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[高校総体]C大阪・藤本の実弟・大津DF藤本大「選手権でリベンジ」(市立船橋vs大津)

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[8.3 平成20年度全国高校総体サッカー競技準決勝 市立船橋 2-2(PK4-3) 大津 駒場]

 無念のPK戦敗退にも大津(熊本)のDF藤本大主将(3年)、平岡和徳監督は試合後、清清しい表情を見せていた。7年連続12回目の出場で同校初のベスト4進出。藤本主将は「ここまで来れたし楽しく出来た。ベスト4は大津にとって初。大津の歴史の1ページを作ることができた」と胸を張った。敗れたものの、熊本県勢としても85年度優勝の九州学院以来、史上2回目の全国総体4強という快挙を達成したからだ。
 試合は前半17分に右CB森秀太(3年)の右クロスをファーサイドのMF谷口彰悟(2年)が落とし、そのボールに飛び込んだFW黒木一輝(3年)のゴールで先制。前半終了間際にカウンターから失点したものの、後半21分に再び黒木がゴールを破り、リードを奪った。だが、「優勢に試合を進めていたけど守りに入ってしまった」と藤本主将が悔やんだように、決勝進出を意識したチームは攻撃の手を緩めた試合終了6分前にセットプレーから失点。全国総体優勝5回など高校年代屈指の実績を誇る名門校に対して、全国大会準決勝を初めて戦う九州の雄には勝ち切るだけの経験がまだなかった。そしてPK戦でふたりが外し、惜敗。だが平岡監督は「選手はチャレンジを繰り返してくれた。ゲーム自体は満足している。攻撃の精度をもっと上げないといけないが、これで新しいスタートを切ることができる。選手もそのつもりだと思います」と今冬の全国高校選手権へ向けて切り替えていた。
 チームは満身創痍の戦いだった。10番のMF西田直斗(3年)はひざの負傷に加え、前日試合後に救急車で病院へ運ばれるほどの体調不良に陥っていた。そして守備の柱・藤本主将も左ひじの脱臼から復帰して間もなかった。それでもJリーグ、C大阪のDF藤本康太(22)の実弟である藤本主将がJクラブが注目する実力を空中戦、1対1で発揮するなど、守備陣は5試合で4失点の堅守で勝利をもたらした。2度のPK戦勝利と準々決勝(対大阪桐蔭)での逆転勝ちとチームはギリギリの戦いをものにし、自信を増し成長も遂げた。この夏の戦いに悔いはない。藤本主将は「みんな春から人間的にもすごく成長してきていると思う。選手権でリベンジですね」。力を出し尽くした九州の雄は選手権で日本一獲得に再び挑む。
 
<写真>大津初の4強進出に大きく貢献したDF藤本主将
(取材・文 吉田太郎)

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