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今年2敗の難敵・成徳深谷に全国決定戦でリベンジ!昌平が3年連続の全国へ

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昌平高が3年連続となる全国出場を決めた

[6.23 総体埼玉県予選準決勝 成徳深谷高 0-2 昌平高 埼玉スタジアム第2G]

 雪辱勝利の昌平が全国へ! 23日、平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ、三重)への出場2枠を懸けた埼玉県予選の準決勝が行われ、今年の県新人戦、関東大会県予選で優勝している成徳深谷高とインターハイ予選3連覇を狙う昌平高が対戦。昌平がMF渡邉建太(2年)とMF木下海斗(3年)のゴールによって2-0で勝ち、3年連続3回目の全国大会出場を決めた。

 同じ相手には3度も負けられない。その思いを込めて戦った昌平がリベンジを果たした。16年インターハイで全国4強入りし、昨年は埼玉5冠を達成している昌平だが、今年は県新人戦準々決勝で成徳深谷に敗れると、続く関東大会県予選準々決勝でも成徳深谷に敗戦。県1部リーグの対戦も0-0で勝つことができていなかった。

 この試合も序盤は成徳深谷のペースだった。成徳深谷は前線にボールを入れてからFW戸澤雄飛(2年)やMF佐藤蒼太主将(3年)が力強い仕掛け。失ったボールを2度追い、3度追いしてプレッシャーをかける成徳深谷は相手のクリアを拾って連続攻撃を繰り出す。15分には右サイドでボールを奪った佐藤がエンドライン際までえぐってラストパス。セカンドボールを拾って繋ぎ、最後はFW竹間世和(3年)の右クロスから戸澤が決定的なヘッドを放った。

 立ち上がりは守備でバタバタしたシーンも見られた昌平だが、成徳深谷の波状攻撃を凌いで攻撃時間を伸ばす。前線に長いボールを入れて起点を作った昌平は、19分に左サイドから仕掛けたMF渋屋航平(3年)がシュートへ持ち込んだが、チャンスの数を増やすことができない。

 それでも、藤島崇之監督が「常にスイッチが入っている。アイツはずっとやり続けてくれる」と信頼するMF丸山聖陽(3年)や司令塔のMF原田虹輝(3年)が中盤での主導権を握った昌平は、34分に先制点を奪う。木下のパスを起点に原田が右サイドからアーリークロス。ニアでFW西村悠希(3年)がDFを引きつけると、ファーサイドで空いた渡邉が右足ボレーで先制点を叩き出した。

 今大会初出場の渡邉はこれが公式戦初ゴール。昌平はベンチに注目FW森田翔(3年)やU-16日本代表FW須藤直輝(1年)ら強力アタッカーをおき、後半にペースアップさせる構えを見せていた中で貴重な先制点となった。一方の成徳深谷は右SB長谷玲央(3年)のロングスローや交代出場FW間中実来(2年)のドリブル突破、シュートなどから反撃する。

 だが、森田、須藤を投入して打開力を増した昌平が追加点を奪う。後半29分、左サイドでボールを持った須藤がDF1人を振り切ると、さらに2人目のDFを股抜きで突破。中央方向へ持ち込んで出したパスから木下が右足で2点目のゴールを決めた。

 成徳深谷も諦めずに反撃したが、昌平はCB関根浩平主将(3年)を中心に、安定感を期待されて先発起用された右SB吉田航や左SB堀江貴大、CB阿部天翔(全て3年)のDFラインや、GK牧之瀬皓太(2年)が決定打を打たせずに2-0で勝利。成徳深谷に雪辱し、3年連続の全国出場を決めた。

 昌平の藤島監督は「上手くいかないゲームを改善してできたのが良かった」と頷く。また怪我から復帰した渋谷、木下が指揮官も「存在が大きかった」というプレー。ミスで過去2回の敗戦のきっかけをつくってしまっていたという関根がリーダーとしてチームを支え、また抜擢された渡邉や期待のルーキー・須藤が期待に応えるなど個々の活躍も光るゲームだった。
 
 県内で圧倒的な強さを見せつけていた昨年までと違い、苦しみながらも乗り越えて掴んだ勝利の意味は大きい。関根は全国大会へ向けて「一昨年もベスト4で悔しい負け、去年は初戦で負けている。インターハイの全国は悔しい負けが続いている。日本一を目標としているので自分たちの代で成し遂げたい」。昨年までに比べて攻撃の多彩さもある今年、自力をつけてきた埼玉の実力派が全国で目標達成に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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