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[早スポ]明大に完敗、優勝争い厳しさ増す

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[早稲田スポーツ ゲキサカ版]

 GW3連戦の1試合目にワセダは7位の明大を相手に迎えた。昨季関東大学リーグ戦(リーグ戦)4位の明大を上位争いから脱落させ、自身も専大、順大との勝ち点差を離されないために何としても勝利が欲しかった今節。しかし前半終了間際にPKを与え失点すると、後半にもセットプレーから追加点を奪われる。ワセダ(早稲田大)も交代出場したFW宮本拓弥(3年=流通経済大柏高)が後半に1点を返すが、追撃むなしく1-2で敗戦となった。

 25度を超える暑さの中、前半はワセダボールからキックオフ。開始直後からFW上形洋介(4年=早稲田実高)を筆頭に激しいプレスを仕掛けるも、明大はショートパスを多用しワセダのプレッシャーをいなしていく。初めはやや対応に苦慮しているように見えた選手たちだったが、次第にDFも安定してくると、攻撃でも上形の裏への動きが見られるようになる。39分にはMF堀田稜(3年=浦和ユース)の浮いたパスを上形が胸で落とし、FW山内寛史(2年=國學院久我山高)が絶好の位置でボールを持つもシュートまで持ち込めず。このまま0-0で前半が終わるかに思われた43分。相手右サイドの猛攻を受けると、PAで競り合った堀田が相手にPKを与えてしまう。これを落ち着いて決められ、嫌なムードで前半を折り返す。

 前半のミスを修正して攻めの構築をしていきたいワセダだったが、後半開始早々から明大のプレッシャーに押され後手に回ってしまう。53分には再び堀田がPKを献上。2失点目は免れないと思われたが、GK松澤香輝副将(4年=流通経済大柏高)がビッグセーブを繰り出しチームを鼓舞する。この勢いに乗って逆転したい。チーム内にそんな空気が流れた直後の60分、相手のショートコーナーから中に入れられると、フリーになった相手選手にヘッドで2点目を叩き込まれる。前半対応できたように見えたDFもショートパスで動かされ左サイドに振られ、相手に何度も突破を許してしまう。ワセダも久々の試合復帰となった宮本、リーグ戦初出場のMF市村一貴(3年=神奈川・桐蔭学園)を含む交代枠3枠を使い切り変化をつけようと試みるが、前線にボールが収まらずシュートにつながらない。終了間際にMF近藤貴司(4年=三菱養和SCユース)のスルーパスを受けた宮本が、キーパーとの1対1を制し今季初ゴールを決めたが時すでに遅し。貴重な勝ち点3を逃す結果となってしまった。

 今季初の黒星。だが「優勝を目指す上で少し厳しくなってしまった」(MF園田慎一郎、4年=早稲田実高)と話すように、その意味するところは言葉以上に重い。今回のような内容ではリーグ戦優勝はただの夢となってしまう。その事実は選手たちが誰よりも理解しているはずだ。特に攻撃陣のシュート本数の少なさからも伺えるように、いまのワセダは攻撃のかたちを確立できていない。問題は山積しているが、逆に言えばこれまで隠れていた問題をあぶり出す試金石となったのではないだろうか。選手たちは口々に「次は自分がチームを勝たせるプレーをする」と語った。この敗戦を意味ある敗戦にするためにも、次戦以降はこれまで以上に結果が求められる。エンジの炎はまだ消えていない。

[写真]ゴールで復活を印象付けた宮本

(記事 高柳 龍太郎、写真 大口穂菜美、藤巻晴帆)

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