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[早スポ]首位浮上へ望みをつなぐ

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 前節の流通経大戦を同点(△1-1)で終え、負ければ前期首位の可能性が消滅する厳しい状況の中、迎えた関東大学リーグ戦(リーグ戦)第9節。対するは昨季の全日本大学選手権で2位と好成績を残した国士舘大だ。何としても勝ち点3を手にしたいワセダ(早稲田大)は立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛け、前半だけで2点を奪い国士舘大を圧倒。後半は一時相手の時間帯となるも、終盤にダメ押し点をたたき込み3-1で勝利を収めた。この結果、順位を3位に押し上げ、首位浮上へと望みをつなげた。

 序盤から攻めの姿勢でクロスを上げ、ゴールに迫るエンジイレブン。なかなか得点にはつながらないものの、セカンドボールを着実に拾い相手に攻撃のかたちをつくらせない。スコアが動いたのは23分。MF近藤洋史主将(4年=名古屋U18)の放ったCKをDF田中進之介(4年=湘南ユース)がヘディングで合わせ、今季リーグ戦での初ゴールを決める。セットプレーからの先制でペースをつかむと、近藤洋が自ら攻撃の起点となりドリブルで攻め込むなど個人技も光り、勢いをさらに加速させる。34分には相手ボールを奪ったMF堀田稜(3年=浦和ユース)が左サイドをドリブルで一気に突破。グラウンダーのクロスで折り返すと、パスを受けたFW宮本拓弥(3年=流通経済大柏高)が左足でシュートを打ち、見事な追加点を挙げる。連携プレーからの息の合った攻撃と鉄壁の守備で試合を支配し、相手の追随を許さず2-0で前半を終えた。


 後半に入っても精彩を欠いたプレーを見せる相手に対し、前半に引き続き波に乗りたいワセダ。このまま主導権を握り続けるかに思われたが67分、ゴール前での混戦でクリアミスを犯すと、チャンスを見逃さない相手の一撃がゴールネットを揺らす。失点からの悪い流れにのみこまれ、攻守の切り替えの遅れによりボールを収め切ることができない。攻撃にも決め手を欠き、幾度もクロスを放つがゴールを脅かせず、相手に押される展開に。苦しい状況を打ち破ったのは途中出場のFW市村一貴(3年=桐蔭学園高)だった。相手のCKの跳ね返りを市村がインターセプトし、ドリブルで持ち込みを図る。空いたスペースを有効に使い、DF新井純平(2年=浦和ユース)につなぐと、新井のクロスに合わせてMF近藤貴司(4年=三菱養和SCユース)が右足を振り抜き得点。スコアを3-1に伸ばし、そのまま逃げ切り勝利を飾った。

 7試合ぶりに前半での得点を決め計3点を奪って勝ち星を挙げるも、「もっともっと点を取れるシーンがありました」(GK松澤香輝副将、4年=流通経済大柏高)と語るように、手放しで喜べる勝利とはならなかった。強みである攻守の切り替えの早さを90分通しては発揮できず、チャンスを生かし切れなかった点には課題が残る。現在リーグ戦首位に付ける専大との勝ち点差は4。強豪校との対戦も控えており、この後も負けが許されない試合が続く。いま一度気を引き締め直し、次戦では内容、結果共に満足のいくプレーを見せてくれることに期待したい。

[写真]多彩なパスで攻撃のタクトを振るった近藤洋主将

(記事 大口穂菜美、写真 栗田麻里奈)

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