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[大学選手権]大学生A代表・永井、109分に見せたビッグプレー

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[12.23 全日本大学選手権準々決勝 中央大 2-3 福岡大 江戸川]

 日本代表へ初招集された福岡大FW永井謙佑(3年=九州国際大付高、アビスパ福岡特別指定選手)が、21日の代表発表後初めて公式戦に出場。決勝点をアシストしチームを11年ぶりの4強へ導いた。

 圧巻のプレーは延長後半9分だった。永井はほとんど可能性のなかったフィードを抜群の身体能力でマイボールにすると、相手DF3人に寄せられながら持ちこたえ、右サイドをフリーで駆け上がった1年生MF岸田翔平へ絶妙なラストパス。岸田が右足で決めて決勝ゴールとなった

 積極的なドリブル突破で相手DFをぶち抜くなど存在感を見せていた永井の、109分間を走り抜いた末に見せたビッグプレー。彼が持つ独特のドリブル感覚と仕掛けようとする姿勢について、乾真寛監督は父親の仕事の関係で永井が3歳から8歳までブラジルで過ごしていたことを指摘する。「極限の状態になったときでも身体の沈む、動物的なドリブルができる。また彼の凄さはゴールの近くであえてたったひとりで切れ込んでいく、ドリブルで仕掛けられるところ。日本では彼しかしないプレーをする。ボクは『日本の宝』だと思っている。これは教えて育つものではない。(ブラジルで)ストリートサッカーをしていた影響もあると思う」と説明した。

 この日視察に訪れていた日本サッカー協会の原博美強化担当技術委員長からも「いい素材だと思う」と称賛された永井。前回王者を撃破した試合について「追いつかれて追い越して、ドキドキした」と笑顔で振り返った永井は改めて「インカレで優勝したい」と宣言した。

 ただ、アジア杯予選イエメン戦(10年1月6日)メンバーに招集されたことで、このまま勝ち上がった場合はチームの大学選手権決勝と代表戦が同日となり、どちらかをあきらめざるを得なくなる。乾監督は「1月6日の話は(準決勝が終わるまで)封印して頂きたい」と記者陣に懇願。永井自身も「(代表よりもまず)チームで結果を残す」と26日の準決勝・駒澤大戦を見据えた。

(取材・文 吉田太郎)

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