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[早スポ]必死の攻防みせるも、勝ち点3を奪えず

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[早稲田スポーツ ゲキサカ版]
 勝たなければならない試合が続く中、迎えた前節の早慶戦では3試合ぶりに勝利(〇2-0)したワセダ(早稲田大)。今節は流通経大との対戦となった。試合は開始から相手に圧倒されペースをつかめずにいると、徐々に流れをつかみかけた後半開始直後に先制を許す。さらに退場者を出し一人少ない中での戦いとなったが、反撃に乗り出し1点を奪うことに成功。しかし、その後逆転弾を上げることはできず、1-1のドローで試合を終えた。


 序盤からフィジカルの強さを生かしたプレーを見せる流通経大に圧倒され、度重なるファウルを犯す。FKを与えピンチを招いたが、GK松澤香輝副将(4年=流通経済大柏高)の好セーブなどで失点を防いだ。12分には、右から上がったMF近藤貴司(4年=三菱養和SCユース)からのクロスをMF堀田稜(3年=浦和ユース)が受けゴール前の近藤貴に折り返すと、最後はパスを受けたFW宮本拓弥(3年=流通経済大柏高)がシュート。ゴールとはならなかったが、初めて攻撃のかたちをつくる。その後もチャンスはあるものの、なかなか得点にはつながらない。逆に相手に連続でFKを与え危ないシーンが続いたが、ここは松澤がしっかりと止め、両校ともに無得点のまま前半を折り返した。


 勝利のためにも得点が欲しい後半。しかし試合を動かしたのは流通経大であった。50分、相手にクロスを上げられ、ファーサイドから飛び込んできた選手がヘディングでシュート。勢いに押され、先制を許す。その直後、さらなる悲劇が起こる。相手へのファウルでMF海野洋介(4年=流通経済大柏高)が2枚目の警告となりまさかの退場。10人での戦いを余儀なくされ宮本をボランチの位置に下げる。数的不利の状況で苦戦が予測されたエンジイレブン。しかし60分、近藤貴がドリブルでゴール前まで持ち込みファーサイドに浮き球のクロスを送ると、堀田がそのままシュート。ボールはゴールに突き刺さり同点に追いついた。その後も相手の攻撃に苦しむ場面があるも、体を張ったDF陣の決死の守りで失点を防ぎ、逆転を狙っていく。終盤に入ると勢いは増し、ピッチを広く使ったプレーが続きチャンスも多く生まれるが、あと一歩というところで得点を奪えず試合は終了。人数が少ない中一人一人が懸命にプレーするも勝ち点3を取ることはできず、痛い引き分けとなった。

 前節では勝利を収めたものの、ここ数試合引き分けも多く連勝できない状況が続くワセダ。今節引き分けたことで、順位もひとつ落とす結果となった。激しい優勝争いに食い込むためにも、これからの試合では勝ち続けることが求められていく。そんなチームの状況をMF近藤洋史主将(4年=名古屋U18)は「難しい状況や相手がプレッシャーをかけてきた状況の中で、そこを打開して自分たちのペースに戻すことができていない」と語った。「一人一が大きくならなければいけない」(近藤貴)と選手たちも話すよう、今後の厳しい戦いに勝ち抜くため、個々の成長が求められている。

[写真]得意のスピードを武器に大胆なプレーをみせた近藤貴

(記事 栗田麻里奈、写真 芦川葉子)

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