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[Jユースカップ]山嵜決勝弾で柏U-18が3年連続8強へ(柏U-18vs大宮ユース)

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[12.12 Jユースカップ2回戦 柏U-18 2-1 大宮ユース 柏]

 2009Jユースカップ第17回Jユース選手権大会は12日、決勝トーナメント2回戦2試合を行った。千葉県柏市の日立柏サッカー場では07年準優勝の柏レイソルU-18と同3位の大宮アルディージャユースが対戦。柏U-18がFW山嵜駿の決勝ゴールにより2-1で勝ち、3年連続のベスト8進出を果たした。

 ともに3年生の先発が4人だけという両チームの戦いを制したのは柏だった。今夏の日本クラブユース選手権では2勝しながらもグループリーグで敗退。清川浩行監督は「自分達のペースにならないと慌ててしまっていた」と当時を振り返るがこの日は、1点リードの試合終盤にミスや相手の厳しい守備にボールを前に運ぶことができず呼吸のできないような時間帯もあったが、準々決勝への切符は離さなかった。指揮官はメンタルの部分の成長を指摘。先制ゴールを含む全2得点に絡んだU-18日本代表MF茨田陽生は「以前は自分で何とかしようという選手がいなかった。それが出てきたことでプラスの方向を向いている」と分析していた。

 日本クラブユース選手権で決勝進出し、6選手がトップチームへ昇格した昨年のチームのような驚異的なポゼッションはなかった。それでも柏は右サイドから中央に入りながらゲームコントロールする茨田と逆サイドのドリブラー、熊谷達也による両ワイドと1トップを務める山嵜らが、常に最終ラインの裏のスペースを狙いながら大宮を攻め立てた。試合開始直後の2分には熊谷の強烈な左足シュートがクロスバーを直撃。そして20分にはテンポのいいパス回しで相手DFの的を外すと、突如右サイドからPA中央へ斜めに走りこんだ茨田へ左SB橋本健太からのパスがピンポイントで入る。その左足シュートは相手DFに当たったが、これがGKの頭上を越えるラッキーな先制ゴール。柏が幸先よくリードを奪った。

 ただ、ほぼチャンスらしいチャンスをつくれていなかった大宮も相手の隙を逃さない。30分、敵陣でボールをカットすると、MF飯野峻地のスルーパスからFW清水道浩が左足でゴールを破り、あっさりと同点に追いついた。ただ前半はこの後スコアが動かず。大宮は攻撃がやや単調で、前半終了間際にMF石川俊輝が放ったループシュートも枠を捉えなかった。一方、ボールに動きを加えられず攻撃が停滞した柏は、茨田やボランチのMF相馬大士の思い切った仕掛けでセットプレーのチャンスは得るが、決定的なシュートにまで持ち込むことができなかった。

 ただ、柏は後半開始から右サイドにMF仲間隼斗を投入し、茨田を本来のボランチへ戻したことで中盤が活性化し息を吹き返す。そして8分、茨田が左サイドから中央へと飛び込んできた熊谷を見逃さずにループパス。熊谷が落としたボールに反応した山嵜が左足で決勝ゴールを決めた。その後MF橋本拓門主将と茨田を中心に攻撃を展開した柏は熊谷らの個人技を絡めサイドを攻略。山嵜や途中出場のMF禹相皓のシュートがゴールマウスに嫌われる不運はあったが、CB上之薗泰斗を中心に安定した守備陣が同点ゴールを許さなかった。
 大宮は終盤、最終ラインから中盤へと移動した木村圭佑や清水のミドルシュート、U-17日本代表MF宮崎泰右のドリブル突破などで何とかゴールを奪おうとしたが堅い柏DFを破るには至らず、8強には手が届かなかった。

<写真>山嵜(右)の決勝ゴールで柏U-18は準々決勝へ進出した
(取材・文 吉田太郎)

特設:Jユースカップ2009

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