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[大学選手権]この日移籍決定の兄にもエール!福大・高橋が今大会2回目のV弾!

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[12.26 全日本大学選手権準決勝 福岡大 2-1 駒澤大 平塚]

 今年1年間、度重なる負傷で苦しんできたストライカーが今大会2度目の決勝弾を決めた。立命館大(関西3)との初戦で途中出場ながら決勝ゴールを決めていたFW高橋祐太郎(4年=三潴高)は、1-0とリードして迎えた後半12分から出場。チームは18分にPKを献上し同点に追いつかれたが21分、全日本大学選抜候補にも選ばれてきた実績を持つ男のヘッドが駒澤大ゴールを撃ち抜いた。

 福岡大は中央のMF藤田直之(4年)が右サイドへ展開。このパスを受けた1年生MF岸田翔平が右サイドを個人技で破るとすぐさま上げられたクロスに背番号9が鋭く反応する。そして184cmの長身から放たれた渾身の一撃はゴール中央へと叩きこまれた。

 今年は右手首骨折、背中の負傷など負傷ばかりの1年。今大会中も左ハムストリングの負傷に悩まされた。痛みは強く、昨日、一昨日はいずれも全体練習に合流できなかったほど。そのような状況の中、高橋は本来の先発でプレーしたい気持ちを抑えながら「スーパーサブ」の役割で精一杯結果を残してきた。そしてこの日の決勝ゴール。乾真寛監督も「(高橋は)今大会MVP級のプレーをしてくれている。(駒澤大CBの)中山クンも強いけど、それ以上の強い、滞空時間のあるヘッドを決めてくれた」と賞賛していた。

 兄はこの日、大分トリニータからセレッソ大阪への移籍が発表されたFW高橋大輔。三潴高(福岡)時代からプロ入りを目指していた高橋に福大進学のアドバイスをくれたのが、ちょうど同時期に福大から大分入りすることの決まっていた兄・大輔だった。
 兄が成長した場所で自らも4年間鍛えてきたFWは、兄が叶えることのできなかった大学選手権日本一の夢に自らのゴールで王手を懸けた。まだ進路の決まっていないという高橋は全国の舞台でまだまだ自身をアピールしたいという強い思いもある。
 モチベーションは最高の状態。10年1月6日に明治大と戦う決勝へ向けて高橋は「自分が4年間やってきたことを出すだけ。納得のいくプレーを整理して出したい。決勝は(日本代表としてアジア杯予選イエメン戦に臨む)永井がいないけど必ず金メダルとって、永井も含めてみんなで喜びたい」。日本代表FW永井謙佑(3年)不在の決勝でも心配はない。4年生ストライカーが再びゴールでチームを救う。

(取材・文 吉田太郎)

特設:大学選手権09

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