたので、詰めるだけでした」という萩原がしっかり押し込み、浦和が先制に成功した。

 浦和は続く19分にも大宮のパスミスを自陣で奪うと、素早く右サイドへ展開。川上のタメから、河内が上げたクロスをフリーの轡田が頭で合わせたが、枠を捉えることが出来ず。その後も好機を作るものの、追加点が奪えない苦しい時間帯が続き、「引こうと思ったわけではないけど、相手の勢いに飲まれてしまった」(大橋監督)と少しずつ相手にボールを持たれる時間が増えた。だが、ベンチの選手を含めた積極的な声出しで、チームを引き締め、すぐに立て直しに成功する。

「押されたまま前半を終えるのではなく、カウンターで攻撃の時間を取り戻せたのが良かった」(大橋監督)と上り調子で前半を終えた浦和は、後半11分には相手DFのクリアボールをMF浅賀祐太がヘディングで前線に返し、これに渡辺が反応。フリーで中央に切れ込んだ渡辺の豪快に振り抜いた一発がネットを揺らし、反撃に出たい大宮を突き放した。大宮は山田のスルーパスからFW小柏剛が抜け出すなどチャンスをつくり、17分にはFW山本剛嗣が1点を返す。だが浦和はDF橋岡大樹らを中心とした守備陣が相手の反撃に対して冷静に対応し、逃げ切りに成功。05年以来、8年ぶり2度目の日本一を掴んだ。

 試合後、「今までレッズに入って3年間、目標にしていた日本一が獲れて嬉しい」(河内)という念願のタイトルを手にした喜びを爆発させる選手たちを遠目から眺めていた大橋監督は、記者陣に輪に加わる事を促されたが、「あんまり関わりたくない(笑)。僕の出番は終わりました」と苦笑い。出てくる言葉も、「インターナショナルな世界に出ていくための通過点」、「日本一になったからといって、チャレンジを止めてはいけない。ここからが本当の勝負」と淡々としたモノが目立ったが、日本一を置き土産に次のステージに進む選手たちに目を細めながら「彼たちはトレーニングを一年間、信頼してやってくれた。ここからどれだけ羽ばたいてくれるか楽しみ」と期待していた。

(取材・文 森田将義)

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