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「ゆっくり体を休めたい」 澤穂希に達成感、現役引退に迷いなし

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 16日午後、日本女子サッカー界を牽引してきたMF澤穂希は所属事務所を通じて今季限りで現役生活にピリオドを打つことを発表した。代表引退ではなく、なぜ、いきなり現役引退だったのか。電撃発表から一夜明けた17日、澤は自らの言葉で「現役引退」を語った。

「いろいろ、去年から自問自答を繰り返してきた。W杯を終えた瞬間に悔いなくやり抜いたなと思った。その時くらいから今年いっぱいかなと思った。去年、1年代表から外れたときにいろいろ考えた。心と体が一致するのが難しいのかなと思った」

 長年、なでしこジャパンの顔として活躍してきた澤だが、13年ごろから故障の影響でメンバーから外れることが多くなった。若手の台頭を促したこともあり、昨年はほぼ代表活動には帯同せず、今年6月にW杯を戦ったなでしこジャパンへの招集は、1年ぶりのことだった。

 引退決断の一番の理由として、「心と体が一致するのが難しい」ことを挙げた澤。今回の発表についても、「自分の体もしんどいし、心のモチベーションを持つのも大変。みなさんの想像以上、簡単なことではない」と迷いがなかったことを強調する。「やりきった、悔いのないサッカー人生だった。自分のサッカー人生に納得が出来ました。ゆっくり体を休めたいなと思います」。

 なでしこジャパンでは最多となる205試合出場83得点、国内リーグでは319試合に出場して、150得点を記録。2012年にはバロンドールを獲得するなど、なでしこジャパンを世界レベルに引き上げた。「現役復帰の可能性?それはないと思います。悔いなくやりきったサッカー人生なので」。走り抜けてきたこれまでのサッカー人生。達成感を語る日本女子サッカー界のレジェンドは、一旦の休息を必要としている。

(取材・文 児玉幸洋)

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