beacon

残り5分から逆転!浦和が日韓女王対決制す!:日韓女子チャンピオンシップ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.27 日韓女子チャンピオンシップ 浦和レッズレディース 4-2 大教カンガルーズ 駒場]

 日本・韓国の女子リーグ優勝チーム同士が戦う「日韓女子リーグチャンピオンシップ」が27日、さいたま市駒場スタジアムで行われ、2009年のプレナスなでしこリーグ優勝の浦和レッズレディースと2009WK・リーグ優勝の大教カンガルーズが激突。後半40分からの3得点で大逆転した浦和が4-2で勝ち、日韓女王対決を制した。
 なお、MVPには後半42分の勝ち越しゴールと後半ロスタイムにもダメ押しゴールを奪った浦和の日本女子代表FW後藤三知が選出された。

 ホームの浦和は2月の東アジア女子サッカー選手権2010決勝大会優勝メンバーのGK山郷のぞみ、DF矢野喬子に加え、日テレから加入したFW荒川恵理子ら先発メンバーの半数以上が日本女子代表経験者。一方の大教も韓国女子代表主将のDFキム・ユミ、同代表のエースFWパク・ヒヨンら東アジア女子サッカー選手権で活躍した選手たちが先発に名を連ねた。

 先制点を奪ったの大教だった。9分、右サイドからドリブルでPAへ進入した元ブラジル女子代表FWプレチナが鋭い切り返しでDFをかわしそのまま左足シュートをゴールへ流し込んだ。対する浦和は自陣から丁寧にボールをつなぐと、前線の荒川からサイドへ展開。MF柳田美幸の左足シュートなどで同点に追いつこうとする。
 だが大教は20分、前線からプレッシャーをかけ、相手との距離を詰めるとプレチナがPAで浦和DFからボールを奪取。そのまま左足で2点目をゴールへ沈めた。

 2失点で流れの悪くなった浦和だが、1チャンスをものにして追撃を開始する。29分、自陣からのフィードを後藤が競り勝ち、DFラインの後方へ落とすと、いち早くボールに反応した荒川が右足で1点差に迫るシュートをゴールへ流し込んだ。息を吹き返した浦和は34分、柳田の絶妙な右クロスに荒川が決定的な形で飛び込む。このシュートはGK正面を突き、その後も柳田の左足シュートもゴールを捉えながらGKにはじき出されたが、浦和は自らのペースで前半を折り返す。

 前半終了間際に荒川が負傷退場した浦和だったが、前半終盤の勢いどおりに後半も攻め込む。相手SBの背後のスペースを再三突き、2,000人近くのサポーターが詰め掛けたスタンドを沸かせた。だが、前半途中から韓国女子代表SBホン・ギョンスクをCBへポジションチェンジして守りを固める大教の堅い守りの前にラストパスを通すことができない。

 それでも後半19分に“切り札”藤田のぞみを投入するなどして波状攻撃を繰り広げた浦和は40分、敵陣中央でパスを受けた藤田が右サイドへ展開すると見せかけてPAへ走りこんだ柳田へ完璧なスルーパスを通す。抜け出した柳田がダイレクトで中央へ折り返すと最後はMF庭田亜樹子が右足ダイレクトでゴールへと押し込んだ。

 劇的な同点ゴールで士気上がる浦和はさらに41分、縦パスで左サイドを抜け出したMF岩倉三恵のクロスをファーサイドへ飛び込んだ後藤がDFと接触しながらも右足で合わせて逆転した。そしてロスタイムにもDF森本麻衣子の右クロスを再び後藤が頭でゴールへと沈め4-2で試合終了。勝った浦和の村松浩監督は「ホームでもあるので積極的ゴールへ攻めていこうと。時間はかかったが、日本の面目を保つことができてよかった」と選手を讃え、MVPの後藤は「個人的にはそれまで(勝ち越しゴールを決める85分間)はダメだったけど、点を入れて、こうやって勝つことができてよかった。ゴールシーンは自分の力だけでなく、みんなの力で生まれたゴール。うれしい」と勝利を喜んだ。

(取材・文 吉田太郎)

TOP