beacon

[慶スポ]安定の守備を見せ勝ち点1獲得 流経大戦

このエントリーをはてなブックマークに追加
[慶應スポーツ ゲキサカ版]
[5.18 関東1部・リーグ第9節 慶應義塾大0-0流経大 龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールド]

 10日に行われた順大との戦いを1-0で破り、3試合ぶりの勝ち点3を挙げた慶大。今節は、昨年の総理大臣杯で見事優勝を成し遂げた流経大が相手だった。プレシーズンに鹿児島で行われた大会では0-0となり、PK戦で辛くも勝利したが、まさに「苦しめられた相手」(山田融・3年=横浜FMユース)。試合は、ルーキーの野口翼(1年=サンフレッチェ広島ユース)を中心にゲームを組み立てる流経大に主導権を握られるも、体を張った守備で得点を許さず、スコアレスドローに。カウンターで決定機も作り、勝ち切れなかった悔しさもあるが、無失点で終われたという収穫も手にした。

 連勝を狙いたい慶大だったが、立ち上がりから流経大にボールを支配される。特に、ボランチに入った野口が豊富な運動量でビルドアップに参加。慶大のディフェンス陣の隙を突いて前線にボールを供給し、チャンスを創出されてしまう。一方の慶大は、カウンターの機会をうかがう展開で試合が進む。すると、前半の終盤に両チームに決定機が訪れる。37分に、富樫大介(3年=鶴岡工高)が久保飛翔(3年=済美高)と望月大知(2年=静岡学園高)の間を抜け、GKと一対一に。しかし、これは峯達也(4年=桐光学園高)がビックセーブを見せ、得点を許さない。対して慶大は41分、右サイドを駆け上がった溝渕雄志(2年=流通経済大柏高)が、角度のないところからシュートを放つ。しかし、わずかにゴール左に外れ、先制点を得ることはできなかった。

 後半に入っても一進一退の攻防は続く。両チームの体を張った守備が光り、ゴール前までボールを運ぶことができず、中盤での主導権争いが激しくなっていく。後半の最初のチャンスを作ったのは慶大。65分に、右サイドでパスを受けた山田がクロスを上げる。ファーサイドで待ち構えていた増田湧介(4年=清水東高)が頭で合わせるも、惜しくもキーパーの正面に。先制点を得たい慶大は、63分に黄将健(3年=近大附高)に代えて山本哲平(2年=國學院久我山高)を、71分には山田に代え加瀬澤力(2年=清水東高)を相次いで投入。前線からの守備と攻撃を活性化させる。相手にも疲れが見え始めた試合終盤、慶大は一気に攻勢を掛ける。84分に、ペナルティエリア左で相手を背負いながらパスを受けた加瀬澤が、相手を振り切りシュート。これは惜しくもGKのセーブに遭ってしまうが、慶大のチャンスは続く。87分には、山浦新(4年=東京Ⅴユース)のパスを受けた川田悠介(4年=桐蔭学園高)が強烈なシュートを放つも、これもGKに右足で防がれ、どうしても1点が入らない。アディショナルタイムにも加瀬澤の惜しいシュートがあったが、得点には至らず、0-0で試合終了。勝ち点1を分け合う結果となった。

 終盤に何度か決定機があったものの、得点を奪えず。ただ、「守備のところは本当に安定していて良かった」(須田芳正監督)。MFの4枚とDFの4枚がしっかりと2列のブロックを敷くことで、ゴール前にボールを運ばせなかったことが2試合連続の無失点の要因だ。次節の相手は駒大。今季2部から昇格したチームだが、ここまで4勝を挙げている。31日から始まるアミノバイタルカップに良い流れで入っていくためにも、重要な意味を持つ一戦になるだろう。長身のFWを擁する相手に対し厳しい戦いが予想されるが、勝ち点3を奪って波に乗りたいところだ。


試合後の監督・選手のコメント

●須田芳正監督

―今日の試合を振り返って
「すごく良いゲームだったね。うちらとしては今日は失点ゼロでいこうと。守備のところは本当に安定していてよかったと思います」

―2試合連続の無失点だったが
「そこの部分は集中していたし、ポジショニングも良かったし、評価できるなと思います」

―終盤に山本と加瀬澤を入れたことで点を取りに行こうとしたのか
「最初から出た川田と黄ももちろんよく頑張っていたし、かなり前線から守備もやってくれる選手なので、途中から代えようかなとは思っていたんですけど。もちろん数少ないチャンスをモノにしようとは考えていたんですけど、基本的には守備のところをしっかりやって、そのあと(裏に)抜け出していこうということは代わった2人には話しましたけどね。基本的には守備を重視しました」

―その中で点を取るために必要なこととは
「いくつか最後チャンスがあったと思うんだけど、あのところはシュートの技術だと思うんだよね。ちょっとしたことだと思うんで、個人の技術の向上だったりは急に良くなることはないので、積み重ねしてトレーニングしていこうかなと思います」

―これまでは宮地元貴(2年=東京Ⅴユース)と加瀬澤の2トップだったが、今は川田と黄の2トップで、求めることが違うのか
「今日の2人(川田・黄)には相手の裏に抜け出そうと。特に相手は3バックだったし、結構前から来ている部分はあったので、相手の裏を突いてもらおうと。そういったスピードのある選手を今回は使ってそういった要求をしました」

―前期リーグも残り2試合となったが
「本当に早いもので残り2試合で、基本的には一戦一戦ということだね。後期までの22試合での結果もそうだけど、1つの区切りとして、前期でできれば20ポイント、あとは上位4番くらいには入りたいと思うんだけれども、今は次の駒大戦に向けてうちらはしっかりと準備をしていくだけです」

増田湧介主将(4年=清水東高)

―今日の試合を振り返って
「点を決められるチャンスもあったし、そういった意味では勝てた試合だったかなと思います」

―ここ2試合は無失点だが、守備に関しては
「守備に関しては、本当にディフェンスの選手を中心に全員で抑えられていたので、そこに関しては評価できるんじゃないかなと思います」

―ボールを奪ってからなかなかカウンターにつなげられなかったが
「ただ守るだけではなくて、攻撃のための守備というものをもっとチームとして向上させていかなければいけないなと思いました」

―次節への意気込みを
「今日は自分も何度かシュートを打って決められるシーンもあったので、次は自分の得点でチームを勝たせられるように1週間良い準備をしていきたいです」

溝渕雄志(2年=流通経済大柏高)

―今日の試合を振り返って
「前節は勝っていたので今節も無失点でいくということと、攻撃へどうつなげるかという課題を上手く試合の中で形にして、0-0を狙いながらもワンチャンスをものにしようという感じだったんですけど、無失点というところはよくできていたし、守備も集中していたのでそういう所の収穫はあったんですけど、(自分たちが)点を入れられるシーンはたくさんあったので、少し勝ち切れなかったという印象の試合です」

―古巣との対戦で、特別な思いはあったか
「結構皆そんな感じで言うんですけど、自身はそんな特別な思いはなくて、先輩とか同期もたくさんベンチ含めて居たんですけど、逆にいい意味でいい緊張感でやってやろうという気持ちがあったぐらいで、いつもと変わらずしっかりプレーしようという思いはありました」

―溝渕選手もオーバーラップからチャンスを作っていたと思うが、自身の出来を振り返って
「もっと出来るし、もっとやらなければいけないんじゃないかなと思います」

―ハーフタイムに監督からはどんな指示があったか
「前半よく集中してゼロで抑えられたので、後半も0-0でしっかり抑えながらも、ワンチャンスに集中して勝ち切ろうという感じの指示でした」

―次節に向けて
「次は駒大戦で、おそらく(ロングボールを)蹴ってくる相手になるので、今回、東国大や早大とそういう蹴ってくる相手に対して自分たちの形が作れていないという現状があったので、そこをもう1つこの1週間見直して、しっかりまず無失点で引き分け以上が得られるように全員でやっていきたいと思います」


(取材・文 慶應スポーツ 青山直樹)


[次節試合予定]

第10節 5月24日 駒大戦 (11:30@龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールド)

PR: この度、慶應スポーツではTwitterで試合の速報をつぶやいております。さらに、戦評や注目選手のインタビューはFacebookやHPでも閲覧できます。ソッカー(サッカー)部のみならず、多くの体育会の最新情報が満載です。是非一度アクセスしてみてください。

Twitterページ(keispo2014)
Facebookページ(慶應スポーツ新聞会)
HP(http://keispo.org/wordpress/)

TOP